JOURNAL
歯周病とはたらく細胞
こんにちは 受付の松本です。
今回も歯周病についてお話していきます。
歯周病の症状がなぜ起こるのかというお話をメインにお伝えしていきます。
●歯周病で歯茎が腫れるのはなぜか?
歯周病の初期症状のひとつに、歯肉の炎症と出血があります。
歯茎が腫れて、腫れぼったくなります。
ではなぜ歯周病は炎症と出血が起きてしまうのでしょうか?
歯周病を引き起こす原因菌は酸素を嫌う菌(嫌気性菌)なので、通常歯肉の中に存在します。
しかし、歯肉と歯の境目の場所に歯垢(しこう)という塊をつくることによって歯周病菌は歯肉と歯の表面に巣食うことができるようになります。
歯垢はしっかりと酸素をシャットアウトするので、酸素の嫌いな細菌でも繁殖することができるのです。
そうすると歯垢の中で歯周病菌は大繁殖し、歯肉を攻撃していきます。
歯垢とは細菌の塊であるのと同時に、歯周病菌にとって都合のよいお家となります。
しかし、身体も黙って細菌に侵されてはおりません。
我々人間の身体というものは
”自分の身体を守ろう!”
”悪いものを排除しよう!”
という働きを持っているので、免疫系統が動きだします。
その代表格が「白血球」です。
白血球は病原菌を直接攻撃してくれる免疫細胞です。
まさに ”はたらく細胞” ですね。
漫画・アニメも大人気の「はたらく細胞」でも”白血球さん”として登場しているので、免疫と言えば白血球と結びつく方も多くいらっしゃると思います。
白血球は病原菌に対して直接攻撃・貪食し、細菌を倒す働きを持っている血液中の血球です。
標的部位(細菌がいる場所)に向けて白血球を送り込むために、血液が標的部位に集まります。
歯周病菌が悪さをし始めると、歯肉の中にいる歯周病菌を目がけて白血球が集まり歯肉内に血液が貯まります。
集まった白血球は歯周病菌と直接攻撃し倒そうとします。
戦いが起こるので当然炎症が起こり、歯肉が赤くなります。
赤くなった歯肉はもろく壊れやすいので、歯肉を傷つけると貯まった血液が外に溢れてくるので出血となります。
ここで問題がひとつあります。
いくら白血球が歯肉の血管に集まったとしても、歯垢の中には白血球はたどり着けません。
歯垢には血管がないので、歯垢内にいる歯周病菌とは戦うことができないのです。
なので、歯垢そのものを除去しなければいつまでも歯周病菌は口の中に残ることになります。
歯垢内の安全なお家の中で繁殖した細菌たちは、歯肉に戻っていき、歯肉をいつでも攻撃することができます。
もちろん唾液中には殺菌成分が含まれていますが、歯垢を溶かす力はありません。
やはり、歯垢を取り除かない限り歯周病は止められません。
今回は、歯肉が腫れてしまう理由をお伝えいたしました。
なぜ?
どうしてこの現象がおこるのか?
ということを考えることは非常に大切なことだと思います。
症状の原因と機上を理解することは、予防と治療に効果的だと考えております。
歯医者さんや歯科医師、歯科衛生士さんから説明を聞いて
なぜだろう?
どうしてだろう?
という疑問がありましたら、ぜひなんなりとご質問ください!