2025.07.16 診療コラム

お口の中の脱水にも注意が必要です!

夏の脱水と、お口の健康 見落としがちな“水分不足”のリスク

皆さまこんにちは!歯科助手の雛田です。

今年の夏も暑い日が続いていますね。
冷たい飲み物やアイスが恋しくなるこの季節、体の「水分補給」には気をつけている方も多いのではないでしょうか。
ですが、お口の中の脱水にも、気づいていますでしょうか?

口の中も「乾く」。それが何を引き起こすのか?

脱水というと、めまいや倦怠感、熱中症のリスクなどが連想されがちですが、実はその影響は口腔内にも及びます。

私たちの口の中は、唾液によって潤されています。唾液は単に「うるおす」だけではなく、次のような重要な働きを担っています。

  • 食べ物を飲み込みやすくする

  • お口の中の汚れを洗い流す

  • 虫歯や歯周病菌の繁殖を抑える

  • 初期の虫歯を修復しようとする(再石灰化)

つまり、唾液の量が減ると、お口の中の自然な自己防衛機能が低下してしまうのです。

脱水が引き起こす3つの口腔トラブル

  1. 虫歯・歯周病のリスク上昇
     唾液の抗菌作用が弱まり、食べかすや細菌が残りやすくなります。
     とくに歯と歯ぐきの境目など、ブラッシングで落としきれない場所に影響が起こります。

  2. 口臭の悪化
     乾いた口腔内は、ニオイの原因菌が繁殖しやすい環境です。
     「夏は口臭が気になる気がする…」そんな方は、水分と唾液量を見直してみてください。

  3. 口内炎・粘膜トラブル
     唾液が少ないと、粘膜のバリア機能も低下。
     些細な刺激や食事の塩分で、炎症や痛みを感じやすくなります。

脱水は「自覚しにくい」——だからこそ、意識して防ぐ

夏は体温調整のために汗をかきやすく、無意識のうちに水分を失っていることが多いもの。加えて、冷房による乾燥、マスク着用による水分摂取の減少など、日常のあらゆる場面で口腔内の脱水は進んでいきます。

とくに高齢者お子さんは、のどの渇きを感じにくいため注意が必要です。

歯科からできるアプローチ —「飲む」だけじゃない水分ケア

夏場の脱水対策は、ただ水を飲むだけではありません。
お口の健康を保つために意識してほしいケアを、いくつかご紹介します。

■ 1. こまめな水分補給

一気飲みではなく、こまめに、少量ずつが基本。
糖分の多い清涼飲料ではなく、水やお茶を選ぶのがベターです。

■ 2. 唾液を増やす習慣を

  • よく噛んで食べる(ガムもおすすめ)

  • 口周りの筋肉を動かす(会話・歌・表情)

  • 唾液腺マッサージを取り入れる

■ 3. 就寝前の保湿ケア

寝ている間は唾液が減るため、口腔乾燥が進みやすい時間帯。
口腔用の保湿ジェルやスプレーを活用するのも有効です。

■ 4. 定期的なプロケアを

夏の疲れが溜まりやすい時期こそ、歯科でのチェックとクリーニングをおすすめします。
脱水による口腔環境の変化をいち早く見つけ、必要なケアをご提案します。

⭐︎ 最後に 夏の健康は、口から守る

水分補給は、身体だけでなくお口の健康を守る第一歩
そして、唾液という見えないバリアを守ることは、虫歯や歯周病、さらには全身の健康を守ることにもつながります。

THE DENTALでは、そうした“目に見えない変化”にも寄り添いながら、この夏も、ひとりひとりのお口に合わせたケアをお届けしていきます。

「なんとなく口が乾く」「最近、口臭が気になる」——それも立派な“サイン”です。
暑さに負けない身体とお口を守るために、ぜひお気軽にご相談ください。今年の夏もまだまだ暑さが続きますが、皆さま健康にお気をつけてお過ごしくださいね!

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