2022.06.23 診療コラム

歯の神経はとても大切

こんにちは歯科衛生士の伊藤です。
歯の神経の役割をご存知ですか?

歯の神経には、さまざまな役割があり、決して「無くてよいもの」ではありません。
歯に栄養を与えて丈夫にする神経には、栄養を歯質に送る役割があります。
神経があるからこそ、毎日の咀嚼に耐えられる丈夫な歯が維持されます。
痛みで歯のトラブルを知らせるできれば感じたくないと考えてしまう「痛み」ですが、虫歯や歯周病をはじめとする口腔トラブルを知らせてくれるサインでもあります。
このサインにより、早い段階でトラブルに気づくことができるのです。

歯の内部の色を維持する。エナメル質は半透明であり、そこに健康な象牙質の色が透けることで、自然な白さが維持されています。そして象牙質の健康は、栄養を届けたり、不要な物質を取り除く神経の働きによって支えられています。
歯の神経を抜かないといけないのはどんな時?
歯の神経が細菌感染を起こしている(不可逆性歯髄炎)一般的には、神経を取り除き、洗浄・消毒・薬剤充填を行う根管治療が必要になります。

知覚過敏がひどく生活に支障が出ている歯ぎしりや食いしばり、歯磨きなどでエナメル質がすり減り、日常生活に支障をきたすほどの強い知覚過敏がある場合には、神経を除去する方法も検討する必要があります。薬剤などで一時的に症状を和らげる方法はありますが、根本的な解決にはなりません。

被せ物治療の際に痛みが出る可能性が高い場合被せ物を取り付ける前には、その支台歯を削る必要があります。その削除量が多い場合には、どうしても神経を取り除かなければならないケースが出てきます。無理に神経を残すと、被せ物を取り付けた後に激痛に襲われるという可能性があるためです。

神経のない歯は、栄養を届けられずにもろくなる、痛みなどの症状に気づきにくくなるなど、さまざまな要素が重なって、本来よりその寿命は約10年短くなり、また生存期間は平均5~30年になると言われています。
もちろん、歯の寿命は神経の有無だけで決まるものではありません。しかし、毎日のお手入れや定期的なクリーニングと同じように、神経を残せるかどうかは、歯の寿命に大きく関わっていると言えます。歯の神経を抜くと歯の寿命が短くなる理由痛みを感じないため、虫歯が大きくなるまで自覚症状がない痛みを感じとることができないため、気づかないうちに虫歯が重度にまで進行してしまうことがあります。歯の根が割れやすくなる栄養が行き届かず歯質がもろくなり、歯の根が割れやすくなります。特に被せ物の土台となるコアに金属を使用している場合、そのコアとの接触で割れることもあります。根の先で細菌感染を起こすことがある根管治療で取り残してしまった細菌、あるいは治療後に根管内に侵入した細菌によって歯の根で感染が起こる「根尖病変」をきたすことがあります。膿が出るなどして、激しい痛みを伴います。自分の歯と人工物の境目が不潔になりやすい削ったあとの天然歯(支台歯)には被せ物や詰め物などの人工物を取り付けることになります。接着するものですので、隙間・段差がまったくのゼロというわけにはいかず、汚れが溜まりやすくなり、虫歯のリスクが高まります。

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