2025.07.19 診療コラム

虫歯のリスクを高める食べ物は?

みなさまこんにちは。歯科衛生士の本間です。
夏の冷たいスイーツや飲み物が恋しい季節になってきましたね。冷たいものを「キーン」としみてしまう方も増える時期ですが、今回は“虫歯”の原因に関わる「食べ物」にフォーカスしてお話しします。

虫歯といえば「甘いもの」と思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。日常的によく口にする“意外な食品”の中にも、虫歯のリスクを高めるものがあるんです。

虫歯になる“メカニズム”を知ろう

まず簡単に、虫歯がどうやってできるのかをおさらいしましょう。

虫歯は、口の中にいる“ミュータンス菌”という細菌が、食べ物の糖分をエサにして酸を出し、その酸が歯を溶かしてしまうことで発生します。
つまり、「糖分」「歯に残りやすい状態」「時間」の3つがそろったとき、虫歯のリスクが高まるのです。

虫歯リスクが高い代表的な食べ物・飲み物

1. あめ・キャラメル・グミなどの“ねばつくお菓子”

これらは言わずと知れた虫歯のリスク食品。
歯にくっつきやすく、長時間口の中に残ることで、細菌が酸を出す時間が長くなってしまいます。

2. スナック菓子・クラッカー・せんべい

「甘くないから大丈夫」と思っていませんか?
実はこれらの炭水化物(でんぷん)も、口の中で唾液の酵素により糖へと変化します。しかも細かく砕けて歯の溝に残りやすいという“ダブルリスク”。

3. スポーツドリンク・乳酸菌飲料

意外かもしれませんが、これらのドリンクにも糖分がたっぷり。
しかも水分だから「飲んで終わり」と思いがちですが、実際は歯の表面に糖が薄く広がり、飲んだあとも長時間影響を与えます。

4. ドライフルーツ

健康に良さそうなイメージですが、これも注意が必要です。
果物を乾燥させたことで糖分が凝縮され、さらにねっとり歯に残りやすいという性質が。レーズンやマンゴーなど、人気のドライフルーツも虫歯の原因になりかねません。

5. ジュース・炭酸飲料

糖分の含有量が多いのはもちろんですが、炭酸飲料に含まれる「酸」も歯を溶かす原因になります。
虫歯だけでなく「酸蝕症(さんしょくしょう)」という別の問題を引き起こすことも。

リスクの少ない“おすすめ”の食べ方とは?

「じゃあ、好きなもの全部我慢しないといけないの?」
そんなことはありません。大切なのは“食べ方”と“ケアのタイミング”です。

● ダラダラ食べを避ける

虫歯菌は、糖が口に入ってから約30分間、酸を出し続けるといわれています。
だからこそ「ちょこちょこ食べ続ける」習慣が危険。甘いものは時間を決めて、食べたあとは口をゆすぐ・歯を磨くことが理想です。

● 食後にキシリトールガムを活用

食後すぐに歯磨きができないときは、キシリトール入りのガムを噛むことで唾液が分泌され、虫歯予防に役立ちます。

● 飲み物は“お水”がベスト

甘い飲み物を控えて、できるだけ水やお茶を選ぶことで、口の中に糖が残る時間を減らせます。冷たい麦茶でスッキリするのも夏の楽しみ方ですね。

食生活×歯科ケアで、虫歯ゼロをめざそう

虫歯のリスクは、食べ物の選び方とケアの仕方で大きく変わります。

最後に

THE DENTALでは、定期検診の際に患者さまのライフスタイルに合わせた食事アドバイスや、予防ケアのご提案も行っています。

「この食べ物、歯に悪いかな?」
「子どもが毎日お菓子を食べるけど大丈夫?」
そんな疑問があれば、気軽にご相談くださいね。

歯は、一度虫歯になると二度と元には戻りません。だからこそ“予防”が大切。
美味しく食べて、きれいな歯を保つために。毎日の“ちょっとした意識”が、未来の自分の歯を守ってくれます。

あなたの歯を、あなた以上に大切に。
THE DENTALでは、予防も美しさも両立するケアを提供しています。

お気軽にお越しください。

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