JOURNAL
舌の位置でこんなに変わる?

― 美しさと健康を支える、“正しい舌のポジション”という新常識
こんにちは。歯科衛生士の八田です。
ふと気づくと、口がポカンと開いていたり、顎まわりがどことなくたるんで見えたり。「年齢のせいかな」と思っていたその変化、実は“舌の位置”が関係しているかもしれません。
多くの人にとって、舌は「しゃべるとき」「食べるとき」に意識するもの。でも、実はそれ以外の“無意識の時間”こそ、舌の位置が大切になるのです。
舌の「正しい位置」って?
意外と知られていないのが、舌の「正しいポジション」。“舌の定位置”とも呼ばれるこの位置は、舌の先が上あごの「スポット」と呼ばれる少しふくらんだ部分に軽く触れ、舌全体が上あごに沿ってぴったり収まっている状態です。
このポジションは、実は赤ちゃんのころには自然にできていたもの。ですが、指しゃぶりや口呼吸、長期的な癖などによって、少しずつ舌が下に落ちていき、いわゆる「低位舌」となってしまうことがあります。
舌が正しい位置にあると、何がいいの?
正しい舌の位置がもたらすメリットは、想像以上にたくさんあります。
1. 歯並びが安定する
舌は、無意識のうちに歯を内側から支えています。舌が上あごにあることで、外側から唇や頬の力とバランスがとれ、歯並びを自然にキープする力が働きます。逆に、舌が下がっていたり、前に押し出される癖があると、出っ歯やすきっ歯、開咬(前歯が噛み合わない状態)などにつながることも。
2. 鼻呼吸がしやすくなる
舌が上あごにしっかり収まると、自然と口が閉じ、鼻で呼吸する習慣がつきます。鼻呼吸は、乾燥や細菌から体を守る“天然のフィルター”の役割を果たしてくれるもの。逆に口呼吸は、虫歯や歯周病、口臭、さらにはいびきや睡眠の質の低下にも関わってくるため、できるだけ早めの改善が大切です。
3. フェイスラインが引き締まる
舌は“見えないフェイスラインの土台”。舌が正しい位置にあることで、顎まわりや首まわりの筋肉が自然と鍛えられ、シャープな輪郭を保ちやすくなります。反対に、舌が下がったままだと、顎下に力が入りにくくなり、二重あごやたるみ、口元がだらしなく見える原因にも。
自分の舌、今どこにある?
では、いま舌がどこにあるか、意識してみてください。
- 舌先が下の前歯の裏に触れていませんか?
- 舌全体がだらんと下がっていませんか?
- 唇が軽く開いていませんか?
これらはすべて「低位舌」のサインです。何気ない習慣の中で舌の位置が下がると、上記のようなさまざまな影響を引き起こします。
今日からできる“舌の正しい位置”トレーニング
正しい舌の位置は、筋肉と習慣の賜物。だからこそ、**舌の筋肉を鍛えるトレーニング(MFT=口腔筋機能療法)**が有効です。
おすすめの簡単エクササイズ:「ポッピング」
- 舌の先を上あごのスポットにつける
- 舌全体を上あごに密着させる
- 一気に“ポン”と音を鳴らしながら舌をはがす
この動作を1日10回、習慣にするだけでも舌の筋肉が目覚め始めます。
美しさも健康も、“見えない筋肉”から
THE DENTALでは、歯並びや噛み合わせの治療に加え、舌の位置や呼吸習慣、口元の印象にまでフォーカスしたカウンセリングやトレーニングのご提案も行っています。
たとえば、
- 子どもが口をぽかんと開けている
- 歯並びが気になり始めた
- フェイスラインを整えたい
- 寝ているときの口呼吸やいびきが気になる
…そんなお悩みがある方には、舌のポジションをチェックすることからスタートします。
「ただ歯を治す」のではなく、「お口まわりから整える」ことで、笑顔も、印象も、ずっと自然に美しく。
最後に:舌は“見えない主役”
舌の位置を整えることは、見た目の印象だけでなく、呼吸や睡眠、歯並びなど、人生の“ベース”に深く関わるテーマです。
「なんとなく気になる」を放置せず、まずは鏡の前で、自分の舌と向き合ってみませんか?
そしてもし不安な点があれば、THE DENTALへお気軽にご相談ください。あなたのお口の未来を、一緒に整えていきましょう。
THE DENTALでは、毎月第3日曜日に矯正医の先生が来院し、舌のポジションや歯並びに関する無料相談も行っています。お子さまから大人の方まで、舌と歯並びの“ちょっとした不安”も、お気軽にお話ください。