JOURNAL
歯石除去について
            皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。
今回は『歯石』についてご案内していければと思います!
なぜ“歯石”は自分で取れないのか?
― 見えないところで進む「沈黙のトラブル」
鏡の前でふと気づく、歯の根元の白っぽいかたまり。
「これ、歯石かな?」「歯ブラシでこすったら取れるかも?」
──そう思ったことがある方は少なくないはずです。
でも実は、この“歯石”、自分で取ろうとするのはとても危険。
なぜなら、歯石はただの汚れではなく、細菌の温床だからです。
■ 歯石は「固まったプラーク」
歯石の正体は、歯に付着したプラーク(歯垢)が唾液中のミネラルと結びついて固まったもの。
プラークはやわらかいので歯ブラシで落とせますが、歯石になるとまるで“セメント”のように歯面に強固にこびりつきます。
お口の中には常に唾液が流れ、カルシウムやリンといったミネラル成分が含まれています。
それらがプラークに沈着することで、数日〜2週間ほどで石のように硬化。
一度歯石になると、もう歯磨きでは落とすことができません。
■ 歯石は「細菌の要塞」
一見、ただの石のように見える歯石。
しかし、その表面はざらざらで、多くの細菌が付着しやすい構造になっています。
つまり、歯石がついた場所では、常に新しいプラークが発生し続けるのです。
この悪循環が、歯周病や口臭の原因になります。
特に歯ぐきの中にできる「歯周ポケット内の歯石」は、
自分では見えず、歯ブラシの毛先も届かない場所。
そこに歯石がたまると、歯ぐきの炎症が慢性化し、やがて骨を溶かす“歯周病”へ進行してしまうのです。
■ 自分で取ると、逆に危険?
ネットやSNSでは「スケーラーで歯石を取る方法」などが紹介されていますが、
セルフケアで歯石を削るのは非常にリスクが高い行為です。
歯石と歯の境目は見た目以上に繊細。
無理に削ると──
・歯の表面(エナメル質)を傷つける
・歯ぐきを切ってしまう
・バイ菌を奥に押し込んで炎症を悪化させる
といったトラブルが起こる可能性があります。
さらに、歯石は歯の裏側や歯と歯の間など、見えない場所にも付着します。
見えている部分だけ取っても、奥に残った歯石が再び細菌を増やし、すぐに元通りになってしまうのです。
■ 歯科医院でしか落とせない理由
歯石を安全に、確実に取るには専用の超音波スケーラーや手用スケーラーを使用します。
これらの器具は、歯石だけを選択的に除去できるように設計されています。
THE DENTALでは、歯面をできるだけ傷つけないよう精密でやさしいスケーリングを行っています。
使用するチップやパウダーは歯質に合わせて選び、施術後の歯面はツルツルに。
その滑らかさが、次の歯石付着を防ぐ“予防効果”にもつながります。
■ 「歯石がつきやすい人」の特徴
歯石のつき方には個人差があります。
以下のような方は特に注意が必要です。
・歯磨きの回数が少ない
・唾液にミネラルが多く含まれている
・口呼吸の習慣がある
・歯並びの影響で磨き残しが出やすい
・コーヒーやタバコをよく摂取する
これらの条件が重なると、歯石ができやすく、早く再付着してしまう傾向にあります。
だからこそ、定期的なプロフェッショナルケアでリセットすることが大切です。
■ 歯石取りは“メンテナンス”の一部
歯石除去(スケーリング)は、単なる掃除ではありません。
歯ぐきの健康を保ち、将来の歯周病を防ぐための治療です。
THE DENTALでは、歯石除去と合わせて
・歯ぐきの状態チェック
・磨き残しの部位の確認
・ホームケアのアドバイス
を行い、次のトラブルを未然に防ぎます。
また、エアフロー(微細パウダーによるクリーニング)を併用することで、
歯石を取った後の歯面をさらに美しく、滑らかに仕上げています。
“ただ取る”ではなく、“再びつかない口腔環境をデザインする”——
それがTHE DENTALの考えるメンテナンスです。
■ まとめ ― 見えないところを、見守るために
歯石は、毎日のケアでは防ぎきれない“自然な現象”のひとつ。
でも、だからこそプロの手で定期的に整えてあげることが、
長く健康な歯を保つための近道です。
「痛くなってから」ではなく、「悪くならないように」。
その小さな意識の違いが、将来の笑顔を守ります。
鏡を見て気になったその瞬間が、ケアのタイミング。
あなたのお口にも、ぜひ“歯石ゼロのリセット時間”を。











