JOURNAL
お口の健康から全身の健康へ
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
前回、新しい歯周病治療・メインテナンスのシステムであり、エアフローを使用して行う「GBT」についてご説明させていただきました。
今回はGBTと従来のメインテナンスとの違いについて詳しくご紹介いたします。
〜従来のメインテナンスとの違い〜
●低侵襲であること
GBTは細菌の膜をエアフローによって除去します。
痛みが少なく、スケーリングやルートプレーニングなどの歯石除去に不快感を覚えていた方にもおすすめです。
天然歯や被せ物、インプラントに傷をつけません。
●バイオフィルムに着目している
従来の虫歯予防、歯周病治療は歯石除去を優先して行っていましたが、GBTはバイオフィルムに着目しています。
バイオフィルムが虫歯や歯周病の原因になるからです。
近年、歯周病と循環器疾患や糖尿病は相互関係にあることが報告されています。
また、高齢者はバイオフィルムが原因で誤嚥性肺炎になるリスクが高まります。
●バイオフィルムとは
バイオフィルムとは粘性のある細菌膜で、その中に複数の細菌が共存して複合体を形成し、個体の表面に付着した状態のことをいいます。
身近なところでは、排水溝のヌメリや台所の三角コーナーのヌメヌメもバイオフィルムです。
これらは、すべて水中で細菌が増殖してバイオフィルムを形成し、強固に付着しているので水で流しただけでは取れません。
こうしたバイオフィルムは歯にも形成され、その中に虫歯や歯周病の原因菌が多数存在しています。
この汚れを取り除くためにも日頃から歯磨きをして、かかりつけ歯科医院でのプロフェッショナルケアを定期的に受けることが大切です!
バイオフィルム1mgの中には約2億個の細菌がいます。
それらの細菌が誤嚥により肺に入ると誤嚥性肺炎のリスクが高まったり、歯ぐきの血管を通じて体内の臓器に入ったりします。
そしてこれらの細菌は全身を蝕み、いろいろな病気を誘発します。
歯周病のある人は健康な口腔内と比べて心臓発作の発症率が2.8倍、脳卒中や脳梗塞は3.0倍、早産の危険率は7.5倍ともいわれています。
また、誤嚥性肺炎は、日本人の死亡率で上位を占めています。
嚥下機能の低下したご高齢の方の場合、睡眠中に発症することも多く、口腔内の細菌や逆流した胃液が誤って気管に入りやすくなり、誤嚥性肺炎を発症しやすくなります。
口腔内の細菌の数を減らすためには歯に付着した細菌を取り除く口腔ケアが重要とされています。
GBTは歯や歯ぐきにダメージを与えることなくバイオフィルムを除去できるので、お口のなかの健康はもちろん、全身の健康のためにも有効です。
口は身体が外の世界と接触する最初の入り口です。
健康なお口の中を保つことは全身の病気の予防にも繋がります。
THE DENTALでは、患者様が生涯、健康な口腔環境で過ごすためのサポートをさせていただきたいと考えております。
気になることがございましたら、些細なことでもお気軽にご相談ください。