JOURNAL
見えない不安に寄り添うために
— レントゲンが“何もない”を確認するという価値
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
「痛みもないし、見た感じ大丈夫そうなんですけど…」
そう言いながら診察チェアに座られる患者さま、実はとても多いんです。
見た目も、感覚的にも異常はない。
でも、歯科医師が「念のためレントゲンを撮りましょう」とご提案することがあります。
今回はそんなとき、
「レントゲンって必要なの?」「何を見てるの?」
「被ばくって大丈夫?」という疑問に、少しだけお答えできればと思います。
“症状がない”時こそ、レントゲンの出番です
歯科のトラブルは、症状が出たときにはすでに進行していることが多いのが特徴です。
たとえば虫歯。
初期の段階では痛みも染みもなく、見た目も変化はほとんどありません。
けれどレントゲンを撮ってみると、歯の内部にまで及ぶ虫歯が発見されることも。
歯周病も同様。
歯ぐきに目立った炎症がなくても、レントゲンを撮ると歯を支える骨が少しずつ減っているサインが見つかる場合があります。
つまり、レントゲンは
「なにかあるかもしれない」ではなく、
「なにもないことを確かめるため」にも撮るものなのです。
THE DENTALでは、
「見えるもの」と「見えないもの」の両方に目を向け、
症状の“その先”まで診ることを大切にしています。
レントゲンの種類と役割、ちょっとだけご紹介
- パノラマ:お口全体の大きな写真。親知らずや骨の状態、全体のバランスを確認できます。
- デンタル(小さいレントゲン):特定の歯の状態をピンポイントで詳しく診ます。
- CT:インプラントや根の治療、親知らずの抜歯など、立体的に診断が必要なときに使用します。
- セファロ:矯正治療の際に顔全体の骨格や成長バランスを見るためのレントゲンです。
どのレントゲンも、患者さまの症状やお口の状態に合わせて、
必要なときに、必要なだけ、最適な方法でご提案しています。
被ばくのこと、気になりますよね
「レントゲンって、身体に影響はないんですか?」
特に小さなお子さまをお持ちの方や妊婦さんから、よくいただくご質問です。
ご安心ください。
歯科で使われるレントゲンの被ばく量はごくわずかです。
たとえば、パノラマ写真1枚あたりの被ばく量は、
0.01ミリシーベルト程度といわれています。
これは、
・飛行機で東京〜ニューヨークを往復する被ばく量の1/30以下
・自然界から1日に浴びている放射線の半分以下
つまり、日常生活の中で無意識に浴びている被ばく量よりも少ないのです。
また、THE DENTALではデジタルレントゲンを導入しており、
従来よりもさらに低線量で、鮮明な画像を得られる機器を使用しています。
撮影時には鉛の防護エプロンもご用意していますので、どうぞご安心ください。
わたしたちが大切にしていること
THE DENTALでは、レントゲン撮影を“当たり前”にせず、
その意味やタイミングを、きちんとご説明したうえでご提案しています。
それは、
「なんとなく撮る」ことが、患者さまの不安を増やしてしまうと感じているからです。
痛くないのに、レントゲンを撮ること。
見た目に変化がないのに、骨の状態を確認すること。
そのすべてに、ちゃんとした理由があります。
“早めに気づく”こと。
“気づかなくてよかった”と胸をなでおろすこと。
そのどちらも、レントゲンが教えてくれるのです。
最後に
「なんでもなかったですね」
とお伝えできるとき、私たちは心の中で小さくガッツポーズをしています。
それは、
“気づかなくてよかった”という安心を届けることができた瞬間だからです。
レントゲンは、こわいものでも、特別なものでもありません。
未来のトラブルを未然に防ぐための、シンプルで、頼もしいパートナーです。
次回レントゲンをご提案されたときは、
「見えない安心」を手に入れる機会だと思っていただけたら嬉しいです。