JOURNAL
ビタミンだけじゃ防げない?

─「口内炎」と“がんばりすぎ”の関係
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
「ビタミンは飲んでるんです。でも、毎月口内炎ができちゃって…」
ある日、そんなふうに少しお疲れの表情で来院された患者さまがいらっしゃいました。聞けば、小さなお子さんの夜泣きで眠れない日が続いているとのこと。それでも日中はお仕事をこなし、家事や育児に追われる日々。「食事も気をつけてるし、サプリも飲んでるのに…」という言葉に、私たちも思わず心がギュッとなりました。
今回は、そんな「がんばりすぎ」ている方にこそ読んでほしい、口内炎の“ほんとうの理由”についてお話しします。
口内炎は、体からの「小さなSOS」
口内炎は、口の中にできる浅い潰瘍や炎症で、よく見られるのは頬の内側や舌、唇の裏など。触れると痛みがあり、食事がしづらくなったり、話すのも億劫になったりしますよね。
一般的な原因としては、以下のようなものが挙げられます:
- ビタミンB群や鉄分の不足
- 睡眠不足
- 免疫力の低下
- 強いストレス
- 誤って口の中を噛んでしまったときの刺激
つまり、口内炎は単に栄養の問題だけでなく、「身体全体の調子のゆらぎ」を映し出すサインでもあるのです。
サプリを飲んでいるのに治らない…?
実は、そんなケースは少なくありません。
「ビタミンを摂っていれば口内炎はできない」というイメージがありますが、実際にはそれだけでは十分ではないことも。睡眠が足りていなかったり、ストレスが溜まっていたりすると、体がうまくビタミンを活用できず、免疫力も低下してしまいます。
特に、お子さんが生まれたばかりのママやパパは、自分の体のメンテナンスが後回しになりがち。知らず知らずのうちに「がんばりすぎ」の状態が続いてしまうのです。
「がんばっている人ほど、気づきにくい」
今回の患者さまも、お話を伺っているうちに「そういえば、この間も寝不足で風邪を引きかけていたかも…」と気づかれました。
一日を乗り切ることに精一杯なとき、自分の“不調”にはなかなか目が向きません。けれど、お口の中はとても正直で、体の変化にいち早く反応します。
そんなときにできる口内炎は、いわば「無理しすぎていませんか?」という、体からのメッセージなのかもしれません。
歯科医院からできるサポート
「口内炎で歯医者?」と驚かれる方もいるかもしれません。でも、実は口内炎は、歯科医院での診察やケアによって早期に対処できることもあるのです。
たとえば、以下のようなアプローチがあります:
- お口の中の衛生状態のチェックとクリーニング
- 粘膜や舌、歯ぐきの状態の観察
- 痛みを軽減するお薬の処方
- 必要に応じた内科・皮膚科などとの連携
THE DENTALでは、症状にあわせてきめ細やかなケアをご提案しています。とくに毎月のように繰り返す場合は、体のバランスを見直すチャンスです。少し立ち止まって、自分の「体調のくせ」に気づくことが、根本的な改善につながることもあります。
お口は、あなた自身を映す鏡
鏡の前に立ったとき、肌の調子や目の輝きで「今日はちょっと疲れてるな」と感じるように、実はお口の中も“あなた自身”を映し出しています。
育児や仕事に一生懸命な日々は、本当に尊いもの。でも、がんばりすぎてしまうときには、小さなサインを見逃さないでください。
「口内炎が毎月できる」。
その一言の奥にあるのは、ただの栄養不足ではなく、「少し休んで」という体からの声かもしれません。
最後に…
もし今、口内炎に悩まされている方がいたら、どうかご自身を責めないでください。あなたが今まで重ねてきたがんばりが、きっと少しずつ表に出てきているだけ。
私たちは、お口のことだけでなく、あなたの「日常」もやさしく見守る存在でありたいと思っています。どんな些細なことでも、どうぞお気軽にご相談くださいね。