自家歯牙移植
欲しかったのはこんな治療。
全ての歯の中で最も寿命が短い歯、第一大臼歯。
奥から数えて2本目の奥歯となりますが、寿命が短い理由は初めて生えてくる大人の歯だから。
そんな奥歯が1本でもなくなると、咀嚼効率は20%も低下します。
その結果、残っている他の歯の負担が増え、他の歯の寿命も一緒に短くなってしまいます。
虫歯から始まり、根の治療に変わり、最後の最後まで治療を繰り返し、治療の手がないと抜歯になる。
そんな寿命が尽きた歯に、あまっている親知らずなど、不要な歯を該当部位に移植。
もちろん、根のサイズが合えばどんな場所にも移植が可能です。
今まで不要と言われていた親知らずや、矯正の際に抜いていく小臼歯を有効活用できる魔法のような処置が可能になりました。
1回の治療でたくさんの歯を救います。
移植は1本の歯を救うだけではありません。
奥歯を1本失うと、隣の健康な歯を削るブリッジなどの補綴処置が必要になります。
すでに失う歯を含めると3本削ることになってしまいます。
また、仮に補綴処置を行わなかった場合は、反対の歯が伸びてきてしまったり、長年放置すると取り返しのつかない状況になることもあります。
しかし自家歯牙移植の場合は両隣の歯はまったく削らず、反対の歯との噛み合わせも回復できます。
これほどまでに1回の治療で助かる歯が多い治療は他にないのです。
また、歯根膜という咬む力をコントロールするセンサーもそっくりそのまま定着するため、インプラントとは違い、食感などもしっかりと脳に伝達されます。
小さなことですが認知症などの予防にも役立ちます。
治療の流れ
CTを撮影し、治療計画立案。
長さ等確認し、移植できるか判断します。
駄目になった歯を抜歯します。
抜歯した穴を綺麗になるまで洗浄し、移植できるように顎骨の穴を整えます。
移植元の歯を抜歯し、そのまま移植先へ埋入。
ポジションを決めて隣の歯と接着剤で固定し縫合。
後日、移植した歯は根の治療を始めます。
根の治療が終われば土台と被せ物を入れて治療は終了となります。
通院について
術後消毒や抜糸を行い、定期的なレントゲン撮影などを行います。
定着後は根管治療が必要となります。
別途土台と被せ物が必要となります。
治療の費用
- 前歯小臼歯を含む軽度な症例
- 110,000円(税込)
- 普通抜歯を含む中程度の症例
- 165,000円(税込)
- 切開剥離を含む難しい症例
- 220,000円(税込)
治療についての注意点
原則、同種の歯牙同士が適応となります。
CT上での骨の状況次第でできないことがあります。
移植後、移植先が受け入れず脱落することがあります。
移植後3年間は保証させていただきます。
万が一脱落した場合はインプラントやブリッジなどへの費用補填を行います。
移植後の土台と被せ物は原則自費診療となります。