JOURNAL
フッ化物バーニッシュとは?
お久しぶりの投稿です、歯科衛生士の小川です。
以前にフッ素塗布について記事にしたことがありました。
フッ素とは歯に塗ることで歯質を強くするとともに、歯の再石灰化を促し、虫歯予防にとても効果のあるものです。
フッ素に含まれるフッ化ナトリウムという成分が歯の表面に取り込まれ、虫歯細菌の放出する酸に対して溶けにくくなる効果があります。
主に小児歯科治療で多く使われているフッ素ですが、その中にも種類が分けられています。
今回はその違いについて、書いていきたいと思います。
タイトルにもある”フッ化物バーニッシュ”というものがあります。
こちらは歯科治療で使用しているフッ素の中で、最もフッ素濃度の高いものになります。
保険適応により行っているフッ素塗布には、フッ素濃度 ”9000pm” のものを使っています。
自費適応となるフッ化バーニッシュは “22600ppm” と高濃度になリます。
ご家庭で使っていただけるフッ素配合の歯磨きジェルと比べると、この濃度は20倍以上のものになります。
そのため虫歯予防効果も最も高いのです。
フッ素の急性中毒などを心配される親御さんもいらっしゃいますが、薬事法で定められた物なので安全に全く問題なく使用できます。
欧米などの国では家庭で使用できる歯磨き粉に5000ppmものフッ素が含まれています。
そのような国々では日本よりも格段に高い虫歯予防効果を上げています。
日本では高濃度フッ素の家庭使用は未だに認められていないので、歯科医院でのフッ素塗布が必要になってきます。
乳歯が虫歯になりやすいというお話も以前記事に書きましたが、小児の乳歯から永久歯へ生え変わっていく過程はとても大切な時期です。
乳歯の虫歯はその後の永久歯が健康に生えてくるかどうかにも関係してしまいます。
また生え途中の永久歯も慎重にならなければ、その後の人生にも関わってきます。
当院にお子様もたくさんいらっしゃっていて、親御さんたちには丁寧に説明をさせていただいています。
また大人の方に対しても、知覚過敏の治療薬として日本では使用しています。
それくらい再石灰化を促進させる効果の高い濃度ということなのです。
ご家庭でのお子様本人や親御さんの毎日のセルフケアは、もちろんとても大事で主な予防方法になります。
ですがお子様が仕上げ磨きをやらせてくれなかったり、お子様本人が1人で歯磨きがきちんとできているか100%を管理することはできません。
その見落としがちな毎日の積み重ねで、気付かない虫歯が進行していきます。
親御さんが管理しきれない部分を、歯科医院への通院で解決していく必要があるのです。
小児のフッ素塗布は3ヶ月に1回のペースをオススメしています。
定期的なチェックとフッ素塗布で、成長していくお子様の健康な歯へのお手伝いをします!
歯科衛生士の小川でした。