2022.06.30 診療コラム

歯を健康に保ちましょう

こんにちは、歯科衛生士の伊藤です。
皆様、ご自身の歯が何本あるかご存知ですか?
8020運動をご存知でしょうか?
今日は8020運動についてお話しします!

8020運動とは

これは平成元年に厚生省と日本歯科医師会が提唱した、「80歳で20本以上、自分の歯を残し、なんでもよく噛める快適な状態に保とう」という運動です。
最低でも20本以上の機能する歯があれば、大抵の食べ物は噛みくだくことができ、食生活にほぼ満足することができると言われています。

8020の達成率

厚生労働省が行った平成28年歯科疾患実態調査によると80歳になっても自分の歯が20本以上残っている人(8020達成者)の割合は51.2%でした。前回調査の平成23年では40.2%でしたので、10%以上増え80歳の半数以上の方が8020を達成しています。

噛むことのメリット

胃腸の負担が小さくなる
→唾液の分泌が促進され、消化・吸収を助ける。

虫歯、歯周病の予防
→唾液が虫歯や歯周病菌を洗い流してくれる。

脳の活性化
→噛むことで脳に刺激が伝わり、脳の働きを活性化する。

ストレス解消、うつ予防
→噛むことでセロトニンの分泌が促され、自律神経のバランスが安定する。

免疫を高める
→唾液に含まれる消化酵素によって胃腸の負担を減らし、消化吸収を助けることにより免疫アップにつながる。

8020を達成するためには

定期検診に通う
→毎日しっかり歯磨きをしていてもご自身のチェックだけでは気づけない磨き残しや歯磨きのクセなどがでている可能性があります。
専門家である、歯科医師・歯科衛生士がアドバイスやチェックすることで虫歯・歯周病を早期に発見することができます。
歯科医院に定期的に通い、歯の状態をチェックしましょう。
8020を達成するためにかかりつけの歯科医院を持つことが重要です。
虫歯や歯周病は放置していてもよくなりません。
また、虫歯や歯周病を予防していくことも多くの歯を残していくうえでとても重要なことです。

日頃のケアを毎日続ける
→歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。
生活習慣病と言われるこの病気は、成人の80%以上がかかっています。
規則正しい食事や運動の習慣、十分な睡眠の他適切な口腔ケアをすることが重要です。

8020を達成している方は、これからもご自身の歯で、おいしく楽しく食事を楽しんでいただくためにできるだけ今の状態を維持できるように心がけていただきましょう。
また、残念ながら80歳になる前に残りの歯が20本未満になってしまった方も、これ以上歯を失うことがないように心がけていくことが大切です。
また、歯を失ったところには適切なかぶせものや義歯を入れることが必要です。
8020運動は生まれる前から始まっています。
楽しく充実した食生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。

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