2025.08.21 診療コラム

歯の痛みと体の違和感

皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。

本日は歯の痛みと体の違和感の関係についてご紹介いたします!
最近患者さまで首筋が痛い、こめかみ部分に違和感があるという症状で病院にかかったら食いしばりが原因と指摘されたので治療したい!とご来院された方がいらっしゃいました。
そういった症状で歯科医院に来られる方もいるので皆さまも違和感や疑問に思ったらお気軽にご相談ください!

歯の痛みと体の痛み、実はつながっている?

〜その違和感、もしかして“歯”が原因かもしれません〜

「なんだか肩が重い」「偏頭痛が続く」「耳の奥がズキズキする」——。
こんな体の不調、実は“歯”が関係していることがあるのをご存知ですか?

一見すると無関係に思える歯と体の痛み。しかし、私たちの体はすべてがつながっていて、歯の痛みや噛み合わせのトラブルが、意外なところに影響を及ぼしていることがあるのです。

今日は、歯と体の痛みの意外な関係について、わかりやすくお話しします。

1. 歯の痛みが「頭痛」や「肩こり」になる?

歯に虫歯があるわけでも、腫れているわけでもないのに、なぜか片側のこめかみや首筋が重い…。
そんなときに疑いたいのが「かみ合わせ」や「食いしばり」の影響です。

私たちは日常生活の中で、気づかないうちに歯をグッと噛み締めていることがあります。たとえば…

  • パソコンに集中しているとき

  • スマホを見ているとき

  • 緊張しているとき

  • スポーツや運転中など、力を入れているとき

こうした無意識の「食いしばり」は、顎の筋肉を緊張させ、やがて首や肩の筋肉にも負担をかけてしまいます。その結果、慢性的な肩こりや偏頭痛の原因になることがあるのです。

2. 「歯の痛み」が「耳」や「目の奥」にまで?

また、奥歯の痛みが、耳の奥や目の奥にまで広がるような感覚になった経験がある方もいるかもしれません。

これは、歯と耳、目、側頭部が近い位置にあり、同じ神経(とくに三叉神経)によってつながっているためです。

たとえば親知らずが炎症を起こしているときや、歯の根っこの先で膿がたまっているときなどは、その炎症が周囲の神経にも波及し、耳鳴りや目の痛み、ひどいときは顔全体の痛みにまでつながることも。

逆に「耳が痛いから耳鼻科に行ったけど異常なし。実は奥歯の炎症が原因だった」というケースもあります。

3. 「体の不調」が「歯の痛み」を引き起こすことも

反対に、体の不調が歯に痛みを感じさせるケースもあります。

たとえば風邪や副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)になると、上の奥歯がズキズキと痛むことがあります。これは、鼻の奥にある副鼻腔(上顎洞)と上の奥歯の根っこが非常に近いため、炎症が広がることで歯にも痛みを感じてしまうためです。

また、心因的なストレスや自律神経の乱れが、歯の痛みを引き起こすこともあります。

  • 歯は健康なのに、しみる

  • 歯の根元がムズムズする

  • どこが痛いのかわからないけど、なんとなく痛い

そんなあいまいな症状が続くとき、実はストレスや寝不足、過労が影響しているかもしれません。

4. こんな症状、まずは歯科へ相談を

「歯の痛みだと思ったら、実は体の別の病気だった」
「体の痛みの原因が、歯のトラブルだった」

このようなことは、実は決して珍しくありません。
体の不調が続くとき、原因が明確でないときには、ぜひ一度「お口の中」も見直してみてください。

とくに以下のような症状がある場合は、歯科でのチェックがおすすめです。

  • 片側だけの肩こり・頭痛がある

  • 朝起きると顎が疲れている、だるい

  • 歯に異常がないのに、目や耳が痛い

  • 歯がしみたり、浮いた感じがするけれど虫歯はないと言われた

  • 顔の片側が重だるい

5. 「口は身体の入り口」という視点で

私たちの身体は、どこか一か所に異常があると、それを別の部位がかばったり、連動したりして、思いもよらない形でサインを出すことがあります。

「口は身体の入り口」と言われるように、歯の健康は全身の健康と密接に関わっています。

たかが歯の痛み、と軽く考えず、違和感があるときは早めにご相談ください。
また、歯の定期的なチェックは、全身の健康を守るうえでもとても大切な習慣です。

おわりに — “体からのサイン”を見逃さないで

歯と体の痛み。
一見無関係に見える2つですが、実は深く関わっていることがたくさんあります。

「なぜか治らない肩こり」
「どこから来ているのかわからない痛み」
そんなとき、“歯”がヒントをくれることがあります。

わたしたち歯科は、口の中を見るだけでなく、そうした“体の声”にも耳を傾けていきたいと考えています。

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