2025.04.28 診療コラム

旅と甘いものと、歯の話。

非日常のなかで、歯にできるやさしいこと。
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
暖かい日差しに誘われて、街も人も、少しだけ遠くへ足を伸ばしたくなる季節。
旅に出るというだけで、心の温度が上がるのはどうしてでしょう。

ご当地スイーツ、温泉街のソフトクリーム、空港のラウンジでふと手に取る甘いお菓子。
旅には、日常では味わえない“ちょっとしたご褒美”が散りばめられています。

でも、ちょっとだけ思い出してみてください。
非日常の中で、つい油断してしまう“いつものケア”、ありませんか?

歯ブラシ、持ってきたっけ?

「まあ、1日くらい磨かなくても平気かな」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?

実際、多くの方が旅行中に歯ブラシを忘れたり、ホテルのアメニティで済ませてしまったりします。
ですが、私たちの歯はいつも通りの食事でも、しっかりとプラーク(歯垢)がたまっていきます。
特に、甘いものや炭水化物の摂取が増える旅先では、虫歯のリスクがぐっと高まるんです。

もしできれば、普段使っている歯ブラシと歯磨き粉を、小さなポーチに入れて持っていってください。
そして1日1回だけでもいいので、落ち着いた夜の時間に、丁寧な歯磨きを。
旅の記憶とともに、口の中もクリアにリセットされるはずです。

スイーツと歯の“タイミング”

観光地のスイーツは、なんだか特別な味がしますよね。
ですが、ダラダラと長時間、ちょこちょこと甘いものを食べるスタイルは、虫歯菌にとって最高の環境。
歯は“食べた瞬間”より、“食べ続ける時間”にダメージを受けています。

おすすめは、甘いものをまとめて楽しむこと。
間食の回数を絞るだけで、歯にとっての負担はぐっと減ります。

そして、食べたあとは、すぐにうがいを。
お水で口をゆすぐだけでも、糖分や酸をやわらげる効果があります。

油断しがちな“旅先あるある”

● 水分補給は甘いドリンクだけ
 飲み物も“砂糖を含む液体”として、虫歯リスクになります。お水やお茶もこまめにどうぞ。

● 食後すぐに寝てしまう
 移動や観光で疲れる旅。だからこそ、夜の歯磨きは“最後のひと仕事”としてルーティンに。

● 気圧や気温の変化で歯がうずく
 虫歯や詰め物の隙間が原因になることも。出発前に気になる部分がある方は、ぜひ事前チェックを。

それでも、完璧じゃなくていい

旅行は、心を解放するもの。
「歯のことばかり気にしていたら、楽しめない」そう思う方もいるかもしれません。

でも私たちは、「完璧なケア」を求めてほしいわけではありません。
ほんの少し、思い出してもらえたらいいなと思っています。

例えば、
旅のポーチに小さなフロスをひとつ忍ばせる。
寝る前に口の中の状態を、少しだけ気にしてみる。

そんな小さな習慣が、未来のあなたの歯を守ってくれるかもしれません。

最後に

旅先の“思い出”に、歯の違和感が残らないように。
THE DENTALでは、旅の前後のチェックも大切にしています。
久しぶりの旅行の前に、口の中を整えておく。
旅の疲れが出たころに、プロの手でリセットする。

それだけで、歯のトラブルに左右されない、“自由な時間”を手に入れることができます。

今この瞬間を楽しむために。
そして、10年後の自分が「ケアしていてよかった」と思えるように。

旅と甘いものと、ちょっとだけの気づかい。
そのどれもが、あなたらしい選択です。

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