2022.05.28 診療コラム

ジルコニア

歯科衛生士の松本です。

ジルコニアとセラミックって違うの?

ジルコニアという単語は聞いたことがない方も、「セラミック」という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

そもそもセラミックとは、食器などでよく使われる陶器のことで、歯科治療におけるセラミックも同じ陶器で作られています。しかし、従来のセラミック歯には大きな欠点が1つありました。それは、金属に比べて脆く割れやすいことです。特に奥歯の治療や歯ぎしり癖のある患者様にはセラミック治療お勧めできませんでした。ジルコニアはセラミックの一種であり”ジルコニアセラミック”とも呼ばれていますが、従来のセラミックと大きく異なるのが耐久性です。ジルコニアは、ダイヤモンドのような輝きだけでなく、金属に匹敵するほどの強度を誇ります。そのため、ジルコニアは「適応できる歯が多い」ことが従来のセラミックとの大きな違いです。

ジルコニアのメリット!①虫歯の再発防止詰め物・被せ物の治療で注意したいのが二次う蝕(虫歯の再発)です。虫歯菌は食べかすなどの汚れを吸収して酸を出します。金属は酸に弱いため、元の歯との間に隙間ができやすく、そこから虫歯が再発する可能性が高いです。ジルコニアは酸に強く経年劣化しにくいことに加えて、元の歯に密着し続けることができるため、虫歯になりにくいメリットがあります。

②審美性に優れているジルコニアは他の素材よりも透明感があり、患者様一人ひとりの歯に合った色調を再現しやすい特徴があります。金属のように歯茎の変色を引き起こすこともありません。見た目も自然で汚れが着きにくく、衛生面でも安心して利用できる素材です。

③身体に優しいメタルフリージルコニアだけでなく、セラミック治療全般に言えることですが、ジルコニアセラミックは生体親和性がとても高いです。銀歯は数年で口の中で溶け出し、虫歯の再発・歯茎の黒ずみ・金属アレルギー・歯周病を誘発します。(そもそも日本の銀歯に含まれる水銀アマルガムや金銀パラジウム合金はその危険性により、歯科先進国であるスウェーデンやドイツでは歯科治療への使用が一部禁止されています。)ジルコニアは金属を使わない「メタルフリー素材」ですので、妊婦さんやお子様、金属アレルギーの方でも安心してご利用いただける素材となっています。

④強度・耐久性が高いジルコニアは、金属と比べられるほど高い強度があるため、前歯だけでなく奥歯にも適応できます。また、金属よりも劣化しにくく、オールセラミックよりも割れにくいため、寿命が長いと言えるでしょう。ジルコニアにはメーカー保証が付いているということが何よりもの証拠です。

⑤幅広い歯科治療に使用可能ジルコニアで可能な歯科治療は多岐に渡ります。虫歯治療に伴う詰め物・被せ物・義歯・入れ歯・インプラント・ブリッジなどの歯科治療でにも使用可能です。ジルコニアを適応できる歯として、前歯はもちろん、従来のセラミックでは難しかった奥歯にも適応できます。ジルコニアのデメリットは?セラミックと金属の良いとこどりをしたようなジルコニアですが、デメリットはあるのでしょうか?

デメリットの一つとして、治療の金額があげられます。ジルコニアは保険適用外の治療となりますので、銀歯などの保険適用できる治療よりも高額になってしまいます。また「ジルコニアは歯を削る量が多少多くなってしまう」とも言われていますが、歯を削る量は歯科医や歯の状態によって異なりますので一概には言えません。

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