2025.10.28 お知らせ

虫歯は削るだけ、ではありません!

皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。
今回は虫歯治療についてご紹介いたします。

虫歯は削るだけじゃない

― 進行度で変わる最新治療 ―

「虫歯になったら、削って詰める」
そんなイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。

確かに、ひと昔前までは“虫歯=削る治療”が当たり前でした。
けれど今、歯科治療は大きく変わりつつあります。
目的は「削って治す」から、「できるだけ削らず守る」へ。

THE DENTALでも、この“ミニマルインターベンション”という考え方を大切にしています。
それは、患者さんの大切な歯を、一本でも多く“自分の歯”として残すために。

■ 虫歯の進行には「段階」があります

虫歯は、突然大きな穴があくわけではありません。
まずは歯の表面のエナメル質が溶け始める「初期段階(C0〜C1)」からスタートします。
この時点でしっかりケアすれば、“削らずに治す”ことが可能です。

【C0:初期虫歯(要観察)】

白く濁ったりツヤがなくなる状態。
痛みもなく、見た目も軽度ですが、エナメル質の内側で酸がじわじわと進行しています。
→ この段階なら「再石灰化」で治せます。
フッ素塗布や日々のケアを強化し、自然修復を促します。

【C1:エナメル質の虫歯】

表面に小さな穴ができる程度。
痛みはほとんどありません。
→ ごく小さく削って詰める、または経過観察を行うこともあります。
虫歯の進行を止めることが目的です。

【C2:象牙質まで進行】

冷たいものがしみる、痛みを感じることも。
→ 虫歯を取り除き、レジン(樹脂)やセラミックで修復します。
ここからは、削る範囲を最小限にする“精密治療”が鍵となります。

【C3:神経まで達した虫歯】

強い痛みが出る段階。
→ 神経を残せるかどうかを慎重に判断します。
必要に応じて「根管治療(神経の治療)」を行い、歯を残すことを目指します。

【C4:歯根まで進行】

歯の上部が崩壊し、根だけが残る状態。
→ 抜歯になることもありますが、インプラントやブリッジなどで機能回復を図ります。

■ 削る前にできること — 「再石灰化」とは

虫歯の初期段階では、歯の表面が溶けても、唾液中のカルシウムやリンによって自然に修復する力が備わっています。
これを「再石灰化」といいます。

THE DENTALでは、ストローマンのサージカルガイドなどの精密技術を取り入れながらも、“できるだけ削らない”アプローチを大切にしています。
フッ素やミネラル補給ジェルを使いながら、この自然修復力を高め、患者さんの歯を守るサポートをしています。

■ “削る”だけが治療ではない時代へ

昔の虫歯治療は、「痛くなってから行く」「削って詰める」ものでした。
でも今は、“虫歯にならないように管理する”ことが治療の中心です。

定期的なチェックで初期虫歯を早期に発見し、
食生活やケア方法を見直すだけでも、削る治療を防ぐことができます。

THE DENTALでは、患者さん一人ひとりの生活に合わせた**「パーソナル予防プラン」**を立て、
再石灰化を促すケア用品の提案や、リスクのコントロールまでサポートしています。

■ “守る治療”という選択

虫歯を削るかどうかの判断は、実はとても繊細です。
削るほど歯の寿命は短くなり、繰り返すほど再治療のリスクも高まります。

だからこそ、私たちは**「今、本当に削るべきか」**を一緒に考えます。
そして、できる限り“守る治療”を選びます。

「痛みが出てから」ではなく、「痛みが出る前」に。
それが、未来の自分の歯を残すいちばん確実な方法です。

■ まとめ ― 削らずに守る、その先へ

虫歯治療のゴールは、単に“虫歯をなくすこと”ではありません。
健康な歯をできるだけ残し、快適に噛める時間を長くすること。

THE DENTALでは、
削る前にできること、削るときの精密さ、
そして削ったあとの再発予防まで、すべてを一貫してデザインしています。

“削るだけじゃない”という言葉の中に、
歯科の未来が、そしてあなたの笑顔の未来が、確かにあります。

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