2022.04.17 診療コラム

広まれ!体に優しいボツリヌス治療

暑くなったかと思ったら寒くなったり、寒暖差の激しい日が続きますが皆さん体調は崩していませんか?
新しい環境にやっと慣れてきたかという時期ですが、不安やストレスを抱えることも多いかと思います。
体調が崩れてきたり精神的負荷がかかってきた時に、寝ている時の歯ぎしりや食いしばりが出やすくなります。

マウスピースってどうなの?

これまでの歯ぎしりの治療にはマウスピースが主流で使われてきました。
型を取り、寝る時に装着して使っていただくものです。
この方法で歯ぎしりによる歯や顎への負担は大きく防ぐことができます。
ですが、寝ている時にマウスピースを着けることに抵抗がある方も多くいらっしゃいます。
1度着けるのを忘れてしまってから使わなくなったり、寝ている間に無意識に外してしまう人も多くいらっしゃいます。

マウスピースを使わない方法がボツリヌス治療

ボツリヌス(ボトックス)注射での治療はマウスピースを必要としません。
歯ぎしりに関係している筋肉に注射をするものです。
ボツリヌス注射には筋肉の作用を抑制する効果があり、それを打つことで歯ぎしりの負荷を抑制することができます。
注射をしてから2日〜1週間で効果が出始め、3〜6ヶ月ほど持続します。
効果がなくなる前に再度注射をすることが理想ですが、数回で治療は不要になることもあります。
施術時間は5〜15分という短時間で行うことができます。

歯ぎしりを放っておく危険性

歯ぎしりによる影響はさまざまな形で現れます。
・修復物の破損、脱離
・自身の歯の破折、歯根破折
・顎の痛み、顎関節症
大きくこのような影響がありますが、他の疾患と弊害して影響が出ることも考えられます。
何度か詰め物や修復物をやり直したことがある方は要注意です。
また歯ぎしりによる負荷は健康な歯がすり減って知覚過敏を起こしたり、歯根を揺さぶり歯槽膿漏に繋がったりという危険もあります。

医療でのボツリヌス注射

ボツリヌス注射やボトックス注射は美容業界でよく聞く名前ですが、近年では医療の場でも多く取り入れられています。
歯科でも治療としてとても有用なものですが、まだまだ認知度は低いままです。
高価に感じる方もいるかと思いますが、修復物をやり直したり次々と起こる問題への治療費を考えれば高価ではないのではないでしょうか。
また自身の歯がなくなってしまうようなことに繋がることを考えたら、それを防げることの方が重要になってきます。
メリットの多いボツリヌス注射を、もっと多くの方に知っていただければいいなと考えています。
歯科衛生士 小川

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