JOURNAL
八重歯と吸血鬼
みなさまこんにちは 受付の松本です。
今年もハロウィンの時期が近づいてきましたね🎃
ハロウィンの仮装の中でも、吸血鬼の仮装は特に人気ではないでしょうか?❔
本日は吸血鬼と八重歯についてのショートコラムを記載していきます!
その前に先日告知いたしました通り、ハロウィンイベントとして、歯科専用のフッ素配合入りのガムをお配りいたしました‼︎
みなさま大変喜んんでくださり、とても嬉しかったです♪
◉八重歯とは
八重歯とは、上の歯の中で正面から数えて3番目に生える犬歯という歯が、両隣の歯よりも外側に飛び出た位置に生えている状態を指します。
乱杭歯(らんくいば)や叢生(そうせい)とも呼ばれている歯です。
芸能人で言えば、元AKB48出身の大島優子さんは、笑った際に八重歯が見えてとても可愛らしいと思います。
八重歯が動物の牙のようで、チャームポイントとして肯定的に考えている方もいらっしゃるとおもいます。
しかし、八重歯は他の歯列方向と違う方向に生えているため、歯ブラシをした際の磨き残しが残りやすい場所でもあります。
ですので、虫歯や歯周病になりやすすく、正しいケアをしていかなければならない歯でもあります。
◉八重歯のできる理由
ではなぜ八重歯はできてしまうのか❔
①生える順番が最後
歯は体の成長に伴い、6〜12才にかけて「乳歯」から「永久歯」へと生え変わります。
最初に生え変わるのは、前から数えて6番目の歯が永久歯となり、その次に、前歯、奥歯と順番に生え変わります。
犬歯は最後に生えてくるので、犬歯の両隣の歯はすでに生えています。
その時犬歯が生えるためのスペースが十分に空いていないと、後から生えてくる歯が割り込む隙間がないため、歯列から飛び出した位置に犬歯が生えてきます。
スペースを先に生えている永久歯にとられてしまうのですね。
永久歯は乳歯と比べると一回り大きいです。
ちょうど↓の絵のように、ぎゅうぎゅうの歯列になっていると、犬歯が入り込む隙間がなさそうですよね。
②あごが小さい
日本人は欧米人と比べてアゴが小さく、歯が生えるスペースが小さいです。
さらに元々アゴが小さい方だと、歯が生えることのできるスペースがそもそも小さく、永久歯が正しい位置で並べるスペースが確保できないことがあります。
歯の大きさは大きいのにも関わらず、アゴの大きさが小さければ、歯同士が押し合い歯の間隔がつまり、八重歯の原因となってしまいます。
◉八重歯の治療
八重歯は病気ではないので、そのまま放置している方も多くいらっしゃると思います。
しかし最初に申し上げた通り、八重歯は虫歯や歯周病になりやすく、ケアが大変です。
ですので重歯を直すには矯正治療によって歯を動かし、八重歯のスペースを確保してあげたら良いです。
八重歯の向きによっては、他の治療も有効な場合があります。
八重歯でお悩みの方はぜひ当医院でご相談してみてください。
◉吸血鬼とは
吸血鬼とは想像上の生き物で、英語ではバンパイアと言います。
吸血鬼のイメージとして真っ先に思い浮かぶのは、黒いマントと鋭い歯ですね。
これは『吸血鬼ドラキュラ』という原作小説を元に制作された映画のイメージによるものです。
ドラキュラとは、吸血鬼の主人公の名前です。
海外では八重歯のことを「バンパイアティース・吸血鬼の歯」ともいい、良い言葉として使われていないようです。
欧米では日本と比べ、歯並びの矯正治療が盛んなこともあり、並びの悪い歯は積極的にきれいにしようという考えがあります。
きれいに並んだ白い歯は、本当にその人の魅力を何倍もアップさせるからです。
◉吸血鬼の起源とポルフィリン症
吸血鬼の言い伝えは世界各国に存在し、日本にも人の血液を吸う妖怪や伝承の類はたくさんあります。
吸血鬼はもちろん想像上の生物で言われ初めの起源は諸説ありますが、実際に存在する病気を元に創作されたのではないかと言われています。
私がまだ学生で、血液学の講義を聴いていた際、講師の先生が余談としてお話ししてくださった話があります。
吸血鬼の元となったのはポルフィリン症という病気というものです。
吸血鬼の特徴として日光を恐れ、人間の血を吸い、顔色が悪く、噛んだ相手を吸血鬼に変えてしまうというものです。
この特徴の元となった疾患が「ポルフィリン症」という病気です。
今でも難病として扱われ、効果的な治療や完治が難しい病気でもあります。
この病気は、血液の中にポルフィリンが多すぎることによって起こります。
赤血球の中にはヘモグロビンという酸素と結合するタンパクがあります。
このヘモグロビンの一部にヘムという物質でがあり、ヘムを作る過程でポルフィリン体という物質が生じます。
しかし、ポルフィリン症患者様は、血中のヘモグロビンを合成するヘムという物質の機能が正常に働かないため、酸素を十分に持っておらず、ポルフィリンという物質が溜まってしまします。
そうなると、わずかな太陽光を浴びても赤血球が壊れてしまい、皮膚が萎縮して赤くヤケドのように醜くただれてしまいます。
そうなると必然的に昼間の行動を控え、太陽が沈んだ夜に活動するようになります。
歯茎がやせ細ることで牙が生えたような形相に見え、口元や歯赤や茶色に変化し、まるで血を飲んでいるかのように見えてしまいます。
赤血球は脆く壊れやすいので慢性的な貧血に陥り、顔は青白くなります。
また、ポルフィリン症には遺伝性と急性があり、遺伝してしまうものもあります。
このような病気の症状は、吸血鬼の特徴と一致しますよね。
今でこそなぜこの病気が起こるかというのが解明されましたが、吸血鬼小説が発売されたのは1800年代なので、この頃の人々には病気の患者様という見方ではなく、恐ろしい怪物に変化してしまったのではないかと考えてしまったからです。
そうなるとある特定の地域にのみに伝わる伝承でなく、世界各国に存在するのも頷けます。
以上、松本でした。