2022.03.10 医院コラム

歯の役割知ってますか?

こんにちは、受付の雛田です。
当たり前のようにある「歯」には、たくさんの大事な役割を持っています。「歯を失って、初めてその大切さに気づいた…」ということにならないよう、歯の大切さや失うリスクなどについて今回お話しさせていただきます。
歯が持つ役割とは?
歯には食べ物を咬むこと以外にも、たくさんの役割があります。
1つ目に食べ物を咀嚼することです。
食べ物をしっかり咬みくだき、栄養の吸収を助けるとともに胃腸への負担をやわらげます。食べ物をよく噛むと、次のような効果があると言われています。
1. 脳に入る血液の量が増加して、脳の発達がよくなる。
2. 顎がよく発達し、歯並びが悪くならない。
3.人間が自分で持っている消化酵素では消化できない食べ物が、噛みつぶされて消化・吸収され、栄養になりやすくなる。
4.噛むことで食べ物の繊維がたくさん出てきて、体に悪い物質を捕まえてくれる。
5.噛む力で顔の筋肉や上の顎が発達して、視力が悪くならない。
どのような食べ物をどのくらい噛めばよいかの目安は、噛んでいる食べ物が口の中でどろどろになったかどうかです。食べ物の種類によって違いますが、口に入れたものに固形の形がなくなるまで噛めばよいと思います。

しかし、あまり噛まなくても良い柔らかい食べ物、たとえばハンバーグ、フライドポテト、ソーセージなどは噛む回数が少なくても、すぐにどろどろになります。飲み込みのしやすさや消化についてのメリットは同じですが、噛むことによる他の効果は出てきません。脳への刺激や、あごの発達には、たくさん噛むことが必要なのです。
2つ目に正しく発音することです。
唇や舌と同様、歯も正しい発音で話すためにとても重要な部分です。
歯が欠けていたり、歯並びが悪いときちんと発音できず、言葉のコミュニケーションに影響を及ぼしてしまいます。歯医者さんでの治療はもちろん、日頃の生活習慣にも十分気をつけていつまでも健康で美しい歯を維持しましょう。
3つ目は顎の発育です。
子供の頃の歯は、健全な上顎や下顎の発育を助けるという重要な役割があります。
日頃から甘いものを控えて歯の健康を保つのはもちろん、噛む回数を増やしてあげる工夫も大切です。野菜を大きめに切ったり、せんべいなど硬めのおかしを食べさせるようにすると、自然と噛む回数も増えるでしょう。噛む回数を増やすことで、あごの発育を助けるだけでなく、脳の発育にも良い影響を与えると言われています。
発育頭部では顎関節(がくかんせつ)と呼ばれる関節があります。
続いて歯を失ってしまうリスクについてお話しいたします。

「 栄養の吸収を妨げる 」
お口は、食道、胃、腸へと繋がる消化器官の入り口。歯はそこで「食べ物を咬みくだく」という重要な役割を担っています。しかし、歯を失うと食べ物がしっかり咀しゃくされなくなり、栄養の吸収を妨げるとともに、胃腸への負担を高めてしまいます。歯の本数が少なければ少ないほど、身体への負担は大きくなってしまうのです。

「 運動能力を低下させる 」
歯を失うと、正しい咬み合わせが望めなくなることがあります。しっかり咬みしめられなくなれば、スポーツにおいて瞬発力が発揮されないように、日常生活においても運動能力が低下し、年齢を重ねるごとに自由に歩くことも難しくなってしまうことがあります。年齢を重ねても自立した生活を続けていくためには、歯を1本でも多く残すことが重要なのです。

「 老化を早める 」
歯を失ってしまうと、それだけでも他人に老けた印象を与えてしまうもの。さらに、歯を失った口元にはシワができやすくなり、よりその印象を強めてしまいます。見た目が気になることで、外出したくなくなってしまう方も少なくありません。歯を失うと、こういったさまざまな要素が重なって老化を早めてしまうことになるといわれています。

「 認知症を進行させる 」
歯を失うと、従来咬むことによって脳に伝わっていた刺激がなくなったり、生きるうえで大きな楽しみである「食べる」ことがままならなくなって気力を失ったりすることで、認知症になりやすくなるといわれています。実際に、歯の本数が少ない方ほど認知症になる率が高いというデータもあります。お口の健康を維持することは、認知症予防にも大きな効果が期待できるといえるのです。

ある調査によると、80歳の日本人における歯の平均本数は、わずか8本。これは歯科先進国スウェーデンの25本、アメリカの15本と比較しても、かなり少ないことがわかります。では、なぜこのような大きな差が生まれてしまったのでしょうか

その理由は、「歯医者さん」の位置づけにあります。日本では従来、歯医者さんとは「虫歯や歯周病になってから治療に行く場所」とされてきました。一方、ほかの歯科先進国での位置づけは「虫歯や歯周病にならないように、予防に行く場所」。ふだんから予防のために通院しているため、多くの方が年齢を重ねても自分の歯を残すことができているのです。

日本でも近年ようやく、この「予防」の意識が広まってきています。生涯自分の歯で楽しく過ごしていくためには、古い常識にとらわれるのをやめて「予防」に努めることが大切です。「もう遅い」ということはありません。あなたも今から、「予防」のための通院を始めましょう。

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