2025.06.16 診療コラム

「フッ素って本当に安全?」

— 歯科で行う予防ケアの真実

こんにちは。歯科衛生士の八田です。

歯科医院での定期ケアの一つとして、よく登場するのが「フッ素塗布」。
小さなお子さまを連れて来院された保護者の方から、こんなご質問をいただくことがあります。

「フッ素って身体に悪くないんですか?」
「ネットで“フッ素が危険”って見たので、ちょっと不安で…」

私たちは、その気持ち、とてもよくわかります。
大切なご家族のお口に入るものだからこそ、慎重になりたいのは当然のこと。

今回は、そんな「フッ素」にまつわる疑問に、やさしく、正直にお答えします。

そもそも、フッ素って何?

フッ素(fluoride)は、もともと自然界に存在する元素の一つ。
土や水、そして私たちが普段食べている野菜や果物、海産物にも微量に含まれています。

歯に対しては、とても頼もしい働きを持っています。

  • 歯の表面のエナメル質を強くする
  • 酸による歯の“溶け出し”を防ぐ
  • 虫歯菌の活動を抑える

つまり、「虫歯になりにくい歯をつくるための、ナチュラルなサポーター」なんです。

歯科医院のフッ素は、どう違うの?

ドラッグストアでもフッ素入りの歯みがき粉をよく見かけますが、歯科医院で使うフッ素は“高濃度”で、さらに“専門的な方法”で塗布します。

この濃度のフッ素は、市販品では取り扱いが難しい分、使用量や使用方法をしっかりコントロールできる歯科医療機関だからこそ使えるものです。

THE DENTALでも、年齢やお口の状態に応じて、適切な量・塗り方を選んでいます。

フッ素は危険?その“情報の背景”とは

インターネット上には、「フッ素は毒だ」「体に害がある」という情報も存在します。
しかし、それらの多くは、極端に高濃度のフッ素を“長期間かつ大量に”摂取した場合の話。

たとえば工業用や特殊環境での話と、歯科医療における“適切な使用”はまったく別物です。

日本では、歯科用のフッ素製剤はすべて厚生労働省の承認を受けており、安全性が確認されたうえで使用されています。

子どもにフッ素は使っても大丈夫?

むしろ、子どもの時期こそフッ素の効果がより高く発揮されるタイミングです。

乳歯や生えたての永久歯は、エナメル質がまだやわらかく、虫歯になりやすい時期。
そこに定期的にフッ素を塗布することで、歯の表面を強化し、虫歯から守るバリアをつくることができます。

それでも不安…という方へ

無理にフッ素をおすすめすることはありません。
私たちが大切にしているのは、「その方が納得して予防に取り組めること」。

もし不安な点がある場合は、どんな些細なことでも遠慮なくお話しください。

「じゃあ今回は塗らずに、歯みがきのアドバイスだけにしましょうか」
そんな選択肢も、私たちにはあります。

大事なのは、一緒にお口の健康を守っていくこと。
その歩み方は、一人ひとり違っていいのです。

THE DENTALが目指すのは、「押しつけない予防」

私たちは、患者さまに安心して通っていただけるよう、対話を大切にしながら、最善の予防ケアをご提案しています。

「これはやった方がいいです」ではなく、
「今のあなたにとって、こういう選択肢がありますよ」というご提案を。

そして、「やってみたい」「やってよかった」と思えるような、心地よいケアの時間を。

まとめ:フッ素は“正しく使えば”頼もしい味方

  • フッ素は自然由来の成分で、虫歯予防に高い効果を持ちます
  • 歯科医院では、安全性の高い製剤を、専門的にコントロールして使用します
  • お子さまにも安心して使用でき、特に虫歯のリスクが高い時期におすすめです
  • 不安があれば、無理にすすめることなく、一緒にケア方法を考えます

「フッ素ってよく聞くけど、ちょっと心配だった」
そんな方にこそ、安心してもらえるケアを。

THE DENTALでは、ひとりひとりの価値観に寄り添いながら、“選べる予防”を大切にしています。
ぜひ一度、お話を聞かせてくださいね。

 

 

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