JOURNAL
歯ぐきが下がってきた…これって老化?

こんにちは。歯科衛生士の本間です。
気温も日差しも少しずつ夏の気配を帯びてきましたね。暑さに負けない体づくりとともに、「お口の健康管理」も、今こそ見直してみませんか?
今回のテーマは、患者さまからよくいただくこんな声です。
「最近、歯が長く見える気がするんですけど…これって、歳のせい?」
鏡の前でふと気づく、歯ぐきの“下がり”。それは加齢だけではないかもしれません。
そもそも、歯ぐきが下がるとは?
歯ぐき(歯肉)が本来の位置よりも下がって、歯の根元(歯根)が見えてくる状態を「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」といいます。
歯ぐきが下がると、見た目が気になるだけでなく、冷たいものがしみる(知覚過敏)、歯が長く見える、歯と歯のすき間が広がる、といった症状も出てきます。
歯ぐきが下がる原因は“老化”だけじゃない?
たしかに、年齢とともに歯ぐきの弾力はゆるやかに減り、少しずつ下がってくるのは自然なこと。
でも、実は「若い方でも歯ぐきが下がる」ケースは少なくありません。
なぜなら、その背景には日々の習慣や歯並び、歯ぎしりなどさまざまな要因があるからです。
主な原因と、思い当たることはありませんか?
1. 強すぎるブラッシング
「しっかり磨かないと!」という思いが強い方ほど、実は要注意。
ゴシゴシと力を入れすぎたブラッシングは、歯ぐきに慢性的なダメージを与えてしまい、じわじわと下がっていきます。
☑ 硬めの歯ブラシを使っている
☑ 横に大きくこするクセがある
☑ 歯ブラシの毛先がすぐ広がる
…こんな方は、ぜひ一度ブラッシング方法を見直してみましょう。
2. 歯周病(ししゅうびょう)
初期の段階ではほとんど痛みもなく進行する歯周病。
これは歯を支える組織の慢性炎症で、進行すると歯ぐきが下がるだけでなく、最終的には歯が抜ける原因にもなります。
定期的な歯科検診で、目に見えない“炎症”を早期に発見・ケアすることがカギです。
3. 歯ぎしり・くいしばり
無意識のうちに歯や歯ぐきに大きな負担をかける「歯ぎしり・くいしばり」も、歯ぐきを下がってしまう要因になります。
特に就寝中に起きやすく、自分では気づきにくいため、歯科医院でのチェックやマウスピースの活用が予防につながります。
4. 歯並び・かみ合わせの影響
歯がねじれて生えていたり、極端に外側に傾いていたりすると、歯ぐきが薄くなっている部分があり、物理的に下がりやすいということもあります。
歯列矯正の際には、こうしたリスクも含めて検討していきます。
下がった歯ぐきは元に戻る?
一度下がった歯ぐきは、基本的に自然には戻りません。
ただし、それ以上進行させないための対策や、症状の改善・目立たなくする処置は可能です。
たとえば:
- 正しいブラッシング指導
- 歯周病治療やメンテナンス
- 知覚過敏のケア(薬の塗布やコーティング)
- 見た目を整える歯科治療(セラミック)
など、状態に応じた治療法をご提案しています。
歯ぐきが下がる前に、できること
一番のポイントは「予防と早期対応」です。
何よりも、日々の正しいケア+定期的なプロフェッショナルケアが大切なのです。
「力を入れずに磨けているか自信がない」
「フロスや歯間ブラシ、使ったほうがいいのかな?」
「歯ぐきがなんとなくムズムズする」
…そんな時は、お気軽にご相談ください。
おわりに ー 自分の歯ぐき、今日から見直してみませんか?
年齢のせいにしてしまいがちな「歯ぐき下がり」。
でも実は、それ以上進ませないヒントがあなたの毎日の中にあります。
THE DENTALでは見た目の変化だけでなく、一歩先を見据えた口腔ケアをご提案しています。
“ちょっと気になる”がある方は、ぜひこのタイミングで、私たちにお声かけくださいね。お待ちしております。