2022.06.25 診療コラム

エナメラスト

みなさんこんにちは歯科衛生士の松本です。

エナメラストはご存知ですか??

エナメラストエナメラストはフッ化ナトリウム5%を含むフッ素バーニッシュです。
特殊なレジンキャリアーを使用し、フッ化物を歯面に停滞させ知覚過敏を抑制します。
幅広い使用症例に適応可能であり、塗布後の表面も滑らかに保つことができます。
ウルトラデント独自のウォルターベリーフレーバーは多くの世代に人気のフレーバーです。
塗布後3分放置 舐めたり触れることのないように注意フッ素バーニッシュ”エナメラスト”を塗布された患者様へ製品の塗布後は、歯に薄くフッ素のコーティングが残ります。
治療終了後には以下の点にご注意ください;
・塗布後、4~6時間は歯磨きや、フロスを使用することは避けてください。
・塗布後、4~6時間は熱いもの、硬いもの、粘性のあるもの(飲料含む)を摂取しないようにしてください。
・塗布後4~6時間はアルコールの摂取は控えてください。(アルコールを含む飲料や、マウスウォッシュ等)
・塗布後4日間は、局所フッ素治療(エナメラスト含む)を行わないでください。エナメラストは3~6か月に1度塗布をすることをおすすめしています。
定期的な歯科医院での検診を受け、歯のメンテナンスを行いましょう。
歯科医院名禁忌・禁止】1) 本品に含まれる成分に対して、発疹・皮膚炎等の過敏症のある 患者。
2) 潰瘍性歯肉炎やか口内炎がある患者。3) 再使用禁止(ユニドースタイプおよび付属品)適応症例

  • 露出した根面
  • スケーリング後 、SRP後に起こりうる知覚過敏
  • ホワイトニング前後
  • 矯正中
  • その他本剤のような低濃度のフッ化物イオンは、歯のエナメル質の構成成分であるハイドロキシアパタイトに作用してフルオロアパタイトを形成し、酸に対する溶解度を低下させることに加えて、歯の表面や結晶周囲に吸着して被覆し、酸が歯質を侵襲するのを防いだり(脱灰抑制)、脱灰で歯質から失われたカルシウムイオンやリン酸イオンの回復を促進するエビデンス紹介:幼児に対する5%NaF含有バーニッシュの安全性米国歯科学会、米国小児歯科学会、米国小児科会は、成長と共にう蝕リスクが高まるためバーニッシュの塗布を推奨しています(中程度リスクがある6歳未満児には半年ごと、高リスクの場合は3か月ごと)。ここでは小児科医学雑誌に報告された
    【幼児におけるバーニッシュ使用の安全性に関する文献】をご紹介します。
    研究概要12~15ヵ月の幼児6名に対するN含有バーニッシュ塗布前後の尿中のフッ化物濃度の変化を測定し、血漿中のフッ化物濃度を算出しています。
  • その結果、バーニッシュ塗布後に推定血漿中フッ化物濃度は上昇するものの、急速に排泄され、3~4時間以内でコントロールレベルに戻りました。さらに、バーニッシュにより摂取されたフッ化物濃度は、1日のフッ化物摂取安全域内に十分収まることが確認されました。上記の結果より、5%NF含有バーニッシュは安全にう蝕予防に活用できますが、消化管へのフッ化物取込みを少しでも減らすため、必要最小量のバーニッシュを塗布することが大切です。
    クリンプロM ホワイトバーニッシは、薄く塗布きるため、この点でも使い勝手が良い製品であるといえるでしょう。
    NaF含有バーニッシュ使用のポイント乳幼児にも安心して使用が可能体へのフッ素取込み量を減らすために薄く塗布すること文献紹介:フッ化物の齲蝕予防におけるもう一つの可能性象牙質わう蝕は、いまだ謎が多く様々な研究が行われています。
    象牙質はエナメル質とは異なり、有機質であるコラーゲンを約20%程度含んでいます。
    すわち象牙質う蝕の進行には「脱灰による無機質の溶解」と「有機質の損失」を伴います。また部位で異なる象牙質の「質」(歯冠部、歯頸部、根部)、加齢や糖化による象牙細管の変化なども象牙質う蝕を考える上で重要な因子です。Invitroでは、ミネラルを取り込み成長させるスキャフォールとてのコン割重要と考えらお細外が象牙質の機能と物性を回復するための鍵であることが報告されています
  • 現在、象牙質う蝕予防に対するスタンダードな見解はありませんが、前述の有機質(象牙質コラーゲン)の劣化とその予防に関連したフッ素の可能性についてご紹介します。象牙質コラーゲンを分解する酵素としてMMPs(マトリックスメタロプロテアーゼ:タンパク分解酵素)がよく知られていますが、MMPsに対するインヒビター(阻害因子)としてフッ素イオンが機能するという報告があります。M.T.Katoらによると、高濃度フッ化物がMMP-2、MMP-9を阻害(フッ素濃度5,000ppmで不可逆的、250-1,500ppmで可逆的に阻害)することが報告されています。本研究はinvitroにおける検証ではありますが、高濃度フッ素がMMPsの活性を阻害する可能性について報告された初めての論文です※1。臨床は実験環境と大きく異なるためMMPsを阻害することが象牙質う蝕の発生・進行を予防する確証はありません。ただ、米国歯科学会が根面う蝕に対して5,000ppmフッ素ゲルの使用を推奨し、5%フッ素バーニッシュの使用は咬合面、隣接面、舌側面、根面う蝕の全てに対する非修復処置で推奨されています。このことからも、今まで用いることができなかった22,600ppmのフッ素を徐放するバーニッシュを活用できることは、臨床家にとって非常に危険なに価値あることですし、また同時に、象牙質う蝕に対するバーニッシュ塗布による臨床結果が基礎研究を押し上げる可能性も秘めています。

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