2022.07.14 診療コラム

酸蝕症とは

こんにちは、歯科衛生士の伊藤です。
皆様、「酸蝕症」という言葉はご存じですか?
本日は、知らない間に歯が溶けてしまう「酸蝕症」についてお話します。

酸蝕症の原因

虫歯や歯周病に続く第3の疾患「酸蝕症」ですが、割合としては4人に1人程度と言われています。
酸蝕症は増加傾向にあり、原因としては欧米型の食生活に変化したことや健康志向により酸性度の高い飲料を好んでとられる方が増えていることが原因の1つです。
虫歯は歯の表面が限局的に溶けるのに対して、酸蝕症は歯の表面が全体が広範囲に溶けます。

内因性の原因
→胃逆流性食道炎、摂食障害(過食症・拒食嘔吐)、アルコール依存症が挙げられます。

外因性の原因
→酸性度の高い飲食物(PH5,5以下)を過剰に摂取することが原因とされています。
例えば、、
・みかん、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の果物
・果汁から作られたジュース類や梅干し
・スポーツドリンク、炭酸飲料、黒酢、栄養ドリンク、ワインが挙げられます。

職場、環境による原因
→硫酸、硝酸、塩酸などを取り扱うメッキ工場やバッテリー工場などで働いている方は発生した酸により酸蝕症になることがあります。
また、ワインを頻繁に試飲するワインテスターも酸蝕症になることがあります。

酸蝕症の症状

冷たいものや熱いもので歯がしみるようになった。
詰め物に大きな段差や隙間がでてきた。
歯の表面にクレーター状の凹みが目立ってきた。
前歯の先端が透けて見えるようになった。

このような症状がある方は酸蝕症の可能性があります。

酸蝕症の予防

人間のお口の中は通常、中性のPH7前後に保たれています。
ですが飲食物や胃酸の影響でPH5,5以下の歯が溶けやすい状態になってしまいます。
酸性の飲食物には健康に良いとされている物もありますので完全にとらないようにするのも難しいところだと思います。。
そこで、酸蝕症を予防するポイントとして次のような対策をしましょう。

酸性の飲食物を口にした時はお水でゆすぐ。
寝る前には酸蝕性の飲食物を控える。
酸性飲食物をダラダラ食べないようにする

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