JOURNAL
歯科医師=職人×職人
どうもこんにちは代表の高安です。
突然ですが、みなさんは右利き、左利き、どちらでしょうか?
恐らくほとんどの方は右と答えるでしょう。
日本人の約90%は右利きだそうです。
では両手が利き腕の人はどれくらいいるでしょうか?
日本人だとほんの数%だそうです。
この両手を使える人(クロスドミナンス)は珍しく、私と仲のいい友人くらいしか出会った事がありません。
今日は、そんなクロスドミナンスの世界観と歯科医師の世界観を重ねてお話しが出来たらと思います。
そもそもクロスドミナンスとは、両手が自由に使いこなせるという訳ではないのです。
普段は右手を使った方がしっくり来るが、左手でも同じ動作はできるよ。
そんなニュアンスです。
私は生まれてからはずっと右手をメインに活用していましたが、色々な事が重なり、徐々に左手を使えるようになりました。
・ピアノと野球の出会い
まず小学校に入る頃、理由は忘れましたがピアノを習い始めます。
ピアノというのは右手でメロディ、左手でコードを弾きます。
これは教えられてやる左手の使い方ですので、どちらかと言うと矯正に近いのかもしれませんね。
あくまでも主役は右手、左手は補助。そんな感じです。
同時期に野球(キャッチボールのみ)を矯正されました。
父が比類なきジャイアンツファンの影響で、将来サウスポーのプロ野球選手にしたかったんだとか…
右手に付けるグローブを貰い、左手で投げる練習をずっとさせられたそうです。(記憶には無い)
・アクティブな校風
大昔に通学していた小学校は、平気でカヌーで川下りをさせたり、コンビニに寄る感覚で富士山(もちろん10合)に登頂させる学校でした。
当時SMAPと一緒に登ったのは良い思い出。
当然怪我も多く、骨折や捻挫を日常的に繰り返し、左手を使わざる生活が定期的にやってきます。
・エクストリームスポーツへの興味
徐々に趣味も増え、マウンテンバイクやロードバイク、ダウンヒルバイク、レーシングスキーからスノーボードなど
今ではリッターバイクでサーキットを走るようになりました。
ただ危ないスポーツには怪我は付き物。
あるときに右鎖骨から橈骨、尺骨を粉砕骨折してしまいました。
後遺症も残り、骨は変型したままに…
全治6ヶ月という間は右手は完全に使い物にならず、ほとんど左手で生活をする日々。
そんな事を繰り返しているうちに、左手もある程度は使えるようになったのです。
歯科医師になってからは右手をメインに使う事が多くなりました。
理由はほとんどのメーカーが右利き用にユニットを作っているからです。
しかし、右側の歯の治療をする時は、患者様の唇を物凄く引っ張らないと器具が届かないケースが出てきたり、そもそも手が届かなかったりします。
そんな時に私は気づいたのです。
もしかしたら左手で右側の治療をすれば良いのでは?と。
それに気づいてからは左手を使う頻度も高くなり、割と自在に両手を使いこなせるようになりました。
ここからは歯科医師の技量について少しお話しします。
結局のところ歯科医師は職人と同じで、いくら他が良くても最終的には腕が命です。
腕が良い外科医と頭や口が良い外科医で手術の選択肢を迫られた場合、私なら前者を選びます。
結局は外科医である以上そこなんです。
削った歯は戻ってきません。
いかに形成を丁寧かつ芸術的に行うかが技術に直結します。
最後まで時間をかけて行い、一本一本丁寧に形成する。
基本的な事ですが基本が1番大事です。
たまに詰め物が取れてしまった、被せ物が合わなかった。と言った声も聞こえてきます。
大体のパターンは形成がしっかり行われていなく、詰め物や被せ物を技工士さんが無理に製作してしまったパターン。
今日も右上の6番の被せ物のマージン(歯との境目)が1mmもズレている被せ物をやり替えました。
もちろん中はむし歯です。
恐らく原因はその人のブラッシングうんぬんではなく歯科医師が作ったむし歯でしょう…
原因は定かではありませんが、むし歯治療の基本は、まずはしっかりとむし歯になっている部分を取り除く事。(取り残しがあるとアウトですが患者様は分かりません)
当院では、むし歯の取り残しが無いようにう蝕検知液を使用して取り残しを0にします。
次に詰め物被せ物の選択です。
保険の治療は安価ですが、むし歯菌側からすると割と好都合なんです。
銀歯がむし歯菌の出す酸で溶け、中にむし歯菌が入り込み、空気の無い所で伸び伸びと子孫繁栄をします。
極力銀歯は入れて欲しく無いのが本音ですが、良い詰め物だと1本10万円なんてザラにあります。
最近白い詰め物でコスパの優れたハイブリッドセラミック(表面は100%セラミック内面1mm程度がレジン)を安価で提供できるように価格設定しました。1本30000円〜
仕方なく銀歯にしてしまう人を1人でも少なくしたいという思いです。
そして最後に形成です。
ここで良い詰め物や被せ物が作れるかが決まってきます。
あくまでも詰め物や被せ物を作るのは歯科医師ではなく、多くは歯科技工士です。
その歯科技工士さんが、歯型を見た時に良い形成だと良い詰め物を作ろうと思ってくるし、良い形成は物自体が作りやすいのです。
悪い形成だと適当な仕上がりになる事も多いです…
また、とある病院では技工料をケチって中国に送って作る病院も存在します。
原材料も不明で作っている人も不明なので仕上がりも100%でない事が多く、保険医療の闇を感じますね。
当院では専属の技工士さんが何名か居ます。
詰め物が得意な人、入れ歯が得意な人、金属の加工が得意な人、白い被せ物を芸術品の様に仕上げられる人
いつか、馴染みのある技工士さんの紹介もしたいと思います。
色々な病院が点在している中で患者目線で技工士さんまで目を向けられる人は居ないのではないでしょうか?
ご安心ください。顔馴染みがあり、対面で何でも話せる技工士さんとしか関わりがありません。
飛び込みや営業で来られる方などもいらっしゃいますが全員断らせていただいております。すみません…
もちろんスタッフ含め今後関わる方々は絶大な信頼をおける人のみで構成していきます。
最後に少しだけ普段の形成なども載せてみます。
もはやビジュアルで出てしまうので見せて恥ずかしい治療は出来ませんね。
しっかりと治療前後での仕上がりの具合なども一緒に確認していきます。
一度削った歯は戻って来ない。これを肝に銘じて毎日芸術品を創り出します。
代表 高安