2026.01.08 診療コラム

歯って何回治療できるの?

皆さまこんにちは!THE DENTAL歯科助手の伊東です。

毎日の診療の中で、患者さんからよくいただく質問があります。
それが——

「歯って、治療したら元に戻るんですよね?」

見た目はキレイになるし、痛みも消える。
だから“治った”という感覚は確かにありますよね。
でも実は、歯に関しては少し事情が違います。

今日は、知っているようで知らない
“歯の寿命”のリアルな話
を、できるだけ分かりやすくお伝えします!


■ 歯は、治療するたびに少しずつ“削られていく”

歯は一度虫歯になると、悪くなった部分を削って取り除くしかありません。
そして詰め物や被せ物を正確にセットするためには、健康な部分もわずかに加工する必要があります。

つまり治療とは、
痛みを取るための処置であると同時に、歯が少しずつ小さくなる行為でもあるのです。

もちろん、最新機器や精密な診療で“最小限に削る”努力は常にしています。
ですが、事実として 「治療には回数の限界がある」 ことは避けられません。


■ 歯の治療は“下り階段”に似ている

歯の治療は、よく「階段」に例えられます。

最初は小さな虫歯を少し削って樹脂を詰めるだけ。
これが 1段目 だとすると…

・2回目は詰め物が必要になる
・3回目は神経に近づき、しみる可能性が高まる
・4回目は神経を取るかどうかの瀬戸際
・5回目は歯がもろくなる
・6回目は破折 → 抜歯の可能性

こんなふうに、
治療のたびに1段ずつ階段を降りていくイメージです。

だからこそ、
「できるだけ治療の回数を増やさないこと」
が、歯の寿命を守る最大のポイントになります。

■ 神経を守れるかどうかが分岐点

歯の内部にある 神経(歯髄) は、歯の命そのもの。
神経を残すことには「想像以上」の価値があります。

  • 歯がしなやかで割れにくい

  • 違和感に気づきやすく、早期発見につながる

  • 噛んだ感覚が自然で、食事がしやすい

反対に神経を取ると…

  • 歯が乾いて脆くなる

  • 破折のリスクが上がる

  • トラブルに気づきにくくなる

つまり “神経を残せるかどうか”が、寿命の分かれ道。
私たちが日々、CTを使いながら慎重に治療している理由も、ここにあります。


■ 抜歯の一番の理由は“歯の破折”

意外かもしれませんが、
抜歯になる原因の多くは「歯が割れたこと」。

そして割れてしまう歯の多くは、
何度も治療し、弱くなってしまった歯 です。

1回ごとに丁寧に行う治療が、
次の破折をどれだけ防げるか。
これはとても大事なポイントです。


■ 歯の寿命を延ばすために、今できること

「今まで治療を重ねているけど、大丈夫かな…」
そう心配になる方もいると思います。

でも安心してください。
今日が、歯の寿命を延ばすスタート地点になります。


① プロのクリーニングで“つくらせない”

虫歯や歯周病のほとんどは、
細菌の塊(プラーク)を取りきれなかったことから始まります。

定期的なクリーニングは、
“問題の芽”を早い段階で取り除いてくれる最強の予防です。


② 食いしばり・噛みしめの対策

寝ている間の強い力は、歯に大きなストレスをかけます。
ナイトガードは、
歯を守るための“衝撃吸収バリア” のような存在。

破折予防に欠かせません。


③ 小さなサインを見逃さない

しみる
噛んだときに違和感
片側だけ噛みやすい

これらは、歯が発してくれる“早めのSOS”。
早く気づくほど、治療は小さくできます。


④ 長持ちさせる治療を選ぶ

近年は「再治療を減らす治療」が大きく進歩しています。

  • 精密な被せ物

  • 適合性の高い詰め物

  • 噛み合わせを考慮した設計

  • 拡大視野での治療

THE DENTALでも、“長く使える歯”を前提とした治療設計を大切にしています。


■ 歯の寿命は、自分で延ばせる

治療を重ねるほど、歯は少しずつ弱くなる。
これは変えられない事実です。

でも同時に、
歯の寿命は、これから延ばすことができます。

・小さな時点で気づく
・再治療を起こさせない
・噛む力から守る
・予防を習慣にする

シンプルですが、これだけで未来は変わります。

10年後、20年後、自分の歯で食事を楽しむために。
そして「治療を減らす」ことを目標にする新しい歯科へ。

不安や気になることがあれば、いつでもご相談ください。
あなたの“これからの歯の寿命”を一緒に守っていきます。

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