JOURNAL
抜かずに残す治療へ
            皆さま、こんにちは!
歯科助手の伊東です。
今回は虫歯になった歯を抜くのではなく、残していく少しでも長くご自身の歯として利用できるやり方のご案内です!
歯を抜かない選択肢 — 根管治療の進化
― あなたの歯を、最後まであきらめない
「この歯、抜くしかないですね」
そう言われたときの、あの胸のざわつき。
誰もができることなら、自分の歯を残したいと思うはずです。
かつては“抜歯”が選ばれていたケースでも、
いまでは“残す”ための治療が進化しています。
その中心にあるのが、「根管治療(こんかんちりょう)」です。
■ 根管治療とは? ― 歯の中の“最後の砦”
歯の中には「神経(歯髄)」が通っています。
虫歯や炎症が深く進むと、神経まで感染が及び、強い痛みを引き起こします。
そこで行うのが、根管治療。
感染した神経や細菌を丁寧に取り除き、
内部をきれいに消毒・密閉して、歯を残す治療です。
いわば、歯の中を再生させる精密な“救出作業”。
1本の歯を守るために、顕微鏡のような繊細さと正確さが求められます。
■ 昔と今 ― 根管治療はここまで進化している
「根管治療=再発しやすい」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、それはもう“過去の話”です。
現在の根管治療は、精密機器の導入と技術の進化によって、成功率が格段に高まっています。
1. マイクロスコープで“見える治療”へ
従来は手探りで行っていた根管治療。
いまはマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用し、
最大20倍の拡大視野で細部を確認しながら治療します。
見えない部分を「見える化」することで、取り残しや再感染を防ぎます。
2. ニッケルチタンファイルによる高精度な操作
細く複雑に曲がった根の中を清掃するため、
しなやかで折れにくいニッケルチタン製の器具を使用。
より安全で確実に、感染源を取り除くことができます。
3. 専用の消毒・封鎖システム
薬液やシーラー(封鎖材)の進化により、
細菌が再び入る隙を徹底的に防ぐことが可能に。
「密閉された根管」は、再発を防ぐ最も大切なポイントです。
■ 抜歯を避ける“価値”
天然の歯は、一度抜いてしまうと二度と戻りません。
インプラントやブリッジで機能を補うことはできますが、
自分の歯が持つ感覚・噛み心地・骨を守る力は、人工物では完全には再現できません。
だからこそ、私たちは「歯を残す努力」を大切にしています。
1本の歯を救うことは、咀嚼だけでなく、表情や発音、ひいては“その人らしさ”を守ることでもあります。
■ THE DENTALの根管治療 ― 精密さとやさしさを両立
THE DENTALでは、
「できるだけ抜かない」
「できるだけ痛みの少ない」
「できるだけ長く持たせる」
この3つを根幹に置いています。
精密検査、治療はもちろん、
痛みを最小限に抑える麻酔技術や、リラックスできる空間づくりも徹底。
“怖い治療”ではなく、**“安心して受けられる治療”**を目指しています。
また、治療後には画像を一緒に見ながら説明し、
「どこをどう治したのか」「今後のメンテナンス方法」も丁寧に共有します。
見えない部分の治療だからこそ、「見える安心」を大切にしています。
■ 根管治療の先にある“再生のストーリー”
根管治療は、終わりではなく、再スタートです。
歯を残すことができたその瞬間から、
新しい口腔の健康を築くステージが始まります。
定期的な検診とメンテナンスを続けることで、
「もう抜くしかない」と言われた歯が、
10年、20年と活躍し続けることも珍しくありません。
歯を救うことは、未来を救うこと。
そのための技術が、いま確実に進化しているのです。
■ まとめ ― 抜かずに守るという選択
“歯を抜かない”という選択は、決して奇跡ではありません。
それは、科学と経験、そして丁寧な意志によって可能になるものです。
根管治療の進化は、
「もう無理かもしれない」と思った歯に、
新しい希望を与えてくれます。
もし今、抜歯を勧められて不安を感じているなら、
一度、別の視点からその歯を見つめ直してみてください。
私たちは、あなたの歯をあきらめない歯科医院でありたい。
1本の歯に込められた“あなたの人生の一部”を、
これからも丁寧に、誠実に守っていきます。











