JOURNAL
歯周病検査の必要性

歯周病検査とは?
― 見えない進行を“見える化”する大切なステップ ―
こんにちは。歯科衛生士の本間です。
皆さんは歯科での定期検診の際に、「チクチクと歯ぐきを触られる検査」を受けたことはありますか?
「あれ、何をしてるの?」「痛いけど大丈夫?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
ですがこの検査、実はあなたの大切な歯を守るための“見えない病気”を見つける重要な手がかりなのです。
今回は「歯周病検査って何を調べているの?」という疑問に、やさしく丁寧にお答えします。
歯周病って、そもそもどんな病気?
歯周病とは、歯ぐきやその奥にある歯を支える骨(歯槽骨)など、
“歯の周りの組織”が炎症によって破壊されていく病気です。
しかもやっかいなのは、自覚症状が出にくいこと。
- 歯ぐきがちょっと腫れているだけ
- 磨いたときに少し血が出る
- 口臭が前より気になる気がする
といった些細な変化を見逃してしまい、
気づいた時には「歯がグラグラする」「歯を支える骨が半分以上なくなっていた…」というケースも少なくありません。
歯周病検査で“見えない進行”をチェック!
では、その進行具合はどうやって分かるのでしょうか?
それを調べるのが「歯周病検査」です。
主に以下の項目を確認します:
① 歯周ポケットの深さ
歯と歯ぐきの間には、みなさんに“すき間”があります。
この部分を「歯周ポケット」と呼び、通常は1~2,3mm程度です。
ところが、歯周病が進行するとこのすき間が深くなってしまいます。
歯科用の細い器具(プローブ)で、ポケットの深さを測ることで、
- 軽度:3〜4mm
- 中等度:5〜6mm
- 重度:7mm以上
というように、歯周病の進行度がわかります。
🦷 ポイント:出血の有無もチェック
測定時に歯ぐきから出血がある場合、炎症があるサイン。
健康な歯ぐきは、そっと触れても出血しません。
② 歯の動揺度(グラつき)
歯周病が進むと、歯を支える骨が減り、歯がグラつくようになります。
検査では、ピンセットで歯をやさしく動かし、
- 動かない → 正常
- 横に少し動く → 軽度
- 縦にも動く → 重度
といった具合に、歯の“安定性”を確認します。
③ プラークの付着状況
プラーク(歯垢)は、歯周病を引き起こす原因そのもの。
歯にどれくらいプラークが付いているかを調べ、磨き残しの傾向を把握します。
🪥 THE DENTALでは、ご希望の方には**染め出し液での“見える化”**も行っております。
④ レントゲン検査
歯周病が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が減っていきます。
レントゲンで顎の骨の状態を見ることで、
ポケットの深さだけではわからない“見えないダメージ”を確認することができます。
THE DENTALでは低被ばくで高精度なレントゲン機器を使用していますので、ご安心ください。
検査って痛いの?
「歯ぐきをチクチクされる感じが苦手」という声、実はよく聞きます。
でもご安心ください。強い痛みを伴うことはほとんどありません。
むしろ、歯ぐきの状態が悪いほど“触れるだけで痛い・出血する”ことがあります。
その痛みこそが、「早くケアしてあげてほしい」というお口からのサインなのです。
検査はいつ受けるべき?
- 初めて来院されたとき
- 定期検診のタイミング(3〜6ヶ月ごと)
- 歯ぐきの出血や腫れが気になるとき
- 歯のぐらつきや口臭が気になるとき
…などは、検査のチャンス。
進行する前に気づくことで、軽い治療で済む可能性が大きくなります。
THE DENTALでは、検査結果を“見える形”でご説明します
私たちは、ただ数値をお伝えするだけではありません。
- イラストや模型
- 写真・レントゲン画像
- 過去との比較(データ管理)
を活用しながら、「いま自分のお口がどうなっているのか」を分かりやすく共有することを大切にしています。
患者さまご自身が状況を把握できると、毎日のケアにも前向きに取り組めるようになります。
おわりに:未来の歯を守る、今この一歩
歯周病は、静かに進む“気づかれにくい病気”です。
でも、検査によって「見える化」することで、きちんと予防・管理が可能になります。
「まだ大丈夫」ではなく、
「今のうちにチェックしておこう」
そう思えることこそが、未来の歯を守る第一歩です。
THE DENTALでは、あなたの大切な歯とその未来に、寄り添う診療を心がけています。
気になることがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。