JOURNAL
夏に増える子どもの“歯の外傷”に備えるには?

折れた、抜けた、その瞬間にできること
こんにちは、歯科衛生士 本間です。
汗ばむ陽気に誘われて外遊びやプール、お祭りなどアクティブなシーンが増えるこの季節になってきましたね。
お子さまの笑顔がいっそうまぶしく感じられる反面、増えてくるのが「歯の外傷」です。
「転んで前歯が欠けた」
「顔をぶつけて歯がグラグラしている」
「乳歯が抜け落ちたけど、大丈夫…?」
その瞬間、親御さんの頭をよぎるのはきっと「どうしよう!?」という不安。
でも大丈夫です!正しい知識と冷静な対応が未来の歯を守ることができます。
子どもの歯の外傷が多い“夏”
外傷とは、転倒やぶつかった衝撃によって歯や歯ぐきにダメージを受けることです。
実は、1年の中で最も「歯のケガ」が多いのが夏休み前後だと言われています。
特に多いシーンは…
- 公園やアスレチックでの転倒
- プールでの滑りや衝突
- 自転車やキックボードの事故
- 室内での兄弟げんかやじゃれあい
など、ほんの数秒の油断が歯の一生に関わることもあるのです。
こんなとき、どうする? すぐに役立つ初期対応
外傷を受けた直後は、見た目以上に内部が損傷している可能性もあります。
以下は、すぐに役立つ初期対応のポイントです。
▶ 歯が「欠けた」「折れた」場合
- 欠けた歯のかけらが見つかれば、乾燥させないようにして持参してください。
- 牛乳や生理食塩水、なければラップに包んで歯科医院へ。
- 冷やしておくと痛みや腫れの軽減に。濡らしたタオルがおすすめです!
→ 欠け方によっては、元の歯片を使って接着できる場合もあります。
▶ 歯が「グラグラしている」「動いている」場合
- 無理に触らず、そのままに。
- 歯を固定することで保存できる可能性があるため、早めの受診が大切です。
→ 応急処置として、歯科医院で固定装置を装着し経過を観察します。
▶ 歯が「抜けた」場合
- 抜けた歯は、根っこを触らないように。
- 洗わずに、牛乳や歯の保存液に入れて保存。
- 可能であれば、30分以内に歯科医院へ!
→ 条件が揃えば、「再植(元に戻す)」という処置ができる可能性があります。
乳歯でも油断しないで!
「どうせ抜ける歯だから…」と乳歯のケガを軽く考えてしまいがちですが、乳歯の外傷は永久歯にまで影響を与えることがあります。
乳歯の根のすぐ下には、これから生える永久歯の芽(歯胚)が控えており、
強い衝撃を受けるとその発育や位置に影響が出ることも。
違和感がなくても必ず歯科医院でチェックを受けましょう。
応急対応だけじゃない。「予防」もできる?
外傷は予測不能なもの…とはいえ、実はある程度の“予防”も可能です。
▶ 外遊びやスポーツ時の注意点
- 自転車やキックボードには、ヘルメット&口元のガードを。
- 人と接触しやすいスポーツでは、マウスガードの装着も有効です。
- 滑りやすいプールサイド、浴室でのはしゃぎすぎにも要注意。
▶ 家庭内の“危険ポイント”をチェック
- フローリングの滑りやすさ
- テーブルや角の多い家具
- 段差のある場所や階段
ちょっとした工夫で、「ケガをしにくい家」に近づけることができます。
その後のケアも、大切です
歯の外傷は、見た目や痛みが落ち着いたからといって安心はできません。
- 数週間〜数ヶ月後に、神経が死んでしまうこともある
- 歯の色が徐々に変わる、歯ぐきが腫れるなどの遅発的な症状が出ることも
THE DENTALでは、外傷後の経過観察を丁寧に行い、
将来的なトラブルを未然に防ぐサポートを大切にしています。
最後に:備えあれば、安心です
“歯のケガ”は、いつ起こるかわからないからこそ、知っておくだけで「いざという時」に冷静な判断と行動ができます。
そして、何よりも大切なのはケガを未然に防ぐ意識です。
安全な遊びの環境、しっかりした準備そして日頃からの歯のチェック。
この夏お子さまが元気に遊び、思いきり笑えるように。
私たちもそのサポートができればと思っています。
何か気になることがありましたら、いつでもご相談ください。
THE DENTALは、治療だけでなく「守る」歯科として、皆さまの暮らしに寄り添ってまいります。