JOURNAL
見えない奥歯こそ、素材にこだわる。

—銀歯とPGA(白金加金)の違い、知っていますか?
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
突然ですが、「奥歯の詰め物や被せ物、何でできているか知っていますか?」
お口を大きく開けても見えにくい奥歯。だからこそ、治療後の詰め物や被せ物は「目立たない素材でいい」と思われがちかもしれません。でも実は、素材の違いが、見た目だけでなく“体への影響”や“将来の安心”にまでつながること、ご存じでしょうか。
今回は、多くの方が保険で選んでいる“銀歯”と、自費治療でご案内している“PGA(白金加金)”の違いについて、わかりやすくご紹介します。
「銀歯」は何でできているの?
「銀歯」という言葉から、純粋な銀をイメージされる方もいますが、実際に使われているのは金銀パラジウム合金と呼ばれる金属です。
この素材には、以下のような成分が含まれています。
- 銀
- パラジウム
- 銅
- 亜鉛
- 少量の金 など
一見、丈夫でコストも抑えられる優れた素材のように思えますが、実は体との相性という点で見ると、いくつかの懸念があります。
銀歯に潜むリスク
- 金属アレルギーの原因になりやすい
パラジウムや銅などの成分は、唾液などで微量に溶け出すことがあります。その金属イオンが体内に取り込まれることで、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。 - 経年劣化による変色や腐食
銀や銅は、長年使用するうちに黒ずんだり、腐食したりすることがあります。これにより歯と詰め物の間にすき間ができ、虫歯が再発するリスクが高まります。 - 味覚への影響や金属臭
一部の方は、銀歯が口の中に入ることで金属臭や味覚の違和感を訴えることがあります。
これらは、すぐに大きな問題になるわけではありませんが、長く使い続けるものだからこそ、素材の“質”が問われるのです。
では、PGA(白金加金)とは?
当院でご提案している**PGA(白金加金)**は、プラチナ(白金)を中心とした貴金属を主成分とする金属素材です。銀歯と比較して、以下のような優れた特性があります。
1. アレルギーのリスクが低い
PGAにはアレルギーを引き起こしやすいパラジウムが含まれておらず、金属アレルギーを起こしにくい体にやさしい素材です。
2. 腐食や変色に強く、清潔を保てる
唾液や温度変化による劣化がほとんどなく、長期間使用しても美しさと清潔さをキープできます。
3. 歯や歯ぐきとのなじみがよい
プラチナ系の金属は歯や歯ぐきとの親和性が高く、すき間ができにくく虫歯の再発リスクを抑えられるのも魅力のひとつ。
4. 見た目も自然
PGAの持つ柔らかなゴールド色は、銀歯ほど目立たず、お口の中で自然になじむ美しさがあります。
保険か、自費かではなく、「体にやさしいかどうか」
「保険だから仕方ない」と思って選ばれている銀歯ですが、実はお口の中にずっと入れておくには、ベストな素材とは言えないかもしれません。
一方、PGAは見た目だけでなく、長く・安全に使えることに価値があります。
私たちがPGAをおすすめするのは、見えない奥歯にこそ“本当に安心できる素材”を使ってほしいから。素材にこだわることは、自分の歯を守る“先行投資”でもあるのです。
最後に
金属は金属。見えなければ気にならない。
そう思っていた方も多いかもしれません。けれど、私たちの口の中は毎日使う場所であり、体の一部です。
これから歯の治療を考えている方へ。
ぜひ一度、“銀歯とPGAの違い”を知って、ご自身にとって本当に安心できる選択をしてみてください。
ご相談はいつでもお気軽にどうぞ。
THE DENTALでは、素材のことまできちんとお話しさせていただきます。