JOURNAL
保険で白い詰め物が適応になりました
皆様こんにちは。歯科衛生士の八田です。
先月から、白い詰め物が保険適応になったのをご存知でしょうか?
審美性を考えると、白い歯にしたいですよね。また白い歯は金属アレルギー対策にもなります。
ところが今までは白い詰め物となると、保険では行うことができませんでした。お口を開けた時や笑った時に見えるメタルが気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
CADCAMインレー/CADCAMクラウン
保険で作ることができる白い詰め物は、CADCAM(キャドキャム)冠(クラウン)とCADCAMインレー(部分的な詰め物)です。CADCAMは、Cumputer aided design Computer aided manufactureの略です。
3Dカメラで治療箇所をスキャンしその情報を元にコンピューターが設計、その設計データを基に3次元切削加工機がブロックを削り、冠やインレーを製作します。
セラミック(陶磁器) とレジン(合成樹脂)を合わせた材料(ハイブリッド)で、保険で白い歯にできることは魅力的です。2年間の保証期間がありますが、その後万一破損した場合でも保険で製作すれば良いと考えられます。
ハイブリッドはレジンを含むため、セラミックより強度は劣り、破折を繰り返す場合はメタルやジルコニアなど強度のあるものに変更しないといけないこともあります。
CADCAMの適応部位
色のついている歯はCADCAM冠・インレーが保険適用です。
中切歯・側切歯・犬歯(図の赤い歯)、第一小臼歯・第二小臼歯(図の緑の歯)・第一大臼歯(図の青い歯)に作ることができます。第一大臼歯(図の青い歯)は第二大臼歯(図の赤丸)が上下4本揃ってないと保険適応になりません。
その他の白い詰め物・冠
【高強度フィラー含有レジン】
従来のコンポジットレジンにナノレベルのガラス繊維をたくさん詰め込むことで、従来の樹脂よりもはるかに強度があります。「CAD/CAM」との大きな違いは、技工士さんが模型上で手作業で作っているため、より精度の高い詰め物となります。ただし、レジンを含むため、セラミックより強度は劣り、割れやすくなります。噛み合わせが強かったり、歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合はより割れるリスクが高まります。
また、セラミックに比べるとマットな白さで、経年劣化により徐々に変色しやすくなります。
【ハイブリッドセラミックス】
裏がレジンで表がセラミックでできています。
90%セラミックを配合していて、強度・審美性は極限までセラミックに近い材料となります。
CACCAM、高強度レジンよりも耐久性を良くしたい方や、オールセラミックよりリーズナブルな治療がしたい方におすすめです。
【次世代e.maxセラミックス】
天然歯に最も近い性質と、自然で圧倒的な透明感があります。
分子レベルで化学的に結合することで隙間ができることがありません。そのため、外れるリスクや隙間から虫歯になるリスクを大幅に低減します。ちなみに、研究により10年生存率は96.2%とも証明されています。
欠点としては、陶磁器と同じように一部欠けることがあります。その際には再製作するか、ジルコニアなど強度の高いものへ変更することをおすすめします。
【ジルコニアダイヤセラミックス】
人工ダイヤモンドともいわれるように審美性だけでなく、強度やお口の中での安定性も優れています。
ジルコニアの大きな特徴で、力が加わりジルコニアに亀裂が走りそうになっても、ジルコニア自体が変化することで亀裂の伝搬が回避されるという機構があります。そのため、咬合力の強い場所には最適な材料となります。
e.maxに比べると、マットな白さになります。
天然歯を白くしたい場合は
天然歯を白くする方法はホワイトニングがあります。
白さが持続しやすいホームホワイトニングと短時間で負担が少ないオフィスホワイトニングがあります。オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用するデュアルホワイトニングを行うとより効果が得られます。
虫歯や歯周病がある場合は、そちらの治療が優先となります。ホワイトニング剤にアレルギーがある方や無カタラーゼ症の方、18歳未満の方、妊婦・授乳中の方は実施できません。
術後知覚過敏が生じることや後戻りをすることがあります。
つめものやかぶせものにホワイトニングを行っても、色調は変化しません。そのため、色をきれいに合わせるために、それらを作り直すこともあります。
少しでもご興味がございましたら、いつでもご相談ください。