2026.06.02 診療コラム

「診療報酬改定」って何?

皆さまこんにちは歯科助手の伊東です。
6月に入り、蒸し暑さを感じる日も増えてきましたね。

この時期、歯科業界では毎回少し話題になる言葉があります。
それが「診療報酬改定」です。

ニュースなどで聞いたことはあっても、

「結局なにが変わるの?」
「患者側に関係あるの?」
「治療費が上がるってこと?」

そう感じる方も多いかもしれません。

今回は、“診療報酬改定”について、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。

そもそも「診療報酬改定」とは?

診療報酬とは、保険診療での“治療費のルール”のことです。

例えば、

・虫歯治療
・レントゲン撮影
・クリーニング
・歯周病治療
・被せ物の調整

など、それぞれに細かく点数が決められています。

そして国は、医療の方向性や社会状況に合わせて、そのルールを定期的に見直しています。
これが「診療報酬改定」です。

2026年度の改定では、

・予防歯科の重視
・医科歯科連携
・高齢化への対応
・医療DX(デジタル化)
・在宅歯科医療

などが、大きなテーマになっています。

「治療」より「予防」が重視される時代へ

今回の改定で特に感じるのは、“悪くなってから治す”より、“悪くならないよう管理する”方向へ、さらに進んでいることです。

実際、国としても、

「虫歯や歯周病を重症化させない」
「将来的な医療費を減らす」
「健康寿命を伸ばす」

という考え方を強く打ち出しています。

そのため、

・定期管理
・歯周病の継続的ケア
・口腔機能管理
・クリーニング
・生活習慣病との連携

など、“継続してお口を守る”診療の重要性がさらに高まっています。

実際に最近では、
「痛くないけどクリーニングに来ました」
「定期的に診てもらいたいです」

という患者さまも本当に増えています。

歯科医院の役割自体が、“治療だけをする場所”から少しずつ変わってきているのかもしれません。

糖尿病と歯周病の関係も、より重要に

今回の改定では、「医科歯科連携」も大きなポイントになっています。

特に注目されているのが、“糖尿病と歯周病”の関係です。

実は、歯周病はお口の問題だけではありません。

歯周病による炎症は、糖尿病にも影響すると言われており、逆に糖尿病があると歯周病も悪化しやすくなります。

つまり、“歯だけを診る時代”ではなくなってきているということです。

最近では、

・糖尿病
・高血圧
・心疾患
・誤嚥性肺炎
・認知症

など、全身の健康とお口の関係についても広く知られるようになってきました。

「口の中の健康」が、全身の健康維持にも関係している。
その考え方が、医療全体でさらに重要視されるようになっています。

「お会計が少し変わる」こともあります

診療報酬改定があると、患者さま側で一番わかりやすい変化は、お会計かもしれません。

初診料や再診料、一部の管理料などが見直されることで、窓口負担が少し変わる場合があります。

とはいえ、多くの場合は数十円〜数百円程度の変化であることがほとんどです。

ですが背景には、

・物価上昇
・材料費高騰
・人件費上昇
・医療安全対策
・デジタル化対応

など、歯科医院側の運営環境の変化もあります。

最近は、歯科材料や機器の価格もかなり上がっています。

例えば、

・グローブ
・マスク
・滅菌関連用品
・レジンやセメント
・金属材料
・デジタル機器

など、多くの材料が以前より高騰しています。

それでも、安全性や診療の質を落とさずに維持していくために、多くの歯科医院が日々工夫しながら診療を続けています。

“見えない部分”にも、実は多くのコストがかかっています

患者さまから見えるのは、「治療している時間」が中心かもしれません。

ですが歯科医院では、その裏側にも多くの準備があります。

例えば、

・器具の洗浄・滅菌
・院内感染対策
・スタッフ教育
・医療安全管理
・データ管理
・予約管理

など、安心して通っていただくための環境整備には、多くの時間とコストがかかっています。

特に最近では、滅菌や衛生管理への意識も以前よりかなり高くなっています。

患者さまごとに器具を交換し、適切に洗浄・滅菌を行う。
一見当たり前に見えることですが、その積み重ねが医療の安全性につながっています。

実際、歯科医院選びでも、

「ちゃんと衛生管理されているか」
「安心して通える環境か」

を重視される方は増えています。

医療DXってなに?

最近、「医療DX」という言葉もよく耳にするようになりました。

DXというのは、“デジタル技術を活用して医療をより良くする”という考え方です。

例えば、

・マイナ保険証
・電子カルテ
・オンライン資格確認
・デジタルレントゲン
・口腔内スキャナー

なども、その一部です。

歯科医院でも、以前よりデジタル化がかなり進んでいます。

型取りをスキャンで行ったり、説明をモニターで見ながら行ったり、昔より“わかりやすく・負担を少なく”する技術も増えてきました。

一方で、こうした設備導入にはかなり大きな費用もかかります。

ですが、患者さまにとって、

・待ち時間の短縮
・説明のわかりやすさ
・治療精度の向上
・不快感の軽減

につながる部分も多く、今後さらに広がっていく分野だと思います。

保険診療と自由診療の違いについて

診療報酬改定の話になると、「保険診療」と「自由診療」の違いについて質問を受けることもあります。

保険診療は、国が定めたルールの中で行う治療です。

一方で自由診療は、

・使用できる材料
・治療方法
・時間のかけ方
・審美性
・快適性

などに、より幅広い選択肢があります。

どちらが良い悪いではなく、患者さまの希望や状態によって選択肢が変わる、というイメージに近いかもしれません。

最近では、「ただ治せればいい」だけではなく、

・見た目も綺麗にしたい
・長持ちさせたい
・違和感を少なくしたい
・再治療を減らしたい

と考えられる方も増えてきています。

「ただ治す」から、「長く守る」時代へ

今回の診療報酬改定を見ていると、国が歯科医療に求めているものが少し見えてきます。

それは、

“削って治す”だけではなく、
“長く健康を維持すること”。

虫歯を1本治すことももちろん大切です。
ですが、それ以上に、

・これ以上悪くしない
・歯を失わない
・噛める状態を維持する
・健康寿命を伸ばす

そうした“未来を守る医療”が、今後さらに重要になっていくのだと思います。

歯科医院は、「悪くなってから行く場所」だけではない

以前は、

「歯が痛くなったら歯医者へ」

という考え方が一般的でした。

ですが今は、

・クリーニング
・メンテナンス
・口臭予防
・ホワイトニング
・歯周病管理

など、“健康や清潔感を維持するため”に通われる方も増えています。

THE DENTAL公式サイト のように、予防やメンテナンスを大切にしながら、落ち着いて相談しやすい環境づくりを重視する歯科医院も増えてきました。

診療報酬改定というと難しく感じるかもしれませんが、実際には、

「これからの歯科医療を、どう良くしていくか」

を考える大きな制度変更でもあります。

そしてその中心にあるのは、
“患者さまのお口を、より長く健康に守ること”。

「痛くないからまだ大丈夫」ではなく、
“悪くなる前に整える”。

そんな考え方が、これからますます大切になっていくのかもしれません。

池尻大橋 一般歯科 小児歯科 矯正歯科 口腔外科 THE DENTAL

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