JOURNAL
世界の歯医者事情

皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。
今回は日本の歯医者と世界の歯医者についてご紹介いたします。
私自身、映画がとても好きでその中でもよく洋画を鑑賞します。病院をテーマにしている映画を観ている中で世界の歯医者ってどうなんだろう?
日本と何が違うのかな?とふと疑問に思ったので皆さまにお話しできればと思います!
歯医者は、世界でどう違う?
― 世界の歯科文化をめぐる、ちょっと知的な“口の旅” ―
私たちが何気なく通っている“歯医者さん”。
痛みをとったり、歯をきれいにしたり、噛めるように治したり…という存在ですが、それは日本だけの姿ではありません。
では、世界の国々ではどうでしょう?
「虫歯ができたら歯医者へ」は当たり前?
治療のスタイル、通い方、価値観…実は国によってずいぶん違うのです。
今日はちょっと視点を変えて、“世界の歯医者”をのぞいてみましょう!
■ アメリカ:歯並びと白さは“社会人のマナー”?
アメリカといえば、“歯にうるさい国”というイメージがある方も多いかもしれません。
実際、アメリカでは歯並びや白さが「第一印象」「教養」「自己管理」の象徴とされる傾向があります。
小学生から歯列矯正を始めるのも一般的で、「歯並びの悪さ=親のケア不足」とみなされることすらあります。
また、ホワイトニングやクリーニングも習慣化されていて、
「歯医者=予防に行くところ」という意識が強いのも特徴です。
保険制度が日本とは異なり、歯科治療は高額。
そのため「悪くなる前に予防する」のが、合理的でもあるのです。
■ フランス:歯医者さんは“家庭医”的存在?
フランスでは、歯科医院の数は日本より少ないものの、かかりつけ医制度(médecin traitant)がしっかりしています。
歯のことで困ったら、まず家庭医(GP)や信頼できる歯科医に相談し、必要があれば専門医へ。
医療保険制度が整っており、歯科治療の多くも公的保険でカバーされます。
ただし、高度な審美治療はやはり自費。
「自然な美しさ」が好まれる文化もあり、過度に“真っ白”な歯は求めない傾向があります。
子どもの虫歯予防にも力を入れていて、学校での歯科検診やフッ素塗布も一般的です。
■ スウェーデン:虫歯ゼロ国家を目指して
北欧の中でも特に“予防歯科”に力を入れているのがスウェーデン。
国民の多くが、子どものうちからフッ素の活用や正しいブラッシングを学び、虫歯の少なさは世界トップレベル。
歯科衛生士の地位も高く、歯医者=“治す場所”ではなく“守る場所”という考え方が徹底されています。
また、国家主導の歯科健康キャンペーンもあり、
「フロスや歯間ブラシを使わないなんて信じられない!」という声もあるほど。
“削る治療”から“守るケア”へ――
スウェーデンは、そんな歯科医療の未来を体現している国のひとつです。
■ ブラジル:美しい歯は“人生の武器”
ブラジルといえば、サンバ・カーニバル・笑顔…そんな明るい印象を持つ方も多いでしょう。
実はこの国、歯科医の数が世界最多とも言われており、“美しい歯”への関心も非常に高いのが特徴です。
特に都市部では、ホワイトニングや審美治療への意識が非常に高く、歯の白さや形へのこだわりは、日本以上かもしれません。
「歯は人間の“プレゼン”ツール」と捉えられ、
面接・営業・恋愛…あらゆる場面で、“歯の美しさ”が自信につながる文化が根付いています。
■ アフリカの一部地域では…?
一方で、地域によっては「歯科医療のインフラが未整備」な国もあります。
サハラ以南のアフリカの一部地域では、歯科医院が少なく、虫歯のまま放置されることも日常茶飯事。
また、一部ではまだ民間療法や伝統医療が主流で、抜歯=“おまじない”の一部とされる文化も残っています。
これは“医療の格差”という世界的な課題でもあり、
歯科の国際ボランティアやNPOの活動も活発化してきています。
■ 日本の歯科は、世界からどう見られている?
日本の歯科医療は、技術的には非常に高く、制度も整っていると評価されています。
特に、保険診療でここまで高度な治療が受けられる国は稀です。
一方で、海外から見ると
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「なぜ矯正治療をしない人が多いの?」
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「なぜ予防歯科の意識が低いの?」
と不思議に思われることも。
“痛くなってから歯医者に行く”という文化は、日本独特のものかもしれません。
これからは、“削る歯科”から“守る歯科”へ。
世界の先進的な取り組みから学ぶことも、たくさんあります。
まとめ:歯医者を通して見える、“その国の価値観”
歯医者と聞くと、「痛い・怖い・行きたくない」と思ってしまいがちですが、
実は歯科医療はその国の文化や価値観を映す鏡のような存在。
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見た目を整えることが“礼儀”の国
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予防に力を入れ、“虫歯ゼロ”を目指す国
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経済格差と戦いながら、治療の手を差し伸べる地域
どの歯科も、それぞれの場所で“人々の健康と笑顔”を支えています。
そして私たちTHE DENTALもまた、
世界の歯科から学びながら、“日本の歯医者”の未来を、ひとりひとりの患者さまと一緒に育てていきたいと考えています。
旅するように、学ぶように、
“歯医者”という扉の向こうに広がる世界を、これからもお届けしていきます。