JOURNAL
フロス vs 歯間ブラシ——あなたに合う“すきまケア”はどっち?

皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。
本日はフロスと歯間ブラシの違いについてご紹介いたします。
普段使われない方だとそもそもフロスと歯間ブラシ?何それ?と思われる方もいらっしゃると思います。
ご存知の方でもどのように使い分けるのかわからないとお話しされる方もいらっしゃいます。
そんな疑問が残る二つの歯科アイテムについてお話しし、ご自身に合うアイテム選びのお力になれればと思います!
毎日の歯磨き、できているつもりで、実は足りていないかもしれません。
歯ブラシだけでは落としきれない汚れがあることをご存知でしょうか?
磨いたつもりでも残ってしまう歯と歯の「すきま」——この目に見えにくい領域こそ、むし歯や歯周病の“温床”となる場所です。そしてこの部分を清潔に保つためのツールとして代表的なのがデンタルフロスと歯間ブラシ。どちらも歯科医院でよくおすすめされるケアアイテムですが、実際に使っている方はまだ少ないのが現状です。
今回は、この2つのツールの違いや選び方、正しい使い方まで、プロフェッショナルな視点から詳しく解説していきます。
フロスとは?——“すきま”にするっと入る繊細な糸
デンタルフロスは、ナイロンやポリエステルでできた細い糸。歯と歯の間に滑り込ませて、食べかすやプラーク(歯垢)を取り除くことができます。
◆ フロスの特徴
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とにかく細かい隙間に入りやすい
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若い方や、歯ぐきが引き締まっている方におすすめ
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ブリッジの下など、歯ブラシが届かない場所にも使える
◆ こんな方におすすめ
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歯と歯の間にあまり隙間がない方
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矯正中や、ブリッジ・インプラントがある方
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歯ぐきが健康で引き締まっている方
「毎日フロスを使っています」と言うと、なんだかそれだけで“デンタルリテラシー”が高く感じられませんか? でも実際、フロスを使うだけでむし歯や歯周病のリスクが大きく下がるのは事実です。
歯間ブラシとは?——“すきま”をしっかり掃除するミニブラシ
一方、歯間ブラシは小さなブラシ状のツール。金属の芯にナイロンの毛がついており、歯と歯の隙間に差し込んで使います。見た目は小さなボトルブラシのようで、使い方も直感的にわかりやすいのが特長です。
◆ 歯間ブラシの特徴
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フロスよりプラーク除去力が高い(適切なサイズを使えば)
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歯周病で歯ぐきが下がって隙間ができてきた方に最適
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サイズ展開が豊富(0.6mm〜1.5mm以上)で、自分に合った太さを選ぶことが重要
◆ こんな方におすすめ
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歯ぐきが下がり、歯間が広がっている方
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歯周病治療中・メンテナンス中の方
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フロスでは物足りない感じがする方
「歯間ブラシは痛いからちょっと…」という声も聞きますが、実はそれ、サイズが合っていない可能性大。 無理に太いブラシを入れると歯ぐきを傷つけることもあるので、歯科医院で一度サイズを測ってもらうのがおすすめです。
実際、どっちを使えばいいの?
正解は「どちらか」ではなく「あなたに合った方法」を選ぶこと。ここで簡単な判断基準をご紹介します。
あなたの状態 | おすすめのケア |
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歯ぐきが引き締まっている | デンタルフロス |
歯ぐきが少し下がってきた | 細めの歯間ブラシ(または併用) |
歯周病の治療中 | 歯間ブラシ(適切なサイズ) |
ブリッジやインプラントがある | フロススレッダー+フロス、または歯間ブラシ |
また、「フロス+歯間ブラシ」の併用も非常に効果的。
たとえば、前歯はフロス、奥歯の広がった隙間には歯間ブラシ、というように部位によって使い分けるのも、理にかなったアプローチです。
正しく使えば、未来の歯を守れる
歯間ケアにおいて最も大切なのは、「毎日の習慣にすること」。
1日1回、夜の歯磨きのあとに“すきま掃除”を取り入れるだけで、将来歯を失うリスクが大きく下がるという研究もあります。
◆ 使い方のワンポイントアドバイス
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フロスは“のこぎりを引くように”すべらせながらやさしく
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歯間ブラシは“無理に押し込まず”、水平にゆっくりと出し入れを
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出血しても焦らないで。毎日続ければ歯ぐきが引き締まり、出血は自然と減ります
まとめ——“すきま”が未来を変える
歯ブラシで落とせるのは、全体の約60%の汚れ。
残りの40%は、“すきま”に潜んでいます。
あなたがこれまで見逃してきた40%。
それを丁寧に掃除するかどうかで、10年後の歯の本数が変わるかもしれません。
ちょっとの手間が、あなたの口元の未来を変える。
THE DENTALでは、患者さま一人ひとりの口腔内に合ったフロス・歯間ブラシの選び方、そして使い方まで、丁寧にアドバイスしています。
お気軽にご相談ください。
私たちと一緒に、“すきまケア”を日常にしませんか?