JOURNAL
顎関節症

皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。
本日は「顎関節症」についてご紹介いたします。
顎関節症ってなに?— 顎の違和感は、歯医者さんで相談できます
朝起きると、なんだか顎がだるい。
食事中、口を開けるとカクンと音がする。
顎が痛くて、大きく口を開けられない——。
そんな経験はございませんか?
こうした症状、実は「顎関節症(がくかんせつしょう)」かもしれません。
名前だけ聞くと少し難しそうに感じますが、実は身近なお口のトラブルのひとつ。
今回は、「顎関節症とはどんなものなのか」「なぜ起こるのか」「歯科医院でどんなことができるのか」についてご紹介します。
顎関節症とは? — 顎の関節に生じる“バランスのくずれ”
顎関節症とは、耳の前あたりにある「顎関節」や、そこを動かす筋肉にトラブルが起きて、痛みや違和感、動かしにくさなどが生じる症状のことをいいます。
代表的な症状は以下のようなものです:
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口を開けるとカクカク・シャリシャリと音がする
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顎の関節やこめかみあたりが痛む
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口が開けにくい、開けても指が縦に2本分くらいしか入らない
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しゃべる・噛むと顎が疲れる、だるい
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片側だけで噛んでいることが多い
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顔の左右差が気になる
これらの症状は一時的なものもありますが、慢性化することもあります。
中には、顎だけでなく、肩こり・頭痛・めまいといった全身症状を引き起こす方もいらっしゃいます。
なぜ起こるの? — 顎関節症の原因はひとつじゃない
顎関節症のやっかいなところは、
「これが原因です」とはっきり言い切れないこと。
ひとつの明確な原因があるわけではなく、いくつかの要因が重なり合って発症すると考えられています。
例えば…
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歯ぎしり・食いしばり:無意識のうちに強い力で噛みしめてしまう
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片側だけで噛む癖:筋肉や関節に左右差が生じる
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ストレスや緊張:顎まわりに力が入る
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猫背や頬杖:姿勢のクセが顎の位置に影響を与える
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噛み合わせの不調和:歯の高さや位置がずれている
つまり、生活習慣・身体の使い方・噛み合わせの状態など、さまざまな要素が関わっているのです。
歯医者さんでできること — 痛みを和らげ、日常をラクに
「でも、これって整形外科じゃないの?」
そう思われる方も多いかもしれませんが、実は歯科医院で対応できる顎関節症はたくさんあります。
1. 噛み合わせのチェック
まず大切なのは、「今、どう噛んでいるか」。
上下の歯がしっかりと調和しているかを確認し、不自然な力が加わっていないかを診察します。
必要に応じて、歯の高さや被せ物の形を微調整することもあります。
わずかな調整で、顎の動きがスムーズになることもあるのです。
2. マウスピース(スプリント)療法
夜間の歯ぎしり・食いしばりが原因の場合は、マウスピースを使って関節や筋肉を保護します。
やわらかめの素材で作るタイプや、がっちり固定するタイプなど、症状に合わせて使い分けます。
「朝の顎のだるさがなくなった」という方も多く、夜間の力を“逃がす”ことで日常がラクになるのです。
3. 習慣や癖の見直しアドバイス
例えば「無意識に奥歯を噛みしめていないか」「頬杖をつく癖がないか」「スマホを見る姿勢はどうか」など、日常のちょっとした行動が、顎に負担をかけていることも。
「1時間に一度、深呼吸して顎をゆるめましょう」
「ガムは片側で噛まず、左右交互に」
そんなアドバイスも、顎関節症の改善につながっていきます。
放っておくとどうなるの?
顎関節症は、症状が軽いうちに対応すれば、多くは自然と改善します。
しかし、放置していると…
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口がますます開かなくなる
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食事がつらくなる
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こめかみや耳まわりに慢性的な痛みが残る
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顎の関節が変形してしまう
といったリスクがあるため、「気になるな」と思ったら、早めの受診が肝心です。
さいごに — 顎の不調も、“お口の専門家”にご相談ください
顎の痛みや違和感は、周囲にはなかなか伝えづらいもの。
でも、それを「いつものこと」とあきらめてしまうのはもったいない。
顎も、歯も、噛み合わせも。
それぞれが繊細なバランスでつながって、日々の会話や食事を支えています。
THE DENTALでは、顎関節症にお悩みの方に対しても、丁寧な問診と診察をもとに、おひとりおひとりに合わせたケアをご提案しています。
「こんなことで相談していいのかな?」と思わず、どうぞお気軽にお話しくださいね。
笑うこと、話すこと、食べること。
そのひとつひとつが、もっと自然に、もっと快適になるように——。
私たちは、顎の健康からあなたの毎日をサポートします。