2022.04.16 診療コラム

虫歯は予防できます

みなさんこんにちは。歯科衛生士の松本です。

フッ化バーニッシュについてご存知ですか??

フッ化バーニッシュフッ化ナトリウム5%を含むフッ素バーニッシュです。
特殊なレジンキャリアーを使用し、フッ化物を歯面に停滞させ知覚過敏を抑制します。
幅広い使用症例に適応可能であり、塗布後の表面も滑らかに保つことができます。
ウルトラデント独自のウォルターベリーフレーバーは多くの世代に人気のフレーバーです。

塗布後の注意事項

1ー2時間は歯磨きや、フロスを使用することは避けてください。
塗布後、1−2時間は熱いもの、硬いもの、粘性のあるもの(飲料含む)を摂取しないようにしてください。
塗布後1−2時間はアルコールの摂取は控えてください。(アルコールを含む飲料や、マウスウォッシュ等)
塗布後4日間は、局所フッ素治療(エナメラスト含む)を行わないでください。エナメラストは1~6か月に1度塗布をすることをおすすめしています。
定期的な歯科医院での検診を受け、歯のメンテナンスを行いましょう。
適応症例露出した根面スケーリング後 、SRP後に起こりうる知覚過敏ホワイトニング前後矯正中その他本剤のような低濃度のフッ化物イオンは、歯のエナメル質の構成成分であるハイドロキシアパタイトに作用してフルオロアパタイトを形成し、酸に対する溶解度を低下させることに加えて、歯の表面や結晶周囲に吸着して被覆し、酸が歯質を侵襲するのを防いだり(脱灰抑制)、脱灰で歯質から失われたカルシウムイオンやリン酸イオンの回復を促進する研究概要12~15ヵ月の幼児6名に対するN含有バーニッシュ塗布前後の尿中のフッ化物濃度の変化を測定し、血漿中のフッ化物濃度を算出しています。その結果、バーニッシュ塗布後に推定血漿中フッ化物濃度は上昇するものの、急速に排泄され、3~4時間以内でコントロールレベルに戻りました。さらに、バーニッシュにより摂取されたフッ化物濃度は、1日のフッ化物摂取安全域内に十分収まることが確認されました。上記の結果より、5%NF含有バーニッシュは安全にう蝕予防に活用できますが、消化管へのフッ化物取込みを少しでも減らすため、必要最小量のバーニッシュを塗布することが大切です。クリンプロM ホワイトバーニッシは、薄く塗布きるため、この点でも使い勝手が良い製品であるといえるでしょう。NaF含有バーニッシュ使用のポイント乳幼児にも安心して使用が可能体へのフッ素取込み量を減らすために薄く塗布すること象牙質わう蝕は、いまだ謎が多く様々な研究が行われています。象牙質はエナメル質とは異なり、有機質であるコラーゲンを約20%程度含んでいます。すわち象牙質う蝕の進行には「脱灰による無機質の溶解」と「有機質の損失」を伴います。また部位で異なる象牙質の「質」(歯冠部、歯頸部、根部)、加齢や糖化による象牙細管の変化なども象牙質う蝕を考える上で重要な因子です。Invitroでは、ミネラルを取り込み成長させるスキャフォールとてのコン割重要と考えらお細外象牙質の機能と物性を回復するための鍵であることが報告されています※1。現在、象牙質う蝕予防に対するスタンダードな見解はありませんが、前述の有機質(象牙質コラーゲン)の劣化とその予防に関連したフッ素の可能性についてご紹介します。象牙質コラーゲンを分解する酵素としてMMPs(マトリックスメタロプロテアーゼ:タンパク分解酵素)がよく知られていますが、MMPsに対するインヒビター(阻害因子)としてフッ素イオンが機能するという報告があります。M.T.Katoらによると、高濃度フッ化物がMMP-2、MMP-9を阻害(フッ素濃度5,000ppmで不可逆的、250-1,500ppmで可逆的に阻害)することが報告されています。本研究はinvitroにおける検証ではありますが、高濃度フッ素がMMPsの活性を阻害する可能性について報告された初めての論文です※1。臨床は実験環境と大きく異なるためMMPsを阻害することが象牙質う蝕の発生・進行を予防する確証はありません。ただ、米国歯科学会が根面う蝕に対して5,000ppmフッ素ゲルの使用を推奨し、5%フッ素バーニッシュの使用は咬合面、隣接面、舌側面、根面う蝕の全てに対する非修復処置で推奨されています※12。このことからも、今まで用いることができなかった22,600ppmのフッ素を徐放するバーニッシュを活用できることは、臨床家にとって非常に価値あることですし、また同時に、象牙質う蝕に対するバーニッシュ塗布による臨床結果が基礎研究を押し上げる可能性も秘めているフッ素といえば、虫歯予防効果が期待できるものとして、歯科医院でのフッ素塗布や市販の歯磨き剤、洗口剤、フッ素ジェル・スプレーとさまざまな市販品も販売されており、ご存知の方も多いと思います。ただ、いつごろから始めるべきものなのか、どれくらいの頻度でおこなうと効果があるのかなど迷われるパパやママも多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、フッ素についてオススメの開始時期や成分や効果、安全性などをご紹介したいと思います。

フッ素の開始目安時期はあるの?

フッ素は虫歯予防効果があると言われている予防薬で、歯が生え始めたら塗布することができるようになります。1歳ごろ。 「歯磨きを嫌がって磨き残しが心配」「甘いオヤツを早い時期から食べている」といった心配ごとがあれば、虫歯予防のために始めてみてはいかがでしょうか?
そもそも、「フッ素」ってなに?虫歯予防法として使われているフッ素は『フッ素化合物』という成分です。カルシウムと結びついたフッ化カルシウムや、ナトリウムと結びついたフッ化ナトリウムを歯の表面に塗布することで、含まれているカルシウムやリンといったミネラル成分が、虫歯予防につながる効果を発揮するためのお手伝いをします。フッ素による3つの虫歯予防効果<歯の質を強化>歯の表面は「エナメル質」という硬い層で覆われていますが、食事から受ける酸や虫歯菌が産出するプラーク(歯垢)により溶けやすい組織です。フッ素の成分をエナメル質に塗布することで歯質の密度がアップし、酸に溶けにくい強い歯を作るお手伝いをします。<再石灰化で初期むし歯を修復>食事をするとお口の中は酸性になり、歯の表面組織からカルシウムやリンが溶出してエナメル質が一時的に粗造になります。この現象を脱灰(だっかい)といいます。 脱灰は食後に起こりますが、唾液の成分の働きや歯磨き・うがいなどの効果で脱灰し続けることなく修復される仕組みになっています。
しかしこの自然なサイクルが追い付かず、常に脱灰したままの状態を繰り返すことで元に戻らなくなった状態が「虫歯」です。 フッ素にはこの再石灰化を促進し、初期虫歯を修復する効果が期待できます。<虫歯の原因菌の活動を抑制>プラーク(歯垢)は歯みがきができずに付いたままになっていると、虫歯原因菌が増殖と酸の産出を継続し、虫歯をどんどん大きくしてしまいます。フッ素には虫歯の原因菌の活動を抑制する効果があるとされており、塗布していない歯よりも脱灰のリスクを抑えることができると考えられています。フッ素塗布の方法フッ素塗布は歯科医院でおこなうものや、ホームケアグッズを活用するなど、さまざまな方法があります。ただし、歯科医院で受けるフッ素と市販ものでは、フッ素の含有量や使用方法、塗布の頻度などに違いがありますので、お子さんのお口の状況や歯科への協力状況などを考慮して選んであげましょう。
<家庭用のフッ素>家庭用に市販されているフッ素は、厚生労働省により、含有フッ素濃度が1500ppmとなっています。お子さんの場合、2歳までは500ppm以下、6歳未満は1000ppm以下が望ましいとされています。もしもご家庭でお子さんが誤って多めに飲み込んでしまったとしても危険のないよう含有濃度が薄く、そのため毎日使用することで効果があるように作られています。歯磨き剤に含有されていたり、ジェルやスプレータイプで、歯磨き後にフッ素を再度歯面に塗布するものなどさまざまな商品があります。お子さまが無理なく、日常的な生活習慣の中でフッ素を取り入れることができるものを選ばれると継続しやすくなりますよ。

フッ素は「危険」というのは本当?!

フッ素はWHO(世界保健機構)で安全性が認められている成分です。さまざまな化合物の形で、フッ素はイワシやエビ、牛肉、じゃがいも、海藻類など、他にもさまざまな食べ物にも含まれていて、日常生活の中でも自然に摂取している成分で多くの食品や飲料にも含まれるミネラル成分ですから、身体に害を及ぼすような成分ではありません。では「フッ素中毒」ってなに?身体に害の無い食物やお薬でも、適正な量を越えれば身体に何らかの支障をきたす場合があります。フッ素も同じで、一度に過剰な量を摂取してしまうと、嘔吐や腹痛などを起こす可能性があるといわれたり、高濃度のフッ素を長期間継続していたことで斑状歯や骨硬化症を起こした例があり、これらが「身体に有害なのでは?」と誤った認識につながっている理由のひとつといえます。歯科で用いられるフッ素は安全です!フッ素で急性中毒を招く可能性として、体重1㎏あたり2㎎のフッ素量を目安に計算します。たとえば体重が10㎏の赤ちゃん(1歳児くらい)の場合で20㎎摂取すると中毒症状を起こすかもしれないという数値です。市販のフッ素配合の商品でフッ素含有量が高めな洗口剤で1本の中に1.6ml含有だったとします。この数値を見るとお解りのように、もしも新品を1本誤飲してしまったとしても中毒症状に至るまでには程遠い数字です。歯科医院で塗布する高濃度のフッ素は、3~4カ月おきに1度しか塗布しませんし、ホームケア用は一度に低濃度のものしか使用しませんので、フッ素中毒の心配はいりません。とはいえ、多量に飲み込んでよいものではありませんので、お子さんの手の届かない場所に保管するようにしましょう。フッ素塗布で虫歯予防!フッ素の虫歯予防効果は研究結果からも明らかなデータが報告されています。フッ素塗布をすることで、お子さんの虫歯になりやすい歯を守ることができるのです。虫歯になって歯を削ることになるほうが、お子さまへの身体的・精神的負担が大きいと考えます。 歯みがきを嫌がるお子さまや、甘いものが好きなお子さまは、ぜひフッ素の効果を活用して虫歯になりにくい丈夫な歯を育てて行きましょう!
まとめ
フッ化バーニッシュ適応の方
・露出した根面
・知覚過敏
・矯正中の方
・お子様
気になりましたら是非お声かけくださいね。

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