2025.05.09 診療コラム

ドライマウスが引き起こす口臭と対策

こんにちは。歯科衛生士の本間です。
気温が上がり、マスクを外す時間も増えてきたこの季節。人と近くで会話する機会が多くなると「もしかして私、口臭が?」とふと気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実はその“におい”の背後に、「唾液の減少」=ドライマウスが関係していることをご存じですか?
本日は口臭と唾液の深い関係、そしてドライマウスの対策法についてわかりやすくお話していきます。

そもそも「ドライマウス」とは?

ドライマウスとは唾液の分泌が減ることで、口の中が乾燥する状態のことです。医学的には「口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)」と呼ばれます。

乾燥の程度や原因はさまざまで、

  • 長時間の会話や緊張による一時的なもの
  • 加齢や薬の副作用、疾患(例:シェーグレン症候群)
  • ストレスや自律神経の乱れ
  • 慢性的な口呼吸

など、私たちの生活習慣や体調に深く結びついています。

なぜ唾液が減ると口臭が強くなるの?

唾液には、口臭を抑える天然の防臭機能があります。

具体的には…

  1. 洗い流す力(自浄作用)
    食べかすや細菌、老廃物を洗い流してくれる
  2. 抗菌作用
    唾液中に含まれる酵素が、口内細菌の増殖を抑える
  3. 中和作用
    酸性に傾いた口内環境を整え、虫歯や歯周病の進行を防ぐ

唾液がしっかり分泌されていると、これらの作用によりニオイの原因物質が自然に分解・除去されていくのです。

逆に言えば、唾液が減ると…

  • 細菌が増殖
  • 食べかすやタンパク質が分解されて硫化水素などの悪臭成分が発生
  • 舌や粘膜に白い“舌苔(ぜったい)”がたまりやすくなる

など口臭を悪化させる悪循環に陥ってしまいます。

あなたは大丈夫? ドライマウスのチェックリスト

以下の項目に、いくつ当てはまりますか?

  • 朝起きたとき、口の中がカラカラ
  • よく水を飲まないと話しにくい
  • パサついた食べ物が食べづらい
  • 舌がヒリヒリしたり、粘つきを感じる
  • マスクの中で自分の口臭が気になる
  • 薬(降圧剤・抗アレルギー薬など)を常用している
  • 夜中に何度も水を飲む

3つ以上当てはまった方はドライマウスの傾向があるかもしれません。
気になる方は歯科での相談をおすすめします。

歯科からの対策アドバイス

ドライマウスによる口臭は、“放っておけば治る”ものではありません。
日常生活の中でできるケアを取り入れて少しずつ改善していきましょう。

1. 舌みがきを習慣に

口臭の大きな原因となる舌苔(ぜったい)は、やさしく舌をみがくことで除去できます。
専用の舌ブラシややわらかめの歯ブラシで、奥から手前に1〜2回なでる程度で十分です。

※やりすぎは逆効果になるので要注意!

2. 唾液腺マッサージ

耳の下やあごの下にある唾液腺を指で軽く押すマッサージで、唾液分泌を促進できます。
リラックス効果もあるので、毎日のルーティンに。

3. ガム・飴を活用(キシリトール入りがおすすめ)

噛む・舐めるといった刺激で唾液が出やすくなります。
キシリトール配合の無糖ガムや飴なら、虫歯の心配も少なくおすすめです。

4. 水分補給と口呼吸の見直し

意外と多いのが口呼吸による乾燥。
口ではなく、鼻で呼吸することを意識し、水分もこまめにとるよう心がけましょう。

THE DENTALでは、口臭ケアやドライマウスに悩む方のご相談も行っています。
ご自身だけでは判断が難しいケースも多いため、「ちょっと気になるな…」という段階でご相談いただくのがおすすめです。

まとめ:唾液のチカラを味方に

それは単なる“におい”の問題にとどまらず、歯や全身の健康にも深く関わっているものです。

毎日の暮らしのなかで、「唾液を育てる」ことを意識してみてください。
そして、困ったときには、私たちTHE DENTALがいつでもそばにいます。

あなたの口元が、もっと軽やかに、心地よくなるように。
そのお手伝いを、心をこめてさせていただきます。

お気軽のご相談ください。お待ちしております。

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