2023.10.25 診療コラム

歯医者でカチカチ噛むあの紙は何?

皆様こんにちは。
本日は歯科医院で行う噛み合わせの調整についてご説明いたします。

咬合紙とは?

咬合紙は、歯科診療において重要な役割を果たす道具です。皆様も歯科医院で「カチカチ噛んでください」と言われた経験はございませんか?
その主な役割は、患者さんの咬み合わせの状態を詳しく調べることで、歯や顎のバランスが適切か確認し、必要に応じて治療を行うことができます。

具体的な使用方法は、歯科医師が咬合紙を患者さんの歯に挟み、患者さんに噛むように指示します。咬合紙には適切な厚みがあり、歯が接触した箇所が色つきで分かるようになっています。歯科医師は、色の濃さや分布を確認することで、患者さんの咬み合わせの問題点を特定し、治療の方向性を決定します。

赤色と青色の違いとそれぞれの特徴

咬合紙には赤色と青色の2種類があります。色の使い分けは歯科医院によって自由ですが、カチカチと噛んだ状態、ギリギリと歯ぎしりした状態を見分けるために使い分けをする場合があります。

咬合紙を使った調整方法

咬合紙を使用することで、歯と歯の接触状態を確認し、調整が必要な箇所を特定します。
まず、患者さんが咬合紙を噛むことで歯の接触状態を確認します。咬み合わせの違和感や不具合を見つけ出します。次に、調整が必要な箇所の歯を削り、咬み合わせのバランスを整えます。この工程を繰り返しながら、適切な咬合になるまで調整を行います。調整後に再び咬合紙を噛むことで、正しい位置で歯が接触しているか確認を行います。

歯科治療における咬合紙の重要性

歯科治療において咬合紙の使用は非常に重要です。咬合紙を使用すれば、歯の咬み合わせの問題を直接確認できます。これにより、適切な治療法を迅速に決定でき、効果的な治療が可能となります。また、無理な咬合は顎関節や歯に過大な負荷をかけ、顎関節症や歯の破折、歯周病を引き起こす原因となります。咬合紙による診断・調整は、これらの問題を未然に防ぐ役割があります。さらに、患者の口腔内の状態に応じた個別のアプローチが可能であり、効果的で安全な治療が行える点も重要な意義を持ちます。

咬合紙で確認する様々な症状と原因

咬合紙を用いて確認できる症状は様々です。例えば、顎関節症や頭痛の原因となる咬合の不調、治療後の歯の詰め物や入れ歯の適合性、矯正治療中の歯の動きや位置の確認などがあります。

また、咬合紙で確認できる原因も多岐にわたります。虫歯による歯の形状変化、歯周病による歯の支持構造の破壊や歯の移動、歯の破折や歯の欠損、矯正治療の進行状況などが挙げられます。これらの問題を早期に発見し、適切な治療を行うことで、歯や顎関節への負担を軽減し、口腔内の健康状態を維持することができます。咬合紙は、歯科治療において重要な診断ツールであり、患者の口腔内状態を的確に把握することができるため、広く使用されています。

まとめ

噛み合わせは、咀嚼・発音・顔貌、そして全身の健康に関わってきます。
正しい噛み合わせで健康な口腔・身体を手に入れましょう。
皆様も噛み合わせでお困りのことがあれば、いつでもご相談ください。

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