2025.06.08 診療コラム

ジルコニア、入れたのにまだ違和感?

― 繊細なかみ合わせの話

こんにちは。歯科衛生士の八田です。

「新しく入れた歯、なんとなくまだ慣れなくて…」
「もう何度も咬み合わせの調整してる気がします」
そんなふうに、少し心配そうにお話しされる方がいらっしゃいます。

THE DENTALでも、ジルコニアを入れたあと、咬み合わせの調整を何度か重ねることがあります。
でも、それは決して「うまくいっていない」わけではありません。
むしろそれは、あなたの“かむ動き”にきちんと合わせていくための、大切なプロセスなんです。

見た目だけじゃない。

ジルコニアには“かみ合わせ”への繊細な配慮が必要です。

ジルコニアは、とても硬くて強く、色も自然。
金属を使っていないので、アレルギーの心配も少ない優秀な素材です。

その一方で、“硬さ”があるからこそ、咬み合わせのわずかなズレが気になりやすいという一面もあります。
天然の歯よりも硬いため、ほんの少しの高さや角度の差が、「なんとなく噛みにくい」「あたる感じがする」と感じられることも。

だからこそ、THE DENTALでは、ジルコニアのような素材ほど、細やかな経過観察と再調整を大切にしています。

「調整が何度も必要なんて…大丈夫?」と感じた方へ

お気持ち、よくわかります。
でも、実はそれ、“よくあること”です。

ジルコニアを入れた直後は、まだ口の中に新しいパーツが加わったばかりの状態。
とくに、今まで使っていなかった側で噛めるようになると、かみ合わせのバランスが変化していきます。

一度の調整で完璧に仕上がることもありますが、多くの場合は、何度かの微調整を重ねて、ようやくその人らしいフィット感に育っていくもの。

それは決して「治療が失敗した」ということではなく、
「あなたの感覚と、私たちの技術がじっくり向き合っている証」です。

咬み合わせの世界は、0.1mmが大きな差になる

咬み合わせは、とても繊細。
たった0.1mmの段差でも、舌の感覚や噛む力に影響を与えることがあります。

ちょっとした高さや位置を整えるだけで、「急に噛みやすくなった!」「違和感がなくなった」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

これは、感覚的なものだからこそ、回数をかけて“体に馴染ませていく”ことが必要なんです。

たとえば、新しい靴を履いたときのように。
最初はフィットしていると思っても、数日たつと「あれ、ここが少し当たるかも」と感じることがありますよね。

ジルコニアも同じように、「最初のぴったり」から、「ずっと心地いい」へと育てていく歯なのです。

THE DENTALが大切にしているのは、
“入れてから”の安心です。

ジルコニアを入れたあと、「まだ気になることがある…」そんなときは、どうぞ遠慮なくお知らせください。

THE DENTALでは、「その後の調整」も治療の一部と考えています。
だから、何度でも、お口の感覚に合わせて少しずつ整えていくことを惜しみません。

私たちが目指しているのは、見た目だけでなく、
“まるで自分の歯のように自然に噛めること”。

患者さまの「まだ少し気になるんです」を聞けることこそ、
よりよいケアにつながる第一歩だと思っています。

そして、咬み合わせは「ずっと変化していくもの」

咬み合わせは、生活の中で少しずつ変化していきます。
たとえば、頬杖のクセ、片方ばかりで噛む習慣、夜間の歯ぎしり…
そんな日常の動きが、少しずつ歯や顎に影響を与えていくんです。

だからこそ、THE DENTALでは、治療が終わってからも定期的なチェックをおすすめしています。
今の咬み合わせが、これから先もあなたにとって心地よくあるように。

最後に

「何度も調整してもらって申し訳ない」
そうおっしゃる方が時々いらっしゃいますが、そんなふうに思わなくて大丈夫です。

私たちは、“あなたが心地よく使える歯”を一緒に作っている真っ最中。
だから、どんな小さな違和感でも、お気軽にご相談ください。

あなたの毎日に、しっかり馴染んで、
気づけば「この歯、すごく快適」と思える日が、きっと来ます。

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