2025.08.22 診療コラム

歯茎からの出血は助けてのサイン?

みなさまこんにちは。歯科衛生士の本間です。
夏の暑さが続いていますね。冷たい飲み物やアイスが美味しい季節、でもそんな時こそお口の健康にも気を配っていきましょう。

さて、今回は患者さんからよく聞かれるお悩みの一つ、「歯ブラシで血が出る」という症状について。
「強く磨きすぎたのかな?」「歯ぐきが弱いのかな?」そんなふうに感じたことはありませんか?

実はその出血、“歯肉炎”のサインかもしれません。

歯ブラシのたびに血が出る…これって普通?

「歯磨きするとたまに血が出るけど、毎回じゃないし痛みもないから大丈夫」と考えて、つい放置していませんか?

けれど実は、健康な歯ぐきからは、どんなに丁寧に磨いても出血はしません。
つまり、血が出るということは、歯ぐきに炎症が起きている、という体からのサインなんです。

歯肉炎とは?

歯肉炎(しにくえん)は、歯ぐきにだけ炎症が起こっている状態です。
歯と歯ぐきの間に汚れ(プラーク=細菌のかたまり)がたまって、それに反応して歯ぐきが赤く腫れ、やがて出血しやすくなっていきます。

ポイントはこの状態が“ほとんど痛みがない”ことです。
だからこそ、気づかないうちに進行しやすくなってしまうのです。

放っておくと歯周病に…

歯肉炎の段階で適切なケアを行えば、元の健康な歯ぐきに戻すことが可能です。
しかしそのまま放置してしまうと、歯ぐきの炎症がさらに進み、歯を支える骨(歯槽骨)まで溶かしてしまう「歯周病」へと発展します。

歯周病になると、

  • 歯ぐきが下がって歯が長く見える
  • 口臭がきつくなる
  • 歯がグラグラしてくる
    などのトラブルが現れ、最終的には歯を失うことにも…。

出血を減らすためにすべきこと

では、「歯ブラシで血が出る」とき、どんな対策を取るべきでしょうか?

1. 正しいブラッシングを身につける

力を入れすぎたゴシゴシ磨きでは、歯ぐきを傷つけてしまうこともあります。
歯と歯ぐきの境目にやさしく毛先をあてて細かく動かすことがコツです。当院では、必要に応じて歯磨き指導も行っています。

2. 歯科でのプロフェッショナルケア

歯ブラシだけでは落としきれないバイオフィルム(細菌の膜)を、プロの手でリセット。
THE DENTALでは、エアフローなど最新のクリーニング機器を使って、痛みの少ないクリーニングを提供しています。

3. 定期的なメンテナンス

歯ぐきの健康は「治して終わり」ではなく、継続的なチェックとケアが大切です。
定期検診では、出血の有無や歯周ポケットの深さなどを測定し、早期発見・早期治療につなげています。

こんな症状があれば、ぜひご相談を

  • 歯ブラシに血がつく
  • 歯ぐきが赤く腫れている
  • 朝起きたとき、口の中がネバネバする
  • 口臭が気になる
  • 歯ぐきがムズムズする、かゆい感じがする

こうした症状がある場合は、歯肉炎や歯周病のサインかもしれません。
我慢せず、ぜひ早めにご来院ください。

THE DENTALでは

THE DENTALでは、患者様一人ひとりの状態に合わせて、的確な歯周病の検査と、クリーニング、ブラッシング指導を行っています。
不安な症状があれば、「ちょっとだけ見てほしい」というレベルでも構いません。

「出血が止まらない」ではなく、「ちょっと血が出た」段階で、ぜひ私たちにお任せください。

最後に

歯ぐきからの出血は、あなたのお口が出してくれている「助けて」のサインです。
放っておくことは簡単ですが、将来の歯を守るには「今」がとても大切です。後回しにせず、今すぐ行動してみてください。
いつまでも美味しく食べられる健康な口元のために、一緒にケアしていきましょう。

お気軽にご相談ください。お待ちしております。

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