2025.06.25 診療コラム

歯医者さんで口臭ケア?

皆さん、こんにちは!
歯科助手の伊東です。
本日は『口臭』についてご紹介させていただければと思います。

「その息、気づいていますか?」― 口臭の正体と予防法

ふとした瞬間に感じる自分の口のにおい。
電車の中や会話中、マスクを外した瞬間に「ん?」と思ったことはありませんか?

けれど、口臭はとても繊細な問題。
周りに聞くことも、正直に打ち明けることも、難しい。
だからこそ、今回は“口臭の真実”をわかりやすく丁寧に解説していきます。

■ 口臭の原因、そのほとんどは「お口の中」

実は、口臭の約80%は、お口の中の状態が原因です。
原因としてよくあるのは――

  • 歯垢(プラーク)や歯石

  • 舌の表面にたまる「舌苔(ぜったい)」

  • 虫歯や歯周病

  • 唾液の減少による口腔乾燥(ドライマウス)

中でも見落とされやすいのが、「舌」。
舌の表面に白くたまる舌苔には、細菌や食べかすが含まれており、
これが分解されることで、独特のにおいを放つことがあります。

また、歯周病は進行すると膿のにおいを発生させ、慢性的な口臭の原因に。
定期的な歯科検診での早期発見が重要です。

■ 一時的なにおい vs 慢性的なにおい

口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類があります。

生理的口臭は、空腹時や朝起きた直後、緊張して唾液が減った時などに起こる、誰にでもある一時的なもの。
水を飲んだり、軽く歯磨きをするだけでおさまることが多いです。

一方、病的口臭は、虫歯・歯周病・口腔乾燥などが原因で、慢性的かつ強いにおいが続くのが特徴です。
「マスクの内側がずっとにおう」「人と話すのが不安」と感じる場合は、歯科でのチェックをおすすめします。

■ おうちでできる、口臭ケア

毎日の習慣を少し工夫するだけで、口臭は大きく改善できます。

  1. 丁寧な歯磨き
    歯と歯の間、歯ぐきのキワを意識して磨き、フロスや歯間ブラシも併用しましょう。

  2. 舌をやさしくお掃除
    専用の舌ブラシで舌苔を軽く除去するだけで、においの原因をぐっと減らせます。

  3. こまめな水分補給
    唾液の分泌を促すために、水やお茶をこまめに飲むのがポイントです。

  4. 口呼吸を防ぐ
    鼻炎や癖で口呼吸になっていませんか?口の中が乾燥し、菌が増えやすくなります。

  5. バランスの取れた食生活
    にんにくやネギ類などの刺激物は、においが残りやすい食材です。
    口臭が気になるときは、消化の良い食事を心がけてみてください。

■ 歯科医院でできる、もう一歩踏み込んだケア

どれだけ自宅でケアしても、落としきれない汚れや歯石があります。
私たちが行うプロフェッショナルクリーニング(PMTC)では、
専用の器具でバイオフィルム(細菌の膜)を徹底除去。

また、歯周病が見つかれば、適切な治療で口臭の根本改善を図ります。

唾液の分泌が少ない方には、唾液腺マッサージや保湿ジェルのご提案も行っています。
“におい”の背景にある体のサインを見逃さない。これが、歯科ならではのアプローチです。

■ 「言いづらいこと」こそ、歯医者に話してみてください

口臭の悩みは、とてもプライベート。
でも、誰にでも起こり得るものです。
「誰にも言えなかったけど、相談してよかった」
そう言って帰られる方が、たくさんいらっしゃいます。

もしあなたが「においかもしれない」と気になったなら、
それは自分や周りを大切にしたい気持ちの表れ。

私たちは、その気持ちに、正しく、そしてやさしく寄り添います!

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