2026.01.20 診療コラム

今年のTHE DENTAL の目標

皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。

今回は「口管強」の施設基準についてお話しいたします。
当院も以前よりこの施設基準取得のためにスタッフ増員や地域連携を行っておりましたが、他スタッフの退職、必要機材の入荷待ち等諸々重なり希望通りに進んでおりませんでした。
ですが今年度よりスタッフの増員、機材の入荷目処がようやくたちスタートラインに立てた状態となりました。

ここから認可までにまだお時間はかかると思いますが患者さま皆さまが通いやすい医院にしていくべく日々精進してまいります!

「噛む」「飲み込む」「話す」。
当たり前のように思えるこの3つの動きは、実は年齢や病気、生活習慣で少しずつ弱っていきます。
最近ではこうした“お口の機能”そのものを守るために、歯科がより積極的な役割を担うようになりました。その中心が**口腔機能管理(口強管)**です。

THE DENTALでも、この分野をより専門的に提供できるよう、施設基準の取得を目指しています。
今日は、認可までに必要なこと、かかる時間や費用、そして認可された後にできることを、わかりやすくまとめてみました。

■ 認可されるまでに必要なこと

施設基準は、単に書類を出せば得られるものではありません。
重要なのは「お口の機能を科学的に評価し、継続的にサポートできる体制が整っているか」という点です。

1. 専門資格を持つスタッフの配置

口腔機能を評価できるだけの知識や経験を持っていることがまず必須です。
対象となるのは、

  • 摂食嚥下や高齢者歯科の研修を修了した歯科医師

  • 口腔機能評価・訓練に関する講習を修めた歯科衛生士

です。
加えて、嚥下障害の基礎知識、食形態の理解、医科と連携するための記録作成能力など、細かなスキルも求められます。

2. 医科との連携体制の構築

耳鼻科、内科、リハビリ科など、嚥下に関わる医科と文書による連携体制を整える必要があります。
「口腔だけに問題があるのか」「全身疾患が影響しているのか」を判断するために欠かせないからです。

3. 評価に使う設備の導入

機器面の準備も必須です。

  • 舌圧測定器

  • 咬合力測定器

  • 口腔内カメラ(経時的記録用)

  • 高齢者対応のユニットや環境

  • 記録を電子管理できるシステム

など、継続的にデータを蓄積し、機能の変化を追える設備が求められます。

4. 院内の記録体制の整備

口腔機能管理は“1回きりの評価”ではなく“経過を追う医療行為”です。
そのため、

  • 評価項目

  • 結果

  • 指導内容

  • 医科との連携記録

  • 再評価のタイミング

などを、厚労省が求める基準に沿って記録できる体制を整える必要があります。

■ 認可までにかかる時間

一般的に、施設基準を取得するための期間は、

準備〜申請〜認可まで「3〜6か月」ほど。

ただし、

  • 医科との連携構築

  • スタッフの研修受講

  • 設備導入

  • 記録体制の整備
    がすでに進んでいる医院はより早く取得できます。

逆に、ゼロから整える場合は1年以上かかることもあります。

■ 認可までに必要な費用

費用は医院の規模や現在の設備状況で変わりますが、目安は以下の通りです。

  • 舌圧測定器:20〜30万円

  • 咬合力測定器:10〜20万円

  • 記録用カメラ・管理システム:10〜50万円

  • 研修費(医師・衛生士):数万円〜十数万円

  • 医科との連携構築に伴う事務手続き費用:数万円

合計すると、
30〜100万円前後の初期投資が必要になることが多いです。

これは「お口の機能を専門的に診るための土台作り」にかかる費用と言えます。

■ 認可されると何ができるのか

施設基準の認可を受けると、歯科医院で行えるケアの幅は大きく広がります。

1. 口腔機能低下症の評価が正式に行える

咬合力、舌圧、口唇の動き、唾液量などを総合的に評価し、
**「なぜ噛みにくいのか」「どこに問題があるのか」**を医学的に説明できます。

「年だから仕方ない」ではなく、
**“どの機能がどれくらい弱っているのか”**が明確になります。

2. 改善のための訓練・指導を提供できる

評価に基づいて、

  • 舌のトレーニング

  • 口腔周囲筋のリハビリ

  • 食べ方の指導

  • 嚥下訓練(歯科で対応できる範囲)

など、機能を回復させるアプローチが可能に。

3. 医科と連携したチーム医療ができる

高齢者、術前患者、在宅介護中の方など、
医科と情報を共有しながらケアを行えるため、

「飲み込みの弱り」→「食事のつまづき」→「誤嚥リスク」
のような負の連鎖を、早期に止めることができます。

4. 将来のQOLを守る“予防医療”が可能に

口腔機能は放置すると元には戻りません。
早い段階で弱りを見つけ、トレーニングで維持できることで、

  • 将来の誤嚥性肺炎の予防

  • フレイル進行の抑制

  • 食事の楽しみの維持

などにつながります。

■ まとめ

口腔機能管理は、これからの高齢社会の中でますます重要になる分野です。
施設基準の取得には、スタッフ、設備、医科との連携、記録体制…。
さまざまな準備が必要で、決して簡単ではありません。

しかし、
「噛める・飲み込める・食べられる」という人生の根っこの部分を支えられる医療でもあります。

THE DENTALでも、地域の皆さんが将来まで安心して過ごせるよう、この準備をひとつずつ進めています。
認可後には、より多角的で質の高いケアを提供していけるようになりますので、どうぞ楽しみにしていてください。

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