神経を残す治療
神経を残せるチャンスはまだあります。
神経まで達するほど大きな虫歯。
基本的な治療方法は神経を取る治療となります。
しかし、神経に炎症がない場合こそMTAセメントの出番。
神経が見えているところ、もしくは神経に近いところにMTAセメントを留置することで、デンティンブリッジと呼ばれる硬い歯の防御層を形成します。
防御層が形成されればもう安心。
その上から詰め物や被せ物を行うことが可能となります。
ほかのセメントとはまったく違います。
神経の保存成功率80%以上。
従来使用していた水酸化カルシウム製剤やグラスアイオノマーセメント、ドックスベストセメントなどはどれも50%以下。
その差は歴然です。
MTAセメントは他のセメントと違い、泥水のように流れる流動性があります。
これにより全体的に均一に神経を保護することが可能に。効果を最大限発揮できます。
従来のハンドミックスタイプのセメントではなく、完全オートミックスのENDOCEM MTA premixedを採用。
完璧な粉液比のため、最も効果の高い状態で歯に直接お届けします。
定着には10MPa以上の硬さを誇るバイナーLCを使用。
MTAセメントの上からは固い材料で覆うことで確実な定着を行います。
せっかく入れたMTAセメントが流れ出ることはありません。
こんなに多くの成分があなたの神経を保護します。
酸化カルシウム(CaO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ビスマス(Bi2O3)など。
ビチャビチャでも、カッチカチ。
口腔内は唾液や血液、呼気による水蒸気により湿度が非常に高い場所。
ほとんどの歯科用材料は水分があると固まりにくくなり、性質が著しく落ちると同時に、接着力もほとんどなくなります。
MTAセメントはこのデメリットを大幅に改善。
水分と反応することで完全硬化する新たな性質を実現し、革新的な材料へと進化しました。
また硬化時に1.0%膨張することで、より隙間なく緊密になり、より優れた封鎖性を確保しました。
ずっと、もっと、持続。
pH12.5以上の強アルカリ性の性質が長期間持続します。
これによりナノレベルで細菌を殺菌。
歯の神経に害をなす細菌を絶滅させます。
MTAセメントは他のセメントよりはるかに高い殺菌力と持続力を保証。
あなたの歯の神経をずっと守り続けます。
歯のクリエイターにもなります。
歯は生え終わったらもう作られない。そう思っていませんか?
でもそれは半分正解で、半分間違い。
大人になってから歯自体が1から作られることはありません。
しかし、外の刺激から守るために、歯の内側に修復象牙質と呼ばれる歯の組成を作ることを日々しています。
MTAセメントはその修復象牙質の生成を促進。
内側から歯の造成をお手伝いし、外の刺激から神経を守ります。
未だかつて無い性質をあなたの歯にお届け。
強くて、優しい。そんな理想系。
こんなにすごい性質ばかりなのに、からだには優しい材料。
生体親和性が高く、身体に害がありません。
それはMTAセメントの上で細胞を培養出来る程。
また、MTAセメントの上からは封鎖性の高い安全な詰め物をするため、口の中に溶け出すなんてこともありません。
治療の流れ
虫歯治療の一環として行います。
虫歯の大きさが大きい場合、神経を保護するMTAセメントを入れ、経過観察を行います。
仮の蓋を入れ、定期的なレントゲン撮影、歯髄電気診断を行います。
通院について
1本の治療につき、1ヶ月から6ヶ月程度の経過観察が必要です。
治療の費用
- MTAセメント
- 8,800円(税込)
- レントゲン撮影
歯髄電気診断
- 3,300円(税込)
治療についての注意点
詰め物の厚みによっては製作ができない場合があります。
虫歯の大きさによっては治療後に神経を取る抜髄処置が必要になる場合があります。
MTAセメントの灰色が歯の表面に現れることがあります。