2024.04.16 診療コラム

PEEK冠とは?

PEEK冠とは

PEEK冠とは昨年から保険適応になった材料で、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分としています。
曲げ弾性率が低く、力が加わった際にたわみやすく割れにくいのが特徴です。
既存の保険の白い詰め物のCAD/CAMでは、割れやすいため使用できない部位がありますが、PEEK冠は大きな咬合力が加わる部位でも使用することが可能となります。

PEEK冠のメリットについて

PEEK冠の最大のメリットは何かと問われれば、ズバリ素材の柔らかさと耐久性を挙げます。 そして、金属アレルギーの心配がないという点も、見逃すわけにはいきません。

PEEK冠のデメリットについて

PEEK冠のデメリット、それは主にプラスチック特有の物性に起因します。PEEK冠は他の金属やセラミック冠に比べて、かなり磨り減りやすい欠点があります。
次にセラミック冠との比較話に移りましょう。セラミック冠は、まるで自分の歯のような質感を持ち、高い審美性を持ちます。
対するPEEK冠は…審美性にはちょっと欠けるかもしれません。色調は白と言ってもアイボリー色となり、セラミックはもちろん既存のCAD/CAM冠とも見た目がかなり異なります。

保険適応についての最新情報

PEEK冠によって白い歯の対象範囲が広がりました。
今まで保険適応外だった第二大臼歯や第三大臼歯(親知らず)までが保険適応となりました。
つまり全ての奥歯で白い歯が保険に適応されたことは、虫歯に心を痛める方々にとっては嬉しいニュースですね。

歯科医師がおすすめする被せ物は?

実は、既存の保険適応のCAD/CAM冠、そしてPEEK冠ともに歯科医師が推奨するものではありません。
なぜならプラスチック特有の脆さにより、噛む面がすり減ったり、歯磨きにより表面が傷つきプラークが付きやすくなったりすることから、おおよそ2年の耐久性と言われています。
セラミックの場合は、強度が高く、表面がツルツルでプラークが付きにくいため虫歯になりにくいのが特徴です。
くり返す虫歯でお悩みの方、色を気にされる方、噛み合わせを大切にしたい方はセラミックを選ばれるのがおすすめです。

まとめ

皆様、保険適応の白い被せ物、PEEK冠について理解していただけたでしょうか?
歯科で使用する材料は沢山種類があり、何を選んだらいいのかお困りの方も多いのではないでしょうか。
今回お伝えした内容をもとに、それぞれ材料のメリットやデメリット、ご自身のお口や体の健康のことを考えて選択していただければ幸いです。
わかりにくいことがありましたら、いつでもご相談ください。

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