2022.06.05 診療コラム

フロスの大切さ

こんにちは歯科衛生士の松本です。
皆さんは、毎日、歯をみがいていると思いますが、それでも、むし歯や歯周病の罹患率は、依然として高い状態が続いています。

それはなぜでしょう。写真は、模型を使って行った実験です。

歯ブラシだけで歯を磨いたあと、チェックしてみると…歯の外側はキレイに磨けていますが、歯と歯の間には歯垢(写真で赤くなっている部分)が残っているのがわかります。

このように、歯と歯の間には歯ブラシの毛先が届きにくく、残ってしまった歯垢がむし歯や歯周病の原因になるからです。そこでおすすめするのが「デンタルフロス」。
歯と歯の間の歯垢を取り除き、お口の中をキレイにするために、1日1回は使っていただきたいアイテムです。ここでは、デンタルフロスの効果や種類、正しい使い方について詳しくご説明します。「デンタルフロス」をおすすめする4つの理由デンタルフロスは、細い繊維(フィラメント)を束ねて糸状にしたもの。

歯と歯の間の狭い隙間に通して、歯ブラシでは落としきれない歯垢をかき出すことができます。歯ブラシに加えてデンタルフロスを使うメリットは、以下の4つです。
1. 歯と歯の間の歯垢除去効果がアップ!歯と歯の間はハブラシの毛先が届きにくいため歯垢が残りやすい場所です。しかし、ハブラシとデンタルフロスを併用することで、歯と歯の間の歯垢を落とす効果は大幅にアップします。ハブラシとデンタルフロスを併せて使うことで歯と歯の間の歯垢除去率が1.5倍にアップしたという報告※があります。
2. むし歯や歯周病の予防になる歯垢はむし歯や歯周病の原因になります。その歯垢をよりキレイに落とせるということは、むし歯や歯周病の予防につながります。毎日のフロッシングでむし歯や歯周病を予防しましょう。
3. 口臭の予防や改善につながる口臭も、食べかすや歯垢などの汚れが原因になります。口臭は自分では気付きにくいですが、もし使用したデンタルフロスのニオイを嗅いで「臭い」と感じたら、口臭がしているかもしれません。毎日のフロッシングで歯垢をしっかり取り除くことで、口臭を予防したり、改善したりできます。

4. むし歯や歯周病、詰めものなどの不具合を早期発見できるデンタルフロスを使っていて、「いつも同じ場所で引っかかる」「フロスがばらけてしまう」「フロスが切れてしまう」などが気になる時は、むし歯ができている、もしくは詰めものや、かぶせものに不具合がある可能性があります。また、デンタルフロスを使うと「歯茎から血が出る」場合は、歯周病の疑いがあります。いずれの場合も、まずは歯科医院で診てもらうようにしましょう。

デンタルフロスの種類は主に2つデンタルフロスには、大きく分けて「ホルダータイプ」と「ロールタイプ」の2種類があります。

1. 「ホルダータイプ」は初めの方におすすめ「ホルダータイプ」はホルダーにフロスが取り付けてあり、手間がかからずにすぐ使えるので、デンタルフロスを初めて使う方におすすめです。ホルダータイプには、前歯に使いやすい「F字型」と、挿入しにくい奥歯にも、前歯にも使いやすい「Y字型」があります。
2. 「ロールタイプ」は慣れてしまえば簡単で、経済的「ロールタイプ」は必要な長さのフロスを切り取り、指に巻きつけて使用します。初めは少し扱いにくいのですが、慣れてしまえば簡単で、しかも経済的です。ロールタイプには、ワックスタイプとノンワックスタイプがあります。ワックスタイプは、繊維がワックスでコーティングされているので、歯と歯の間に挿入しやすく、またフロスが切れたりバラバラになったりしにくいのが特徴です。初めての方や詰めものが多い方にはワックスタイプがおすすめです。一方、ノンワックスタイプは、繊維がワックスで固められていないタイプです。繊維が広がって歯の表面にフィットするので、汚れ落としの効果が高いのが特徴です。ただ、引っかかると切れたりばらけたりしやすいため、歯の側面までかぶさっている大きな詰めものなどがない方におすすめです。

Instagram

view more