JOURNAL
矯正とマリー・アントワネット
みなさまこんにちは受付の松本です。
かの有名なマリー・アントワネットも矯正治療をしていたという説があることをご存知でしょうか?
マリー・アントワネットとはフランスの王妃で大変華やかで贅沢な生活をしており、民衆からとても恨まれ、最後はギロチンによる公開処刑で亡くなったことで有名ですよね。
民衆からの好感度はとても低かったマリーですが、現代ではたくさんの書籍や映像化作品に登場する華やかな歴史上の人物としても知られ、多くの方から愛されております。
そんなマリー・アントワネットに関する歯科事情をお伝えしようと思います。
マリー・アントワネットは絶世の美女のイメージがありますが、実は”しゃくれた顎”をしていたといわれています。
マリーの一族は代々、長くしゃくれた顎を持つという特徴的な顔の型が遺伝していたようで、後に
「ハプスブルクの顎」
とも呼ばれるようになりました。
この顎の特徴は18世紀においても、美しくないとされており、しゃくれ顔は美人の条件には当てはまりませんでした。
現代にも残る彼女を描いた肖像画はことごとく、しゃくれておりません‼︎
肖像画というものは写真の無い時代、本人を示す大事なツールとなっておりました。
理想は陶器のような白い肌、ふくよかなバスト、くびれたウエストですが、ある程度は本人に近い容姿で描かなくてはなりませんでした。
何度も言いましょう。
マリーの肖像画はしゃくれておりません‼︎
それはなぜか?
歯列の矯正治療をしたからではないかといわれております。
特にルイ16世との婚姻前に矯正治療を受けていたのではないかと憶測されているそうです。
真実のほどは謎ですが、そんな憶測があるなんてロマンがありますね!
そもそも、矯正治療はいつごろから始まったのでしょうか?
実は紀元前1000年ごろから始まったといわれています。
とても古くから歯を綺麗にしようという、矯正の概念はあったということです。
ヨーロッパでは紀元前の矯正装置がさまざまな場所から出土しているそうです。
医師が本格的に歯列矯正に取り組むようになったのは18世紀ごろのフランスと言われており、貴族や上流階級の人々が行っていたそうです。
その後、1900年代のアメリカで”ワイヤー矯正”が確立されてきます。
このワイヤー矯正の原理は現代とほぼ同じです。
歯列にブラケットと呼ばれる器具をつけて、そこにワイヤーを通します。
歯を動かしたい方向に向かってワイヤーを締めてゆき、歯に適切な力をかけることで、少しずつ歯を移動させ歯列を整えていくというものです。
現代の矯正治療も手法は大きく変化せず、100年前に確立された原理をそのまま活用しております。
医学の進歩がめざましい現代でも、100年前と同じ原理となっているなんて驚きですね!
医学の視点でいうと
大昔からの原理を使う=古い治療法
という考え方ではなく
”たくさんの信頼と実績のある治療法”
という見方をすることができます。
100年分の豊富な症例と経験が現代の矯正治療にも生かされているということを指します。
医学を語る上で、信頼と実績というものは切っても切り離せません。
コロナウイルスのワクチンがなかなか日本での承認が降りなかったこともワクチンの製法によるものと言われています。
今まで開発されていたインフルエンザワクチンなどは、ウイルスの断片又はウイルスを不活化させた「ウイルス自体」を元に作られておりました。
これはジェンナーが天然痘のワクチンを発見した時(1800年代)から用いられている手法で、安心と信頼が長きにわたって確立し、証明されてきたワクチンの作り方です。
一方、今回世界で一番早くワクチンの供給が開始されたファイザー製コロナワクチンは、ウイルス自体を使ってワクチンは作っておりません。
では何を元にしてワクチンをつくったのか?
それは簡単にいうと「人工的に作った遺伝子」です。
簡略的にご説明させていただくと、人工的に作成したm-RNAを加工してワクチンとして人間に打つという手法です。
この考え自体は50年程前にはすでにあったそうですが
倫理的に”人工的”につくったものを人間に入れるという”人工的”にという部分が長きにわたり引っかかり生理的に受け付けず、倫理的に拒否反応がでていたため、長く臨床の現場に登場することはありませんでした。
そのこともあってか開発当時からマイクロチップが入っているのではないか?
という疑惑が向けられてしまいました。
ファイザーのCEOはもちろんマイクロチップ説を断固否定しており、安全であることを示しております。
かくいう私もファイザー製のコロナワクチンを打った1人です。
このワクチンには利点もたくさんあります。
ウイルス自体を用いて作らないので、厳重なバイオハザード対策をしなくても工場で量産できること、開発費も安いこと、変異ウイルスが発生しても、人工的につくっているものなのですぐに変異に対応できること、なにより早いスピードで量産できることが言えます。
医療は安心安全でなくてはなりません。
そのため古くからある、安心安全な手法を用いることも大切ですが、革新的な新しい手法を積極的に取り入れるというバランス感覚も時には必要と思います。
話をワイヤー矯正治療に戻すと、今ではブラケットを装着する矯正治療以外に、マウスピースを用いた矯正や、ブラケットを歯の裏側に装着し目立たなくさせる矯正もあります。
また、マウスピースとワイヤー矯正を複合させた矯正もございます。
矯正治療も昔ながらの原理を大事にしながら日々進歩しております。
医学の進化にいち早く対応できるよう、THE DENTALも進化を止めずに最新の医療を安全性を見極めご提案できるよう努めてまいります。
受付の松本でした。