JOURNAL
「治療したのに、まだしみる?」

—虫歯治療後に冷たいものがしみる理由と、その“回復のしくみ”
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
「虫歯を治したばかりなのに、冷たい水がしみるんです…」
治療後にそんな不安を感じて、そっとご連絡をくださる患者さんは少なくありません。私たちも、そうしたお声に出会うたび、「ご安心くださいね」とやさしくお伝えしています。
虫歯治療は、“痛み”や“しみる感覚”から解放されるためのもの。でも、そのプロセスの中で一時的にしみやすくなることがあるのも、また自然な体の反応なのです。
どうしてしみるの?
虫歯治療のあと、冷たいものがしみる理由のひとつは、「神経が治療によって一時的に敏感になっていること」にあります。
歯の内部には「歯髄(しずい)」という神経や血管が集まる繊細な組織があります。虫歯の部分を取り除いたり、詰め物や被せ物をしたりすると、その刺激が歯髄に伝わり、少しピリッと反応してしまうことがあるのです。
とくに深い虫歯の治療や、神経の近くまで達するようなケースでは、神経が「えっ、なにか来た!」と一時的に過敏になることがあります。
治療は成功。でも、体には“回復のリズム”がある
ここで大切なのは、「しみている=治療が失敗した」というわけではないということ。
実際には、虫歯を適切に取り除き、必要な処置を行った上で、「それでも一時的にしみることがある」というのは、歯科の現場ではよくあることなのです。
体が傷を癒すように、歯もまた、治療による刺激から少しずつ回復していきます。早ければ数週間、長い方で半年ほどかけて、しみる感覚は徐々に落ち着いていきます。
こんなときは、もう一度ご相談を
もちろん、経過観察でよくなる場合がほとんどですが、中には「別の原因」が潜んでいることもあります。以下のような場合は、無理せずご相談ください。
- しみる症状がどんどん強くなる
- 熱いものでもしみる
- 噛んだときにズキッとした痛みがある
- 夜間に痛くて目が覚める
こうした症状は、神経の炎症や、詰め物・被せ物のフィット不良など、別のトラブルのサインかもしれません。気になることがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。
THE DENTALの治療後フォロー
当院では、虫歯治療後も患者さんの不安をしっかりサポートできるよう、以下のような体制を整えています。
- 治療後の経過説明をていねいに
- 症状が続く場合のチェック・再診のご案内
- 必要があれば神経のテストやレントゲンを追加で実施
「これくらいの痛みで連絡していいのかな…」と思う方もいらっしゃいますが、どうか遠慮なさらず、気軽に聞いてくださいね。あなたのお口としっかり向き合うことが、私たちにとっては何より大切なことです。
最後に
治療を終えたあとのしみる感覚。それは、“歯が回復に向かってがんばっているサイン”でもあります。
私たちは、治療という「点」ではなく、そのあとの「線」を大切にしています。
歯科治療があなたにとって不安のない時間になるよう、そして、治った先の暮らしがもっと快適になるよう、THE DENTALは寄り添い続けます。