JOURNAL
歯ぎしり、気づいていますか?

― 歯科衛生士の私とナイトガードと、そしてもうひとつの選択肢
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
朝、なんとなく顎が重い。
何もしていないのに、詰め物が取れた。
そんな“なんとなく”の違和感の奥に、歯ぎしりや食いしばりが潜んでいることがあります。
実は私も、夜はナイトガードを使っています。
診療中、自分でも気づかぬうちに奥歯にグッと力が入っていることがあって…。
歯科衛生士として患者さんに「気をつけてくださいね」とお伝えするうちに、自分の食いしばりにも気づいたのです。
歯ぎしりは、あなたの無意識の“クセ”
歯ぎしり(ブラキシズム)にはいくつかのタイプがあります:
- グラインディング(ギリギリと横に擦る動き)
- クレンチング(強く食いしばる/音がしないので気づきにくい)
- タッピング(カチカチと小さく噛み合わせる動き)
原因はストレスや噛み合わせ、日中の緊張、睡眠の質の低下などさまざまですが、いずれも共通するのは「無意識に起きている」ということ。
眠っている間だけでなく、スマホを見ている時や仕事に集中している時に無意識に力が入っていることもあります。
歯ぎしりのサイン、見逃していませんか?
私たち歯科衛生士は、お口の中の“微細な変化”に気づくプロフェッショナルです。
歯ぎしりの痕跡は、次のようなサインとして現れます:
- 歯のすり減りやひび割れ
- 詰め物・被せ物が取れやすい
- 歯ぐき近くのくびれ(くさび状欠損)
- 頬の内側や舌に噛み痕がある
- 顎の疲労感やだるさ
こうした変化を見つけたとき、「あっ、もしかして…」と私たちはそっと気づきます。
患者さんにはそれをやさしく伝えて、一緒に対策を考えていくのがTHE DENTALのスタイルです。
対策①:ナイトガードで歯を守る
夜間の食いしばり・歯ぎしり対策としてもっとも一般的なのがナイトガード(マウスピース)です。
歯科医院で型取りをして作るオーダーメイドのナイトガードは、お口にぴったりフィット。
歯と歯の間のクッションになって、直接的なダメージをやわらげてくれます。
私自身も最初は「少し違和感があるかも」と思っていましたが、今ではナイトガードなしでは不安なくらい。
朝起きたときの“あのアゴの軽さ”を、一度感じたら手放せなくなります。
対策②:日中のクセにも気づくこと
「え?夜だけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、日中の無意識の食いしばりも、歯や顎に負担をかけます。
- お仕事中、ふと気づくとグッと噛んでいる
- 運転中やスマホ操作中に奥歯に力が入っている
- 緊張しているときに、肩や首が凝っている
こんなときは、「今、噛みしめてないかな?」と、1日の中で少し意識する時間を持つだけで変わってきます。
対策③:ボツリヌス治療という選択肢も
THE DENTALでは、ボツリヌス治療(ボトックス)もご提供しています。
ボツリヌスとは、噛む力をコントロールするために咬筋という筋肉に注射を行い、過度な食いしばりをやわらげる治療。
実際、強い食いしばりに悩んでいた患者さんが「朝起きたときのアゴの疲れが軽くなった」とおっしゃるケースもあります。
効果は数ヶ月持続し、徐々に噛みしめるクセが改善される方も。
ナイトガードと併用することで、より安定した効果が期待できます。
※治療は自費診療となります。詳細はお気軽にスタッフまでご相談ください。
まずは“気づくこと”から始めましょう
歯ぎしりは、自分ではなかなか気づけないもの。
でも、「最近アゴが重い気がする」「歯が欠けやすい」といったちょっとしたサインに耳を傾けることが、お口の未来を守る第一歩です。
私たち歯科衛生士は、日々の診療のなかで患者さんのそんな“変化のサイン”を見つけ、お伝えし、そして一緒にケアしていく存在です。
最後に
歯ぎしりや食いしばりでお悩みの方、もしくは「気になるけれど何をすればいいのかわからない」という方。
ナイトガード、生活習慣の見直し、そしてボツリヌス治療など、あなたに合った方法がきっと見つかります。
まずは気軽にご相談ください。
お口の健康は、毎日の暮らしの中からつくられていくものだから。
THE DENTALが、あなたの一歩をそっと後押しします。