JOURNAL
ここは歯医者??美術館!?
こんにちは 受付の松本です。
みなさま、アートはお好きですか?
わたしは好きです🌟
当医院には、歯医者とは思えないようなアート作品がたくさんあります✨
今回は院長先生こだわりのアート作品をご紹介いたします。
本日は、こちらの白い独特な作品
「I am You 」です。
こちらの作品は
早川 祐太さんという、アーティスト様に特別に製作していただいた作品です。
早川裕太さんについて簡単にではございますがご紹介をさせていただきます。
岐阜県出身のアーティストで、武蔵野美術大学大学院研究彫刻コースを修了。
立っているということ、ものの質量、水の表面張力といったものの性質から生まれる「現象」を取り入れた作風で、彫刻やインスタレーションを作成。さまざまな作品を制作されています。
インスタレーションとは展示空間を含めて全体を作品とし、見ている観客がその「場」にいて体験できる芸術作品のことをいいます。
当院のために作成くださった作品は、石膏といわれる素材で作成されています。
石膏は、歯医者では馴染みのある素材で、歯の模型を作成する際に使用する材料です。
石膏は水を混ぜると固まる素材なので、患者様から採取した”印象”と言われる歯形に石膏を流し込み、模型を作ります。
この石膏という、歯医者には欠かせない素材で作ってくださり、とても嬉しいですよね❗️
作品もとても独特な造形をしていて、世界に類似品のない特別な作品なことが伝わってきます❗️
しかも、I am You はひとつではなくなんと
3兄弟おります✨✨
院内のどこにあるのか、ぜひ探してみてください‼️
私自身は、アートや芸術作品に特別詳しいわけではありません。
しかし、アート作品の背景を考えたり、観賞するのは大好きになりました。
学生時代、上野駅にある数多の美術館を見学しておりました。
それはなぜかというと、学生は入館料が無料になったり、割引になったりと優待があり、お金の少ない学生の拠り所だったからです。
あの頃は、絵画やアートを見ても、「上手に描けててすごいなーー。絵がうまいっていいなーー。」と感心するだけの、大変失礼な観賞法しかしておりませんでした。
そんな私でも社会人になってから、アートを好きになったきっかけがあります。
それは一冊の本で
原田マハさん著の
「暗幕のゲルニカ」
という小説です。
原田マハさんと言えば、2022年に公開された映画、「キネマの神様」の原作者であることが記憶に新しいと思います。
この映画は、山田洋次監督で制作され、制作当初は、志村けんさんと菅田将暉さんのW主演となっており話題になっておりました。
しかし、志村けんさんが新型コロナウイルスによりお亡くなりになり、出演は叶わなくなってしまいました。
志村けんさんご逝去の報道時にも、主演映画が決まっていたことが報じられておりました。
映画はまだ見れてないのですが、キネマの神様の原作小説は、数年前に拝読させていただきました。とっても泣ける感動的なお話で、エンタメってこうだよね!!と誰もが納得するストーリーだと感じました。
機会があれば映画も見たいと思います。
原田マハさんご自身は、大学で日本文学を専攻後、仕事のかたわら美術史を学び学芸員の資格を取得します。
さらには、40歳を過ぎてから執筆活動を開始しされた異色の経歴の作家さんとなっております。
豊富な経験と知識に裏打ちされた、美術やアートに関する著書が多い一方で、心温まる物語も多数出版しております。
では、本題の「暗幕のゲルニカ」についてお話させていただきます。
◉暗幕のゲルニカあらすじ
20世紀を代表とする絵画、ピカソの「ゲルニカ」は反戦のシンボルとして国連本部のロビーに飾られています。
世界同時多発テロ事件による報復措置として、米国務長官はイラク攻撃を宣言。
宣言報道の場である国連本部では国務長官の背後にあるはずの「ゲルニカ」のタペストリーは”暗幕”によって隠されていました。
このニュースをきっかけにMoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレーター八神瑶子はピカソの名画を巡る陰謀に次々と巻き込まれていきます。
祖国の町に空襲が襲ったピカソの思いとは。
ピカソの恋人で、写真家のドラ・マールが生きた過去と、現代の瑶子の想いと思案が交錯します。
そのの中で辿り着く一つの真実とは??
怒濤のアートサスペンス!!
という内容で、何度読んでも圧巻の読み応えです。
こちらの作品の驚くべき特徴は、史実を織り混ぜたフィクション小説ということです。
2003年、ゲルニカは本当に暗幕に隠されていたのです。
米国率いる連合国軍がイラクに空爆を行おうという前夜、当時の国務長官の背後のゲルニカは隠され、世界中に憶測が行き交ったそうです。
これからイラクに向けて空爆しようとする中、空爆批判の絵画は隠さなければと、誰か偉い人からの指示だったのだと思います。
原田マハさんがこの作品を執筆しようと思ったのは、ゲルニカが暗幕によって隠された後スイス・バーゼルでピカソと親交があった大コレクター、バイエラー氏の美術館に行った際、ゲルニカのタペストリー(タペストリーは世界に何個かあリます)の横に、当時の米国国務長官が暗幕の前でスピーチする写真があったそうです。
そこにはバイエラー氏のメッセージが添えてあり
「ピカソの真のメッセージは暗幕などでは決して隠せない。
誰かがピカソのメッセージに暗幕を掛けたのであれば、私がそれを引き剥がすまでだ」
と記載されていたそうです。
このメッセージに感動し、この小説を書くことを決めたそうです。
ご自身の体験と史実を多彩に組み合わせ、それぞれの人物の想いを想像し描いたことが素晴らしいと思いました。
あの有名なゲルニカは、どのような状況で制作されたのか、ピカソがどんな想いで描いたのか、その作品が現代の人にどのような影響を与えるのかなど
この小説から私はアートの奥深さというものを知ることができました。
アートの観賞というと、とてもハードルが高いような気がします。
特に、近代アートは独創的なものが多いので難しいと思ってしまう方も多いと思います。
しかし、無理に理解しようとしなくて良いそうです。
何より大事なものは「直感!!!!」
直感で「好き!!」
と思えばそれが正解なのです。
ですので、当医院も歯医者ではありますが、アートをたくさん展示し、患者さまに楽しんでいただけたら幸いと思っております。
院長先生が言われていたのが
「美術館に行くと思って歯医者に来てほしい。
そんな面白い歯医者があっても良いと思うんだ。」
という言葉です。
ぜひぜひ皆さまも、美術観賞すると思って歯科の門をくぐってみてください🎵
一緒に歯を美しくしながら、アートを楽しみましょう!
受付の松本でした。