2026.07.02 診療コラム

ラブリエ認定セミナーを受講してきました

「削らない審美治療」の新しい可能性を感じた1日

 

皆さまこんにちは。THE DENTAL 院長の高安です。

先日、「ラブリエ認定セミナー」に参加してきました。

近年、「歯を削らない審美治療」や「ノンプレップベニア」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

患者さんからも、

「歯は削りたくないけれど歯をきれいにしたい。」

そんなご相談をいただくことがあります。

もちろん、歯を削らずに見た目を改善できるのであれば理想的です。

しかし、新しい治療法や材料だからこそ、本当に臨床で使えるのか、安全性や精度はどうなのか、自分自身でしっかり確認したいという思いがあり、今回セミナーへ参加してきました。

講義だけではなく、実際に模型で接着実習まで行うことができたので、その率直な感想をお伝えしたいと思います。

ラブリエとは?

ラブリエは、非常に薄いジルコニア製のラミネートベニアです。

従来のラミネートベニアは歯を削ることが前提となることが多く、「歯を削りたくない」という患者さんにとっては少しハードルの高い治療でした。

一方ラブリエは、症例によっては歯をほとんど削らずに装着できる可能性があります。

もちろん、すべての症例が適応になるわけではありません。

歯並びや咬み合わせによっては、矯正治療や通常のセラミック治療の方が適しているケースもあります。

それでも、「歯をなるべく残しながら審美治療を行う」という考え方は、これからの歯科医療にとても合っていると感じました。

実際に触ってみて感じたこと

今回のセミナーでは、実際に模型を使ってラブリエを接着する実習がありました。

まず驚いたのは、その薄さです。

手に持つと「本当にこれで強度があるのかな?」と思うほど薄く感じます。

ところが、模型へ合わせてみると見た目の厚みはほとんど気になりません。

従来のベニアのように歯が大きく見える印象も少なく、非常に自然です。

一方で、セット前は非常に繊細でした。

無理に押し込んだり力任せに圧接すると破折する可能性があります。

逆に接着して歯と一体化すると、かなりしっかりした印象になります。

つまり、

「接着前は繊細、接着後は一体化して強度が出る。」

そんな材料だと感じました。

適合精度は想像以上でした

講師の先生は、

「300症例以上経験しているが、試適で入らなかったことはほとんどない。」

と話されていました。

実際に模型上でも、その言葉通りでした。

位置を合わせると迷うことなくピタッと収まります。

この適合精度はかなり印象的でした。

ただし、その精度を活かすためにはスキャンデータが非常に重要になります。

講義でも何度も話がありましたが、

ラブリエはスキャンの精度がそのまま最終補綴物の精度につながるため、今まで以上に丁寧なスキャンが必要になる材料だと感じました。

接着前と接着後を比べて感じたこと

こちらは今回の実習で撮影した写真です。

下が接着前。

上が接着後になります。

接着前の段階でも適合は非常に良好でした。

実際に模型へ合わせても隙間はほとんど感じません。

接着すると歯と一体化し、さらに自然な印象になります。

一方で、ラブリエは非常に薄いため、

下地となる歯の色を比較的透過しやすい印象でした。

つまり、

試適時に見える色と、実際に接着した後では色味が少し変化します。

このため、シェード選択だけでなく、接着セメントの色も仕上がりに大きく影響する材料だと感じました。

一番気になったのは「気泡」

今回実習をしていて一番気になったのが、接着時の気泡です。

写真でも少し確認できますが、ラブリエと歯の間に小さな気泡が入り込むことがあります。

もちろん完全にゼロにすることは難しいと思います。

ただ、適合が良いほど気泡は少なくなる印象でした。

今回使用した接着セメントは比較的ペースト状で粘性の高いタイプでした。

接着力という意味では安心感がありますが、流動性はそれほど高くありません。

そのため、セメントが十分に流れ切らず、気泡が残りやすいのではないかという印象を受けました。

だからといって強く押し込めばいいわけではありません。

ラブリエは非常に薄いため、無理な力を加えると破折する可能性があります。

つまり、

「優しく圧接したい。でも気泡は残したくない。」

という、とても繊細な操作が求められる材料でした。

もし今後、自分が臨床で使用するのであれば、

接着力だけではなく、流動性も考慮したセメント選択をしてみたいと思っています。

また、装着後は舌側・口蓋側のマージン部にわずかな段差ができるため、裏側の研磨は必須だと感じました。

近遠心についても症例によってはストリッピングや細かな調整が必要になるでしょう。

「貼るだけ」の治療ではなく、最後の仕上げまで丁寧に行って初めて完成する治療だと感じました。

この小さな東京タワーが一番驚いたかもしれません

今回のセミナーで個人的に一番印象に残った展示がこちらでした。

右側にあるのが実際のラブリエ。

そして左側にある小さな東京タワーとお城。

最初は、

「なんで東京タワーなんだろう?」

と思いました。

実はこれ、ラブリエを製作している3Dプリンティング技術で作られたサンプルなんです。

しかも、この東京タワーもお城も、

1円玉の中に収まるサイズ。

さらに驚いたのは、その精度です。

積層ピッチは約0.004mm(4ミクロン)

人の髪の毛よりもはるかに細かい世界です。

もちろん東京タワーを作ることが目的ではありません。

これだけ細かいものを正確に造形できる技術があるからこそ、歯のような複雑な形態も高い精度で再現できるということです。

講義では、

ラブリエ1本にも何千本もの細かなサポート材が付いた状態で造形され、それを一本一本人の手で除去して仕上げていると説明されていました。

この模型を見ると、その話にも納得できます。

歯科材料というより、ものづくりとして純粋に感動しました。

実際に受講して感じたこと

今回セミナーを受講して感じたのは、

ラブリエは間違いなく面白い材料だということです。

一方で、まだ新しい材料だからこそ、

長期経過や臨床データはこれから積み重ねていく必要があります。

THE DENTALでは、

「新しいから導入する」のではなく、

患者さんに本当にメリットがあると判断できる治療だけを取り入れたいと考えています。

今回のセミナーは、講義を聞くだけではなく、自分の手で触り、実際に接着し、良い点だけでなく改善点まで確認できた非常に有意義な時間でした。

今後も最新の知識と技術を学び続けながら、患者さんにより良い治療を提供できるよう努めていきます。

ラブリエについて(導入予定)

THE DENTALでは、今回のセミナーを通してラブリエについて学び、現在導入を検討しております。

適応症例や長期経過を十分に確認しながら、患者さんにとって本当にメリットのある治療として提供できるよう準備を進めています。

治療費(税込)

ラブリエ 1歯 88,000円〜

※ステイニング(色調調整)や形態修正などの追加加工が必要な場合は、別途オプション料金となります。
※叢生(歯並び)の改善など、難症例については症例に応じて追加設計・加工費が発生する場合があります。

納期

製作期間は約1か月です。

すべて患者様ごとのオーダーメイドで設計・製作を行うため、お渡しまでお時間をいただいております。

「歯をなるべく削らずに前歯をきれいにしたい」
「ラミネートベニアには興味があるけれど歯を削ることに抵抗がある」

そのような方は、お気軽にご相談ください。

お口の状態をしっかり診査したうえで、ラブリエが適応かどうかも含めてご提案させていただきます。

池尻大橋 一般歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科 THE DENTAL

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