2022.02.05 医院コラム

妊娠中は歯医者に行けるのか

みなさまこんにちは 受付の松本です。

 

前回、妊娠中の口腔ケアについてお話しました。
妊娠中の歯科治療は、妊娠週数や時期により使用できる薬剤が変わります。
また、歯科医院に来るベストなタイミングがあります。
今回は妊娠周期別にご説明していきます。

 

●妊娠初期
つわりなどの影響で上向きで寝ることが辛かったり、長時間同じ体制でいると辛い時期になります。
無理に歯科医院に来る必要はありませんが、痛みなどの急性症状がある場合は放置せずに歯医者に行きましょう。
痛みへの応急処置を行い、治療は妊娠中期以降に行います。
応急処置を行うにしても、使用できる薬剤に制限がありますので、妊娠中でも使用可能な薬で処置を行います。

その際、歯科医院に必ず
・妊娠中であることと
・妊娠週数
を伝えてください。
妊娠初期はお腹の膨らみも少なく、外見から妊娠中かどうかを推し量ることは難しいです。
初期の段階では家族以外にまだ誰にも言いたくないというお気持ちもあるかもしれませんが、妊娠がわかってから医療機関を受診する際は、歯医者に限らず必ずお伝えください。
妊娠初期の胎児は特に脳・心臓などの大切な器官が形成されている時期でもあります。
余談ですが、胎児の歯も妊娠初期から形成され始めます。
生えてくるのは生まれてからですが、妊娠7週目ごろから乳歯の芽が歯茎の下に形成されてくる時期です。

 

●妊娠中期
つわりが落ち着き、安定期に入る時期です。
長いつわりが終わり、食欲も戻ってきた頃と思います。
妊婦さん自身の体調の良い時に「歯科検診」を受けましょう。
ご自身の口腔内の状況を確認し、歯周病・虫歯予防のための正しい知識を専門スタッフから指導してもらうことが望ましいです。
妊娠中はホルモンバランスにより、口腔トラブルになりやすい時期なので、歯磨きをしっかり行うことが必要になります。
また、治療が必要な歯がありましたら、主治医と相談の上、治療時期を決めることも必要です。
また、使用できる薬剤についてもこの時期に説明を受け、治療時期を決めることも大事となります。

多くの自治体が妊婦のための歯科検診の助成を行っています。
母子手帳と共に助成の用紙をもらうので、詳しくはご自身のお住まいの地域に確認することをオススメいたします。

 

●妊娠後期
妊娠後期になると、心も身体も安定してくるころと思います。
しかし、歯科治療が可能かは妊婦さんご自身の体調によります。
虫歯治療といえども、15分で終わるものから3~4回に分けて行うもの、治療時間が1時間以上必要なものなど、虫歯の程度によって治療時間に差があります。
妊娠後期は長時間上向きの姿勢でいると、背中の静脈を圧迫し、血圧を低下させてしまう恐れもあります。
上向きの姿勢でいること自体が苦しく辛いという妊婦さんもいらっしゃいます。
ですので、後期に治療可能な歯なのか・出産後に治療すべきなのかは、診断した医師との相談になります。

 

 

初期・中期・後期では歯科医院でできる治療や薬剤が変わります。
どの期間でも共通して言えることは

「「歯磨きが大事」」

ということです。
妊娠中は口腔トラブルに見舞われやすいので、普段以上に注意しながら歯磨きをする必要があります。

また妊娠中期になり、体調が落ち着いたら歯科検診を受けることが大切です。

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